「ガルクラ」見てますか?小指立ててますか? ~春アニメ「ガールズバンドクライ」の研究
👉本記事は、オンライン座談会「アニメ語り」(4月28日実施/参加者は清水と村上)の要約です。完全版は動画でご覧ください。なお、ラジオ形式の動画ですので作業用BGM感覚でお聞きいただけます👂
👉以下の「🎙️0:00~」は動画の経過時間です。例えば「🎙️1:15~」に気になるトピックがある場合には、動画の「1分15秒」辺りから再生してみてください。
🎙️1:15~
本作は「ヨルクラ」と比較されることが多い印象。しかしこの2作品は目指している方向がだいぶ違いそう。
ガルクラが大好きな人と、ヨルクラが大好きな人は、アニメに求めているものがかなり違うのではないか。そして両者は相容れなさそう。
🎙️2:58~
本作の最大の魅力は、主人公・仁菜のヤバさ、どうしようもなさであろう。
仁菜を見ていると、1950-60年代のヤクザ映画を思い出す。どうしようもないやつだけれど真っすぐ。正直者で憎めない。自分に素直で不器用。だからこそ応援したくなる。実生活では関わり合いになりたくないタイプの人間だけれど、覗き見するには楽しい。
🎙️5:30~
第4話。すばるの祖母は、たぶんすばるの気持ちに気づいていた。したがって、すばるがお芝居を止めたい、音楽に挑戦したいと本音をぶつければ円満解決、めでたしめでたしだったはず。ところが仁菜のせいでぶち壊し。祖母は「あれ……今日打ち明けられると思っていたんだけれど……?」と困惑しただろう。
仁菜のおかげで(せいで?)、物語が予想外の方向に進んでいく。それが楽しい。
仁菜はすばるに向かって、「人の気持ちを考えなければならない」と言う。「お前以外はずっと前から人の気持ちを考えて生きてきたよ!(笑)」とツッコみたくなる。
🎙️7:26~
仁菜役の声優さんがすごい。演技が上手い。作品への貢献大だと思う。
歌も、思わず笑ってしまうほど上手い。
🎙️9:20~
桃香は、一見するといいお姉さんキャラ。「ぼっち・ざ・ろっく」の星歌さん(虹夏ちゃんのお姉ちゃん)を思い出す。もしもぼっちちゃんが星歌さんとバンドを組んでいたらこんな感じになっていたのかなと思う。
しかし実際には、桃香は桃香で問題を抱えている様子。例えば彼女は自分の過去を語りたがらない。すばるの脱退騒動時には、悪い意味で大人ぶっている感じがした。かつてのバンドメンバ-にいまも強い想いを抱いていそう。いまはお姉さん面しているけれど、やがてその仮面が外れるのだろう。
「ヨルクラ」では、各キャラの過去がかなり明らかになっている。一方、本作は仁菜にしろ桃香にしろ過去がまだ明らかになっていない。
🎙️11:50~
吉野家組(海老塚、ルパ)はいつから本格的に物語に絡んでくるのだろうか。第5話の次回予告にも登場していなかった。そろそろ待ちきれない。
海老塚には特に期待している。彼女はどう見ても厄介なキャラであり、仁菜とぶつかるのは必定と思われる。もしかすると、「大人ぶってんじゃないわよ!」なんて言って桃香の仮面を剥がすのも海老塚かもしれない。
海老塚はOPからしてインパクト大。直立不動、腕組みして空から降りてくる。絶対強キャラである。また、キーボードを極端な前傾姿勢で弾いているように見える。「ぼっち・ざ・ろっく」のぼっちちゃんを思い出す。天才的な才能を持っているのかもしれない。
🎙️14:01~
本作は、次回予告の使い方がいい。
例えば第3話。初ライブが無事終わって感無量というところで、次回予告が入り、「バンドを辞めます」というすばるのメッセージが画面に映し出される。私たち鑑賞者は「ファーストライブ直後でもう辞めんのかい(笑)!」と興味を惹かれる。
🎙️17:00~
ガールズバンドを扱ったアニメは少なくないが、その多くは学校や芸能界を舞台としている。それに対して本作に登場するのはフリーター(とその予備軍)ばかり。したがって、どのようにしてお金を稼ぐのかというのが重要なトピックになりそう。
1人黙々とバイトをこなす桃香がいい。「バイトで稼いで音楽をやる」と腹を決めている感じがする。一方、仁菜は予備校、すばるはアクターズスクールに通っており、まだまだ中途半端な印象。
吉野家組の2人が学校に通っているのか、それともフリーターなのか気になる。できれば後者だと嬉しい。後者な気がする。
🎙️19:05~
公式サイトを見ると、海老塚の実家は裕福らしい。しかし深夜に牛丼屋でバイトをしている。なぜか?
