冬アニメ「俺だけレベルアップな件」の研究 ~いまだヒロインすら登場せず。この孤独な男に未来はあるのか!?
<座談会の参加者紹介>
👉清水大地 マスター・オブ・アニメ。年120作以上のアニメを見続けて20余年。「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」で好きなのはアイシャ・ベルカ。
👉村上空気 「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」で好きなのは、もちろんリリ(リリルカ・アーデ)。 →X(旧Twitter)でフォローしてね!!
⚔️主人公以外のキャラの存在感が、あまりにも希薄
※前記事に引き続き、冬アニメ「俺だけレベルアップな件」について議論します→ 前記事はこちら
清水:ここからは、キャラについて考えてみたい。
村上:ふむ。
清水:というのもさ、本作は主人公以外のキャラの存在感があまりにも希薄だと思うんだよ。
村上:わかる!
清水:だよね。
村上:「作者は主人公以外のキャラを描く気がないんだろうなぁ」と感じるな。――もちろんこれは「だからダメだ」と言っているわけではなくて、あくまでも「そういう作品なんだ」という意味ね。
清水:そうそう。本当にそう。
村上:うん。
清水:例えば第1-2話に登場したB級ヒーラーの観月さん。「この人がヒロインなのかな」と思いきや、第2話でメンタルを病んでしまいあっさり退場。それ以来もう出てこない(笑)。
村上:そうなんだよ!せめて「主人公が見舞いに行く」というエピソードでもあれば関係が続くだろうに、こいつ行かないんだもんなぁ(笑)。
清水:同じく第1-2話に登場した馬渕さん。チームのリーダーで、先輩格として主人公を導く存在かと思いきや、第2話で腕を失ってあっさり退場してしまった(笑)。
村上:そう!そうなんだよ!主人公は見舞いに行け(笑)!
清水:この流れでいくと、第5話から登場した諸菱くんの出番もそろそろ終わりかね?
村上:そうねぇ……。
⚔️ヒロインすら不在
清水:本作の主人公は本当に孤独だよねぇ。
村上:何しろ、ヒロインすらいないまま第6話まで来てしまったもんなぁ。昨今の日本のアニメと比べるとかなり珍しいことじゃないかな。
清水:これは何なんだろうね?
村上:うーん……。本作は、韓国の小説・マンガを原作とする作品だ。そして韓国には女性嫌いの男が多いらしい。したがって……(笑)。
清水:あー(笑)。
村上:行きすぎたフェミニズムのせいだとか聞いた記憶があるけれど、まぁとにかく女性嫌い、いわゆるミソジニーの影響でヒロインすら登場しないのかな(笑)?
清水:なるほど……(笑)。
⚔️儒教の影響?
村上:主人公以外にある程度まともに描かれているキャラといえば……。
清水:主人公のお母さんと妹かな。
村上:つまりは家族だけか。
清水:うーん。「家族だけは存在感がある」というのはあれかね、儒教文化圏だからこそかね?
村上:そうか、儒教の影響か。
⚔️「Solo Leveling」
村上:本作のサブタイトルと言っていいのかな、「俺だけレベルアップな件」の後に「Solo Leveling」って付いているじゃない。
清水:うん。
村上:なんかさぁ、「Solo=ソロ」って悲しいよねぇ(笑)。
清水:わかる(笑)。
村上:「あー、タイトルでソロって明言しちゃうんだ」って(笑)。
清水:そうねぇ(笑)。主人公が1人で冒険する物語はたくさんあるけれど、本当にソロの作品は案外ないものだからなぁ。
村上:冒険する内に仲間ができたり、ライバルが登場したりね。
清水:そうそう。しかし本作の場合はずっとソロっぽいんだよなぁ(笑)。
村上:そうなのよ(笑)。例えば「ダンジョン飯」。あれはいいよね。皆で力を合わせてダンジョンを進んでいく――楽しそうだ(笑)。
清水:(笑)。
村上:それから、先期の作品でいえば「とあるおっさんのVRMMO活動記」。「俺は1人の生活を楽しみたいんだ」なんて主人公はたびたび嘆くけれど、周りが放っておいてくれない。
清水:「周りが放っておいてくれない→やれやれ、しょうがないなぁ」というお約束展開だね(笑)。
村上:「陰の実力者になりたくて!」だってそうだ。主人公は「モブキャラであろう」「陰に潜もう」とする。しかし彼の周りには魅力的なキャラがいっぱい集まってくる(笑)。
清水:ところが本作は……(笑)。
⚔️主人公の未来に幸多からんことを!
清水:このままでは主人公があまりにも哀れだよ!ぜひヒロインキャラに登場してもらって、幸せになってほしいなぁ。
村上:なるほど(笑)。
清水:例えば、S級ハンターの向坂雫ってキャラがいるじゃない。彼女なんかどうかな?ヒロインとしてぴったりだと思うんだけれど……。
村上:いや、ダメだね(笑)。
清水:ダメなの(笑)?
村上:この作品にヒロインはいらないよ。このまま突き抜けて、徹底的に孤独の道を歩んでほしいね(笑)。
清水:えー(笑)。何て言うか……「ソードアート・オンライン」のキリトくんもアスナと出会うまでは一匹狼だったわけじゃない。
村上:うん。
清水:ああいう感じでさぁ。
村上:ヒロインと交流する内に主人公にも人間味が出てくるって展開か。
清水:そうそう。向坂さんは赤いスーツみたいのを着ていたし、ヒロインにちょうどいいでしょ(笑)?
村上:赤いスーツだからアスナポジションにちょうどいいってこと?しかしそうなると、主人公が黒い服を着ていないのが問題だ(笑)。