レンは「女難」を抱えているが、これは不幸なことなのだろうか?|『あんハピ♪』(6)
本記事は、アニメ「あんハピ♪」を徹底分析する特集の……第6回である★
第1回からご覧になることをオススメします!
今回のテーマ!
ここまで、はなこ(第2回)、ヒバリ(第3回)、ぼたん(第4回)、ヒビキ(第5回)の人となりをご紹介してきた。
今回は……レン!
彼女の抱える「不幸」などに注目する。
※レン。
レンの抱える「不幸」、それは「女難」!
「あんハピ♪」は、様々な「不幸」を抱えた女子高生たちの日常を描いた作品だ。
そこで、まずはレンがどのような「不幸」を抱えているか確認しておきたい。
作中、彼女の「不幸タイプ」は「女難」と説明されている。
これは、意図せずして「女性・メス」を魅了してしまうというもので、レンの相方・ヒビキは以下のように説明している(第5話)。
レンに恋心を抱くヒビキは、嫉妬に体を震わせながら「レンは……レンは、その……異常に女性にモテてしまうのだ」
ヒバリ「……?まっ、まぁ、中性的でかっこいい感じだもんね」
ヒビキ「そんな生易しい話ではない!見たはずだ!人間はもちろん、犬!猫!鳥!牛!トラ!ウサギ!メスに分類される生物は、なぜかすべてレンに魅了される!レンの幼馴染かつ親友のヒビキが長年見てきた実体験だ!」
かくしてレンは、街を歩けば猫(メス)に、山を歩けば鳥(メス)やらウサギ(メス)やらにつきまとわれるのである。
※右上:夜、レンが寝ていると……大量の猫(メス)が窓から部屋に侵入し、ベッドにもぐりこんでくるのが日課。
レンは本当に「不幸」なのだろうか?
ここまでご紹介してきた通り、レンは「女難」という「不幸」を負っているのだが……はて。
果たしてこれは「不幸」なことなのだろうか?
結論から申し上げると……私は「不幸」とは言えないと思う!
理由は以下の3点である。
---☘---
【1】すべての女・メスを魅了するわけではない
上述の通り、ヒビキはレンの体質について「メスに分類される生物は、なぜかすべてレンに魅了される!」と説明しているが……これは誇張である。
真実ではない。
そう!
レンはすべての女・メスを魅了するわけではないのだ。
現に、主要5人の内、レンに魅了されているのはヒビキだけだ。
また、モブキャラ(クラスメイトなど)も、特にレンに夢中になっている様子はない。
動物にしたってそうだ。
彼女の周りにはいつも猫や鳥が群れているが、逆に言えばそれ以外の動物の姿は見えない。
例えば……「ドラえもん」に「ターザンパンツ」(コミックス31巻収録)というエピソードがある。
「ターザンのように動物と仲よくなれるパンツ」を履いたのび太は、犬と仲よくなろうとするが……なかなか上手くいかず、カラスやゴキブリ、ネズミを集めてしまう。
もしもレンがすべての女・メスを魅了するというならば、カラスやゴキブリ、ネズミも集まってくるのが道理だが……そうはなっていない。
---☘---
【2】有効活用すれば、むしろ武器になる
動物(メス)たちは、単にレンの周りに集まってくるのではない。
彼女らは、レンに貢献しようとする。
象徴的なのが第12話だ。
レンらは、林間学校先の山の中で、「幸福実技・箱庭鬼ごっこ」に参加する。
レンは洞窟の中に隠れる。
時が経ち、レンが呟く「喉が渇いた」。
すると……ウサギやリスが木の実などを持って集まってくるのである!
また、その後レンは鬼に捕まり、檻に囚われてしまう。
すると今度は……クマやイノシシが集まってきて、レンを救出しようとするのだ!
彼女らは看守役のロボットと乱闘を繰り広げ、その隙にレンは脱出に成功する。
---☘---
【3】レンが嫌がっていない
作中、レンが自身の「女難」体質をわずらわしく感じている描写は見当たらない。
---☘---
以上見てきた通り、①「すべての女・メスを魅了するわけではない」、②「有効活用すれば、むしろ武器になる」、③「レンが嫌がっていない」……いかがだろう。
これは「不幸」というよりも、ポジティブな意味で「異能力」と言うべきではないだろうか。
※余談:レンの「女難」を異能力と捉えると……彼女は、「コードギアス」のルルーシュと似たタイプの能力者と言えそうだ。
レンの性格的・内面的特徴
続いて、レンの性格的・内面的な特徴を見ていこう!
彼女はまず何よりも、①「感情表現が乏しく、無口」である。
そして、②「(知力、体力共に高く、何でも卒なくこなせるようだが)面倒くさがりで、隙あらば寝ようとする」。
またおそらく、③「善人」だ。
最後に、④「ヒビキに好意を抱いているが、それは恋愛感情ではないし、ヒビキがレンに対して恋愛感情を抱いていることには気づいていない」。
彼女についてご紹介できるのは、これくらいのことだろう。
レンはとにかく感情表現が乏しいので、他のキャラと比べて性格・内面がわかりづらいのだ。
※余談:上述の通り、レンの「女難」はあまり「不幸」っぽくない。だから当初私は……「レンの不幸 = 女難」というのはフェイクで、実際は「無感情」(感情が乏しく、何事にも心が動かない)とか、「怠惰」(面倒くさがり)といった「不幸」を背負っているのではないか?これが物語後半のキーになるのではないか?そして「がっこうぐらし」のように、何か途方もないどんでん返しが隠されているのではないだろうか!?……なんてドキドキしていたのだが、すべては杞憂であった。
※レンは、OPの「きららジャンプ」中も無表情。
※レンは露天風呂でも眠りに落ちる。
明日の最終回に続く★
---☘---
関連
---☘---
最新情報はTwitterで★
---☘---
最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。
(担当:三葉)