【21年秋アニメ研究】「SELECTION PROJECT」の分析【1:鑑賞者の体験の分析】
※本記事では、2021年秋アニメ「SELECTION PROJECT」の第1話を分析します。
本記事全体のまとめ
※本記事全体をレポート形式にまとめました。本記事後半の文章と同内容ですが、レポート形式の方が見やすいと思います。お勧めです!
鑑賞者の体験の分析
本話を鑑賞した複数のアニメファンの感想を整理・類型化した。本話が鑑賞者に対してどのような<体験>を提供したのかを把握するのが目的である。
▶キャラ(正統派キャラ)
・主人公の鈴音はアイドルオーディションに挑戦するが、しかし敗退してしまう。そしてその後、【皆の前では笑顔で「参加してよかった」と語る → だが1人になると号泣】という展開をたどる。
・この展開がいいと思うのだ!いかにも善人な正統派ヒロインという感じで、応援したくなる♥
▶キャラ(あざといキャラ)
・凪咲はブリッコキャラである。本話では本性を露わにすることはなかったが、しかし間違いない。彼女には裏表がある。
・例えば……【他の最終予選出場者から「凪咲ちゃん、今日もかわいい」と言われると、あからさまにブリッコな声で「え~、皆もかわいい~。もう凪咲、絶対優勝できないよぉ~」】。一事が万事こんな具合!
・彼女がいつ本性をさらけ出すのか、次話以降が楽しみだ。
▶コンセプト(作品の根幹となる設定)
・【主人公(の1人)はかつて病弱だった】、【大人気アイドルが数年前に事故死している】という設定が「IDOLY PRIDE」と完全にかぶってしまっている。
・さらに、【副主人公っぽく描かれているキャラ(玲那)が、他のキャラとは違ってやけにクール + そのクールキャラの顔が、いまは亡き大人気アイドルとよく似ている】という点から、「IDOLY PRIDE」の琴乃と麻奈の関係を想起した人は少なくないだろう。
・もちろん、本作が「IDOLY PRIDE」をパクっただなんてことを言いたいのではない。しかし……近年、アイドルアニメは多産多死。ただでさえマンネリ気味、飽きられつつあるジャンルだ。そんな中でつい最近放送されたばかりのアニメと、作品の根幹たる設定がかぶってしまっている!これはきつい。
・多くの鑑賞者は、「えー。『IDOLY PRIDE』と同じじゃん……」「<じつは主人公は伝説のアイドルから心臓移植を受けていた>っていうオチじゃないの?(笑)」と感じたはずだ。
▶構成(大量のキャラをちょっとずつ紹介する)
・本話は、【主要キャラ9人がほぼ同時に登場 → 最終予選と合わせて、各キャラの人となりがわかるエピソードがコンパクトに描かれる】という構成だが……さすがに9人は多すぎたのではないか。
・まず、1人1人のエピソードが短すぎて、結局どのようなキャラなのかよくわからなかった。
・さらに、そのよくわからぬキャラの短尺エピソードがバラバラと並んでいるだけだから全体的に惹きつけられるものがなく、途中で飽きてしまった。
▶構成(ヒキ)
・本話には【主人公がまさかの敗退】、【主人公がパフォーマンス中に立ちくらみを起こす】、【各地区の勝者が決定し、次からはいよいよ本戦が始まる】など、本来ならフックになるであろう要素が複数仕込まれているのだが、しかしその割にはワクワクしたり、続きが気になったりはしなかった。
・なぜか?前述の通り、主要キャラ1人ずつの紹介が短すぎて結局どのキャラにも好意や関心を持てなかったからだろう。
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(担当:三葉)