アニメ「リンカイ!」の那古屋紗智と同様、仕送りを受けていないのかもしれない。
もしかすると仁菜と似た境遇であり、それゆえに「親と不仲で地元を飛び出してきたのに親の金で予備校に通っているって……あんた舐めてんの!?」なんて仁菜に突っかかっていくのかもしれない。その結果として仁菜が発奮するとか。
🎙️21:55~
海老塚はもちろん、ルパの本格的な登場も楽しみ。
公式サイトを見ると、ルパは南アジア出身らしい。「南アジア」ってどこだ?
名前もキャラデザも、「ブレイブウィッチーズ」のニパっぽさを感じる。
🎙️23:32~
第3話。どいつもこいつも桃香の部屋にスマホを忘れすぎ。ただし、すばるは意図的に忘れた可能性がある。
第3話。仁菜がすばるに嘘をついて1人で帰るシーン。普通なら申し訳なさそうな表情を浮かべてそうなものだが、よく見ると彼女は満面の笑み!こいつ本当に人と一緒にいるのが嫌なんだなぁ。
🎙️25:05~
本作は「顔芸アニメ」と言っても過言ではないと思う。もちろんいい意味で。キャラの表情が魅力的で、本作の大きな特長になっている。
仁菜は怒った時にブルドックのような顔つきになる。すばるは怒ってるのか呆れてるのかよくわからない表情を浮かべることがある。そういった1つ1つがじつに最高。
一般的には、3DCGアニメは細かい表情を作るのが難しいとされる。ところが本作は見事。
🎙️29:09~
コードやケーブルが本作の重要なモチーフになっている印象。例えばOPでも目立っている。また、第3話ではトランクショットを使って強調されていた。今後も要注目。
🎙️31:20~
桃香とルームシェアしているゲイの男性は、今後本筋に関わってくるのだろうか。
ゲイと同居していることから推測するに、桃香は同性愛者なのかもしれない。だとすると、色恋が原因で過去のバンドがダメになった可能性もある。もしや「ささ恋」のような展開か?
仁菜の部屋の隣に住んでいる家族は、今後本筋に関わってくるのだろうか。少なくとも最終回のライブには顔を出しそう。
「新川崎」にしろ「紅生姜」にしろ、どいつもこいつもバンド名がださいのはなぜか?
🎙️36:33~
すばるはなぜ制服を着ているのか。彼女は高校に通っていないし、アクターズスクールには制服がない様子。何か事情がありそう。
仁菜は中指の代わりに小指を立てるが、小指には「指切り=約束」という意味もある。この辺りが本作の今後の展開に関わってくるのかもしれない。
今後、仁菜が故郷(実家の家族、かつての同級生)と対決する展開はありそう。熊本は遠いので、「よりもい」のようにオンラインでバトルするのかもしれない。
🎙️45:11~
ルパはおそらくはチート系キャラだろう。トラウマやコンプレックスを抱えておらず、何でもできる。しかし名前だけはユニーク。つまり「ユーフォ」のサファイアちゃんである。
上述の通り、本作に登場するのはフリーター(とその予備軍)ばかり。したがってお金の問題を無視することはできまい。経済的困窮を真正面から描いてほしい。例えば、仁菜がステージ衣装を買うためにスマホを売り飛ばしてしまうとか。