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ドラマ「地獄が呼んでいる」のストーリーと構成の分析
ドラマ「地獄が呼んでいる」のストーリーと構成を分析します。
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▶第1話のあらすじ
・2023年、ソウル市ハプソン駅付近。3体の怪物(見た目は巨大なゴリラ)が突如現れ、1人の男性を暴力的に殺害、直後姿を消した。あとには、炭化した人骨のようなもののみが遺されていた。
・すぐに警察が捜査を開始。ギョンフン刑事は、後輩ウンピョと共に、事件に関係ありそうな「新真理会」を調べ始めた。
・新真理会は、創立10年目を迎える新興宗教団体だ。彼らの主張は、①悪人の前には天使が現れ、地獄に落ちる日時を<告知>する。②その時がくると、地獄の使者(前述の怪物)が現れ、天罰を下す。なおこの天罰を<試演>と呼ぶ。③この現象は既に世界中で確認されている。④これは罪人への罰である。⑤神罰を受けぬよう、我々は清く正しく生きねばならぬ。
・なお、熱狂的な信者が「矢じり」なる団体を結成し、様々なトラブルを起こしていた。
・ギョンフン刑事は、ジンス議長(新真理会では教祖を「議長」と呼ぶ)に接触。
・ジンス議長は協力的な態度を見せ、「人びとに正しく生きてほしいんです」と語った。対するギョンフン刑事は「神の罰を恐れ、死にたくないからと善良に生きることが正しいのか?人間は自分たち自身で正しく生きられるはずだ」。するとジンス議長は、「あなたは奥さんを殺され、犯人の処罰に不満を抱いているはず。本当に、人間が自分たちだけで正しく生きていけると思っているのか?」。
・そう。ギョンフン刑事は、かつて妻を殺された。ところが犯人は薬物依存症者だったため減刑され、わずか6年で釈放。いまもどこかで生きているのだろう。ジンス議長の言う通り、ギョンフン刑事は人間の作った仕組み(法律、裁判制度など)に疑問を抱いていた。
・ハプソン駅の事件は、動画共有サイトのインフルエンサーを通じて拡散され、若者たちは大いに盛り上がった。特に矢じりは「神が意思を示したのだから自分たちも動かなければ!」と暴走。新真理会を否定する文化人を襲撃したり、「神罰を受けた者の罪状を暴け!」と騒いだりした。
・警察は、暴走した矢じりの一部を捕まえた。しかし彼らは未成年で、しかも「世界は完成を迎えつつあるのにオジサンたちはわかっていないなぁ」などと、取調べ中も警察を舐めた態度を取る。
・そんなある日……新真理会に詳しい女性弁護士ヘジンのもとに、1人の女性がやってきた。彼女はジョンジャ(母子家庭の母、2人の子どもがいる、経済的に余裕はない)。
・ジョンジャ曰く、①彼女は「5日後に地獄に落ちる」という<告知>を受けた。②新真理会が「ジョンジャの<試演>をネットで生中継させてほしい」と頼んできた。ヘジン弁護士は唖然とする。生中継!?
▶第2話のあらすじ
・【第1話の直後】ジョンジャは、ヘジン弁護士に言った「『<試演>をネットで生中継させてくれたら大金を支払う』というのが新真理会の申し出だ。<試演>なんてものが本当にあるのかわからないが、子どもが金を得て静かに暮らせるように手助けしてほしい」。ヘジン弁護士は「<試演>なんて嘘に決まっている」と呆れる。だが、弁護士事務所の方針で引き受けることになる。
・ヘジン弁護士立ち合いのもと、ジョンジャと新真理会が正式に契約を交わした。
・ジンス議長は「ジョンジャが地獄に落ちる理由を知る必要がある」と言って、ジョンジャのプライバシーに関わる質問を繰り返した(「なぜシングルマザーなのですか?」など)。ヘジン弁護士はいら立つ。
・ところで……ギョンフン刑事の後輩ウンピョは、じつは矢じりの一員だった!彼はジョンジャの個人情報をネット上に流した。矢じりたちは「ジョンジャの罪状を明かせ!」「子どもに証言させろ!」などと騒ぎ、動き出した。
・それに気づいたヘジン弁護士は、慌ててジョンジャと子どもを保護。どこに矢じりが潜んでいるかわからぬ中、空港へ向かった。そして、子ども2人をヘジン弁護士の親戚が住むカナダに出国させた。
