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「記念すべき初のオリジナル曲を、よりにもよってゴミ箱の周りに集まって聞く」というシーンを通じて、彼らが一般社会ではゴミ箱に捨ててしまうような短所をも個性として活かすバンドであると暗示する ~アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」の場合
リョウ「個性捨てたら死んでるのと一緒だよ」
リョウ「バラバラな個性が集まって1つの音楽になって、それが結束バンドの色になるんだから」
◆概要
【「記念すべき初のオリジナル曲を、よりにもよってゴミ箱の周りに集まって聞く」というシーンを通じて、彼らが一般社会ではゴミ箱に捨ててしまうような短所をも個性として活かすバンドであると暗示する】は「キャラの感情などを暗示する」ためのアイデア。
◆事例研究
◇事例:アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」(第4-5話)
▶1
本作の主人公は、後藤ひとり(高1女子)。
ニックネームは「ぼっち」である。
ぼっちはギタリストであり、
・Step1:同年代の女子4人からなるバンド「結束バンド」に所属している。
・Step2:ある日、リョウ(ベース担当)がオリジナル曲を作曲してきた。
・Step3:曲はリョウのスマホに入っている。彼女はスマホをゴミ箱の上に置き、曲を再生。4人はゴミ箱をぐるっと囲んで耳を傾けた。
・Step4:間もなく曲が終わる。直後、メンバーたちは感嘆の声をあげた「えっ……かなりよくない!?」。
▶2
ご注目いただきたいのは、Step3である。
「初のオリジナル曲を再生する」という記念すべきシーンにも関わらず、結束バンド一同はゴミ箱を囲んでいる。そう、画面の中心にあるのはゴミ箱……。
それでいいのか!?
いいのである。
なぜならば、結束バンドは一般社会ではゴミ箱に捨てられてしまうようなアレコレを「個性」と認め、それを武器とするバンドなのだから。
例えば第4話。
ぼっちがいかにもヒットしそうな歌詞、ボーカルの喜多(明るくてコミュニケーション能力の高い少女)が歌うに相応しい歌詞を書こうとして、迷走していた時のことだ。
リョウが助言した「いろいろ考えてつまんない歌詞書かないでいいから、ぼっちの好きなように書いてよ」「個性捨てたら死んでるのと一緒だよ」。
ぼっちは困惑する。彼女は「コミュ障」で「陰キャ」なのだ。好きなように書いたりしようものなら、おそろしく暗くて後ろ向きな歌詞、社会や成功者への呪詛のような歌詞、自己嫌悪と承認欲求にまみれた歌詞になってしまうだろう。
だが、リョウはそれを肯定する。曰く「バラバラな個性が集まって1つの音楽になって、それが結束バンドの色になるんだから」。
一般社会ではゴミ箱に捨ててしまうような短所をも個性として活かすバンド、それが結束バンド。「記念すべき初のオリジナル曲を、よりにもよってゴミ箱の周りに集まって聞く」というのはそんな彼らにぴったりの展開だと言えるだろう。
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