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「キャラAがBに覆いかぶさる→さらにAは、自らの両脚でBの脚をギュッと挟み込んだ」という描写によって、「Bにどこにも行ってほしくない=脚を封じてしまいたい」とAが願っていることを暗示する ~アニメ「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」の場合
第1話の歩夢「私はスクールアイドルやってみたい!」「私の夢を一緒に見てくれる?」
第1話の侑「もちろん!いつだって私は歩夢の隣にいるよ」
↓
第11話の歩夢「ずっと隣にいてくれるって言ったじゃない……」
◆概要
【「キャラAがBに覆いかぶさる→さらにAは、自らの両脚でBの脚をギュッと挟み込んだ」という描写によって、「Bにどこにも行ってほしくない=脚を封じてしまいたい」とAが願っていることを暗示する】は「キャラの感情などを暗示する」ためのアイデア。
◆事例研究
◇事例:アニメ「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」(第1-11話)
▶1
本作の主要キャラの1人・歩夢(「あゆむ」と読む、高2女子)。
彼女には幼馴染がいる。侑だ。
歩夢は侑のことが大好きだ。
・Step1:幼い頃からずっと一緒にいたし、これからもずっと一緒にいたいと考えている。というか、「ずっと2人で一緒にいる」のが当然のことだと思っていた。
・Step2:第1話終盤、歩夢はスクールアイドルになることを決意し、侑に打ち明けた「私はスクールアイドルやってみたい!」「私の夢を一緒に見てくれる?」。
・Step3:侑の返事は「もちろん!いつだって私は歩夢の隣にいるよ」。
・Step4:というわけで、歩夢は新人スクールアイドルに、侑はそれを支えるファン第1号兼マネジャーになった。
ところが――。
・Step5:第2話、2人は高校のスクールアイドル同好会に加入した。
・Step6:そして、社交性に優れ、かつ皆の能力ややる気を引き出す才能に恵まれた侑は、いつの間にやら「歩夢専属のファン兼マネジャー」から「同好会に所属するスクールアイドル全員のファン兼マネジャー」になっていった。
・Step7:歩夢は戸惑う。えっ……。
・Step8:一方、侑は素晴らしいスクールアイドルたちに囲まれて充実した日々を送る。
さらにその後、
・Step9:侑は他校のスクールアイドルを巻き込んだ巨大イベントにも携わるようになっていく。
・Step10:加えて侑はピアノを始めた。将来は音楽科に転科しようと思っているとのことだ。
というわけで、歩夢はもう我慢できぬ!
・Step11:不安……恐怖……苛立ち……嫌悪感……。侑ちゃん、変わらないでよ!どこにも行かないでよ!私だけの侑ちゃんでいてよ!2人で変わらぬ日々をすごそうよ!――結局のところ、歩夢は変化を恐れているのだろう。侑が遠くに行ってしまう、2人の間に距離ができてしまうと感じ、怯えているのだ。
・Step12:第11話、侑の部屋。「もうどうすればいいのかわからぬ歩夢が『嫌……』を叫び、思わず侑を押し倒してしまう」というシーンがある。
・Step13:ソファベッドに倒れ込む2人。
・Step14:歩夢は、侑に覆いかぶさったままつぶやいた「ずっと隣にいてくれるって言ったじゃない……」。そして彼女は自らの両脚で侑の脚をギュッと挟み込んだ――。
▶2
もう耐えられぬ!歩夢は侑に覆いかぶさり、自らの両脚で侑の脚をギュッと挟み込んだ――!
なかなかどうして衝撃的で、そして見ようによってはエッチなシーンだが、ここでご注目いただきたいのは「歩夢が自らの両脚で侑の脚を挟み込む」という描写である。
はて、これは何を意味しているのか。
ずばり、「侑にどこにも行ってほしくない = 侑の脚を封じてしまいたい」という歩夢の想いを象徴しているのだろう。
つまり、【「キャラAがBに覆いかぶさる→さらにAは、自らの両脚でBの脚をギュッと挟み込んだ」という描写によって、「Bにどこにも行ってほしくない=脚を封じてしまいたい」とAが願っていることを暗示する】というテクニックが使われているわけだ。
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