・ジョンジャは子どもが無事でよかったと喜ぶ。しかし同時に、「満足にお別れすることもできなかった」と涙を流した。
・その頃……ヒジョン(ギョンフン刑事の1人娘)はジンス議長と共にいた。彼女は、ギョンフン刑事同様に母を殺した犯人の処遇に疑問を抱いており、また、矢じりでこそないもののジンス議長に心酔しているようだ。
・その夜、ヒジョンは言った「私は覚悟を決めました」。ジンス議長が頷く。かくして2人は犯人を捕らえると、生きたまま焼却炉で焼き殺した。そして、まるで<試演>で死んだかのように遺体を細工。
・翌日遺体が見つかると、矢じりは大騒ぎ「<試演>に違いない!」「やはり神罰は存在するのだ!」。マスコミもこれを取り上げた。
・一方、ジョンジャの<試演>の時が迫る。新真理会はジョンジャが住むアパートを丸ごと買い取ったらしく、<試演>を撮影しやすいように建物を改造。さらに、アパートの周りには矢じりらが集まって 「ジョンジャは罪を告白し、贖うべきだ!」とコールした。
・また、<試演>の様子は地上波でも放送されることになる。
・<試演>当日。部屋の中央にポツンと置かれた椅子。そこにヒジョンが座る。彼女は心身共に疲れきっている。
・ヒジョンの周りには警察。また、やじ馬や特等席で鑑賞するVIPの姿もある。
・そして……いよいよ<試演>の時。
▶第3話のあらすじ
・【第2話の直後】ヒジョンの前に地獄の使者が出現。その場にいた人は皆仰天し、何もできない。ギョンフン刑事だけは果敢に発砲するが、使者に弾き飛ばされ気絶してしまった。その後、使者たちはヒジョンを殴り殺し、去っていった。
・その場にいた人はもちろん、メディアを通じて一連の出来事を見ていた人びとも新真理会の主張が真実だと確信し、神に祈りを捧げた。
・翌朝。人びとはこれからどうすればいいのかわからず、息を潜めていた。そんな中、ジンス議長がテレビに出演して語りかけた「積極的に善行に励むべきだ」「神のメッセージを理解し、正しく生きよう」。
・同じ頃……動画共有サイトのインフルエンサーが、「ギョンフン刑事とヘジン弁護士は新真理会に反抗的だ」と名指しで批判。
・身の危険を感じたヘジン弁護士は、老母を連れて慌てて逃げ出した。しかしすぐに矢じりに捕まり、老母は殺され、ヘジン弁護士も負傷した。
・その後、ヘジン弁護士はジョンチルなる人物から「ジンス議長の過去を知っている」と連絡を受けた。ヘジン弁護士はジョンチルのもとへ向かった。
・一方、ギョンフン刑事はひょんなことから「ヒジョンがジンス議長と共にいる」と気づいた。なぜあんな男と一緒にいるんだ!?彼は慌てて2人の行方を追った。途中矢じりに襲撃されるものの、やがてジンス議長から連絡が入った「あなたと話がしたい」。
・ヘジン弁護士がジョンチルのもとに、ギョンフン刑事がジンス議長のもとにそれぞれ到着。そしてジョンチルとジンス議長の口から真実が語られた。曰く……①20年前、ジンス議長は「20年後に地獄に落ちる」と<告知>を受けた。②その「20年後」が間もなくやってくる。③<告知>を受けたものの、ジンス議長は何ひとつとして罪を犯していなかった。つまり<試演 = 神罰>というのは嘘。じつは試演は、無作為に生じる自然現象に過ぎない。④しかしそれでは人びとが混乱・恐怖するだろう。また「悪事を為せば罰が下る」ということにしておけば、人びとは善行を為し、理想の世界が訪れるはずだ。というわけでジンス議長は人びとのために新真理会を立ち上げ、<試演 = 神罰>と嘘を説いてきたのだった。
・その後、ジョンチルはヘジン弁護士に言った「私はジンス議長から、新真理会の議長の座を譲ってもらうことになっている。条件は2つ。①ジンス議長が<試演>を受けることを秘密にする、②余計なことを知りすぎたヘジン弁護士を殺す」。
・かくしてヘジン弁護士は、ジョンチルが集めた矢じりに殺された。
