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ドリーズームで「恐ろしい雰囲気・不穏な雰囲気」を醸し出したり、キャラの「恐怖・不安・動揺・焦燥」を表現したりする ~映画「めまい」の場合
スコティ「マデリン!待ってくれ、マデリン!」
◆概要
【ドリーズームで「恐ろしい雰囲気・不穏な雰囲気」を醸し出したり、キャラの「恐怖・不安・動揺・焦燥」を表現したりする】は「空間演出、画面構成」に関するアイデア。
◆事例研究
◇事例:映画「めまい」
▶1
本作の主人公はスコティ(50歳頃の男性)。
彼はとある出来事をきっかけに、高所恐怖症になってしまった。高いところから下の方を見るとめまいがしてぶっ倒れそうになるのだ!
いろいろあって……
・Step1:マデリンという女性を追いかけるスコティ。マデリンは教会の鐘楼の螺旋階段を駆け上がっていった。スコティも後に続く。
・Step2:ところが階段を上る途中、スコティはふいに下を見てしまった。かくしてめまい!ぶっ倒れそうになる。
・Step3:スコティは懸命に階段を上ろうとする。しかし、嗚呼ダメだ。足が動かない。マデリンとの距離が広がる。やがてマデリンの姿は見えなくなってしまった。
・Step4:そしてその直後。マデリンは鐘楼の頂上から身投げした。投身自殺である……!
・Step5:スコティは強いショックを受ける。俺のせいだ!俺がめまいを起こしたせいで彼女が自殺するのを止められなかった!!この後、彼は罪悪感のあまり正気を失い、おかしくなってしまう。
▶2
ご注目いただきたいのはStep2。「階下を見下ろしたスコティがめまいを起こす」というシーンで、ドリーズームが使われているのだ。
※ドリーズーム:Wikipediaのこの9秒間の動画をご覧いただきたい。一言で言うならば、「階段がぐーんと後ろの方に伸びていくように見える」という映像である。
はて、なぜこのシーンではドリーズームが使われているのだろうか。
理由は明白だ。
【ドリーズームを使って、スコティが感じているめまいを表現することで → 「うわー、これはひどい!気持ち悪くなりそうだ」と鑑賞者は感じ → 「スコティが立ちすくんでしまうのも無理ないなぁ」と彼の行動に納得してくれるはず】と制作者は考えたのだろう。
つまり、「スコティがマデリンに追いつけず、そのせいでマデリンが自殺してしまう」というストーリー展開を違和感なく受け入れてもらうためのドリーズームなのだ。
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