「部屋の照明を消し、夜景に背を向けて、スマホのディスプレイをじっと見つめるキャラA→ディスプレイにはかつての仲間の写真が映っている」というシーンを通じて、Aには「仲間とすごした素晴らしい日々」しか見えていないこと、本当は「様々な光=可能性」があるのにそれを無視してしまっていることを暗示する ~アニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」の場合
◆概要
【「部屋の照明を消し、夜景に背を向けて、スマホのディスプレイをじっと見つめるキャラA→ディスプレイにはかつての仲間の写真が映っている」というシーンを通じて、Aには「仲間とすごした素晴らしい日々」しか見えていないこと、本当は「様々な光=可能性」があるのにそれを無視してしまっていることを暗示する】は「キャラの感情などを暗示する」ためのアイデア。
◆事例研究
◇事例:アニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」(第2話)
▶1
本作の主要キャラの1人・そよ(高1女子)。
彼女の家は金持ちらしい。
・Step1:そよはお嬢様校として有名な高校に通っているし、家もすごい。
・Step2:そよの部屋は、まるで高級ホテルのラグジュアリールームである。ふかふかのベッドに、いかにも上品なデスク。そしておそらくは高層マンションの上層階に住んでいるのだろう、壁一面に広がる巨大な窓からは美しい夜景が見える。
ある夜のこと。
・Step3:そよがベッドに腰かけている。部屋の電気は消えており、窓からは夜景が見える。――しかし彼女は窓に背を向けて、手元のスマホをじっと見つめていた。
・Step4:スマホに映っているのは、かつて彼女が所属していたバンド「CRYCHIC」の集合写真だ。
▶2
ご注目いただきたいのは、Step3-4である。
そよは部屋の照明を消し、夜景に背を向け、そしてスマホのディスプレイをじっと見つめている。つまり彼女は「照明や夜景といった様々な光」を無視して、「スマホのディスプレイが発する光」しか見ていない。
では、そのディスプレイには何が映っているのか?
「CRYCHIC」の集合写真である。
これはじつに象徴的なシーンだ。
というのも――「CRYCHIC」は最高のバンドだった。最高のメンバーが揃っていた。
だが、いろいろあって解散に至った。
そしていま、一部のメンバーはすでに新たな道を歩み始めている。いままさに歩み出そうともがいている者もいる。
しかし、そよは違う。
彼女はいまも「CRYCHIC」を愛していた。「CRYCHIC」に執着していた。どうにかして再結成したい、あの素晴らしい時間を取り戻したいと願っていた。そう、彼女は「CRYCHIC」しか見ていない……!
つまり、【「部屋の照明を消し、夜景に背を向けて、スマホのディスプレイをじっと見つめるキャラA→ディスプレイにはかつての仲間の写真が映っている」というシーンを通じて、Aには「仲間とすごした素晴らしい日々」しか見えていないこと、本当は「様々な光=可能性」があるのにそれを無視してしまっていることを暗示する】というテクニックが使われているわけだ。
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