・一方、ジンス議長はギョンフン刑事に言った「このあと私は<試演>を受ける。それを公開し、さらにヒジョンを逮捕すれば正義は守られるだろう。しかし、人びとはパニックに陥る。一方、私の遺体を隠し、娘をかばえば、あなたは平和な世界で生きていける。さてどちらを選ぶ?」。直後、ジンス議長の<試演>が始まり、彼は地獄の使者に殺された。一方、ギョンフン刑事は前者を選んだ。
▶第4話のあらすじ
・【第3話の4年後】新真理会は巨大組織に成長。ジョンチル新議長のもと、「罪人には神罰が下される」「善行を為そう」「<告知>を受けたら自らの罪を白状し、素直に<試演>を受け入れよ」といった教えが広まっていた。まさにジンス前議長が目指した世界だ。
・さて、テレビ局で働くヨンジェプロデューサー(以下、PD)。彼の妻ソヒョンは最近出産したばかりで入院中だが、しかし彼は仕事が忙しくてなかなか病院に顔を出せずにいた。
・なお、彼は新真理会の信者ではない。
・そんなある日……ソヒョンは、産んだばかりの赤ん坊が<告知>を受けるのを目撃した。天使曰く「お前は3日後に地獄に落ちる」。
・ソヒョンは驚愕、混乱「私は罪人を産んだの!?」。ネットで調べてみるが、赤ん坊が<告知>を受けたという事例は見当たらない。
・一方、妻子がそんな大変なことになっているとは露ほども知らぬヨンジェPD。彼は先輩のジョンウォンの様子がおかしいことに気づいた。
・かくして仕事後、ジョンウォンを追跡。
・山奥。ヨンジェPDは、涙を流すジョンウォンを発見した。
・ジョンウォン曰く、「俺は先日<告知>を受けた。もうすぐ<試演>の時間だ」「俺が<告知・試演>を受けたということは誰にも言わないでくれ!」「地獄に落ちたとバレたら、俺の家族は『罪人の家族』として苦悩し、また矢じりや新真理会に苦しめられるだろう」「後のことは、ソドが上手く処理してくれることになっている」。
・間もなく地獄の使者が現れ、ジョンウォンは死んだ。
・直後、黒ずくめの男女がやってきた(その中にヘジン弁護士の姿がある。彼女は生きていたのだ!)。彼らソドは、ジョンウォンの遺体を手慣れた様子で回収し、すぐに去っていった。
・ヨンジェPDは訳がわからず愕然とする。
・その後ヨンジェPDは病院へ。そしてソヒョンから事情を聞いた。
・ソヒョンは涙を流す「私は罪人を生んだの?私が悪いの?」。ヨンジェPDは言葉が出ない。
▶第5話のあらすじ
・【第4話の直後】新真理会の幹部たちが、「ソド = <告知>を受けた人に新真理会よりも早く接触し、<告知・試演>を受けたことを隠してくれる組織」が暗躍していると知る。ジョンチル議長は、ユジ執事(新真理会では議長の側近を「執事」と呼ぶ)に命じた「あらゆる手を使ってソドを潰せ!」。
・一方、ヨンジェPDは考え込んでいた。これから先どうすればいいのか……?やがて彼は、昨日見たソドのメンバーの中に知った顔があったことを思い出す。韓国大学のヒョンジュン教授だ。
・ヨンジェPDはヒョンジュン教授に会いに行った。
・教授はソドについて説明してくれた。曰く「<試演>の遺族や、新真理会に恨みを抱く者が集まり、ソドとして活動している」「我々は<告知・試演>をただの自然現象に過ぎないと考えている」「ところが新真理会はそれを神罰だと主張し、人びとを傷つけている。到底見過ごせるものではない」。
・ヨンジェPDは赤ん坊が<告知>を受けたと明かし、助けを求めた。
・ヨンジェPDはヒョンジュン教授に連れられて、ヘジン弁護士(ソドのリーダー)のもとへ。
・ヘジン弁護士は言った「新真理会には原罪という考えがない。ゆえに赤ん坊が<告知>を受けたというのは、彼らにとって大変不都合なことだ。新真理会はヨンジェPD夫妻を陥れ、赤ん坊の<試演>を隠すだろう」。
・ヘジン弁護士は続けた「新真理会の虚偽を明らかにするために、赤ん坊の<試演>をネットで生中継させてほしい」。ヨンジェPDはムッとする「俺は世界を救いたいわけじゃない!家族を守りたいんだ!」。その日は一旦帰ることになった。
・帰路、ヒョンジュン教授がヨンジェPDに語った。じつは教授の娘も<試演>の犠牲者だった。教授曰く「私は、自分に起きた不幸を神罰なんてものではなく、ただの不幸と受け止めたいんだ」。ヨンジェPDは思わず涙を流した。
・ヨンジェPDが帰宅すると、ソヒョンが泣いていた「私は子どもを産んで幸せな家庭を築きたかった」「しかし、あの子が産まれながらにして罪を背負っているのかと思うと怖くて仕方がない」「自分の子どもに恐怖を感じるなんて、私は自分を許せない」。
・その頃……矢じりは暴力的な調査によって、ヒョンジュン教授がソドのメンバーだと突き止めた。そして教授を襲撃、生きたまま焼却炉で焼き殺した。さらに、GPSのデータからヘジン弁護士の居所も割り出した。
・矢じりがヘジン弁護士を襲撃。しかしヘジン弁護士は素晴らしい身のこなしで戦い、見事逃げ切った。
・翌朝。ヘジン弁護士の申し出を受けるべきか悩んでいたヨンジェPDは、ヒョンジュン教授が殺されたことを知る。
▶第6話のあらすじ
・【第5話の直後】ソヒョンは、赤ん坊が告知を受けた理由を知りたくて、新真理会の本部を訪問した。新真理会は仰天する。赤ん坊が<試演>を受けたと世間に知られたら、新真理会の信用は地に堕ちるだろう!かくしてソヒョンを拘束し、赤ん坊が<試演>を受けると知っている者は始末することになる。
・一方、ヨンジェPDはソヒョンが新真理会に行ったと知り愕然。危険だ!
・ヨンジェPDとヘジン弁護士は新真理会の本部に急行。新真理会のスタッフをぶちのめし、ソヒョンと赤ん坊を救出した。その後、彼らはドンウク(ソドの協力者、彼自身も<告知>を受けている)のおんぼろアパートに身を隠した。
・ソヒョンは覚悟を決めた。<試演>をネットで生中継しよう。
・ところで……かつてドンウクは熱烈な矢じりだった。しかし3年前に<告知>を受けて以降、新真理会を信じられなくなっていた。
・だが、赤ん坊の<試演>の日時を知ってハッとする。ドンウクの<試演>は、赤ん坊の<試演>の5分後だったのだ。これは何か意味があるのではないか?
・ドンウクは新真理会に連絡を入れ、見解を問うた。
・ジョンチル議長は「赤ん坊の居場所を知る絶好のチャンスだ」と小躍りし、甘言を弄した「神は、赤ん坊に<試演>を与えるというミスを犯した。そしてそのミスを取り繕う役をあなたに与えた(ドンウクの遺骨で、赤ん坊の遺骨を隠すという計画)。あなたは救世主だ!」。ドンウクは歓喜。
・その後、新真理会はドンウクから居場所を聞き出そうとしたが失敗。彼らは携帯電話の電波を辿り、急ぎドンウクの居場所(= 赤ん坊の居場所)を調べ始めた。
・夜、ドンウクが動き出した。彼は、まずはソドのサポートメンバーを殺害。続いてソヒョンらも殺そうとした。だが、ヘジン弁護士が応戦。その隙にソヒョンは赤ん坊を連れて外に出た。そして人びとに「間もなく<試練>が始まる!」と宣言。傍にいた人たちがスマホで生中継する中……地獄の使者が出現した。
・使者が赤ん坊に迫る。ヨンジェPDとソヒョンはじっとしていられない。2人は赤ん坊と共に死ぬ覚悟を決めた。そして使者の圧倒的な暴力!ヨンジェPDとソヒョンは死亡した。ところが……なぜか赤ん坊だけは生き残った。
・自分を救世主だと信じ込んだドンウクは、赤ん坊を殺そうとする。しかしヘジン弁護士が妨害。そうこうする内に彼自身の<試演>が訪れ、ドンウクは死んだ。
・その後、新真理会の面々が駆けつけてきた。だがもう手遅れだ。人びとは新真理会を詐欺師と呼び、さらにユジ執事は逮捕された。ユジ執事は「<試演>がただの自然現象だと知られたら、人びとはかつてのように犯罪に手を染める!お前らは悪を広めたいのか!?」と叫ぶが……そのまま連行されていった。
・一方、ヘジン弁護士は赤ん坊を抱いてタクシーに乗り込んだ。すると運転手が言った「私には神が何なのかわかりません。しかし確かなことがある。ここが人間の世界だということです。そして、人間の世界は人間が何とかしなくちゃね」。
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最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。
(担当:三葉)
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