主人公が<本来無縁のはずの場所>に滞在して、アレコレ騒動を起こす物語!!|【第1話:クラスメイトは全員女】「IS〈インフィニット・ストラトス〉」に学ぶ
※引き続き、アニメ「IS〈インフィニット・ストラトス〉」の【第1話:クラスメイトは全員女】を分析します。本記事の前に、以下の記事をご覧になることをお勧めします。
【ポイント①】主人公が<本来無縁のはずの場所>に滞在して、アレコレ騒動を起こす物語!
<1>
はて。アニメ「IS〈インフィニット・ストラトス〉」はどのような物語か?
一言で言うならば、ズバリ、
・1:【本来女性しかいない場所】に、ひょんなことから男性主人公が滞在することになる
・2:その結果、意図せずしてハーレム状態になる
・3:そしてアレコレ騒動が起こる
……と整理できるでしょう。
<2>
さらにもう1段階抽象化してみると……
・1:【本来主人公とは無縁のはずの場所】に、ひょんなことから主人公が滞在することになる
・2:その結果、アレコレ騒動が起こる
つまりこれ、映画「キューティ・ブロンド」や、マンガ「銀の匙」と同タイプの物語ですね。
ブレイク・スナイダー(Blake Snyder/アメリカの脚本家、脚本研究家)の言葉でいえば「Fool Out of Water」(日本語版では「水から上がったバカ」と訳されている)、カール・イグレシアス(Karl Iglesias/アメリカの脚本家、脚本研究家)の言葉でいえば「Fish Out of Water」(同「陸に上がった河童」)に該当する作品です。
<3>
そしてですね、この手の作品は、
・1:物語の舞台となる場所では、主人公は<異物>
・2:ゆえに、彼は周囲から浮く。様々なことに戸惑い、悩む。そして成長を遂げる!
・3:同時に、元々その世界にいた人びとも<異物>たる主人公に影響を受け、成長を遂げる!
……と進行するのがお約束。
本作の主人公(一夏)や、元々その世界にいた人びと(箒、セシリア etc.)も、この先様々な体験を通じて人間的な成長を遂げていくことになるのでしょう。
【ポイント②】キュートな若い女の子たちがメカを装着して空を飛び回り、敵と戦う物語!
改めて問いましょう。アニメ「IS〈インフィニット・ストラトス〉」はどのような物語か?
これ、
・1:キュートな若い女の子たちが、
・2:メカを装着して空を飛び回り、
・3:敵と戦う物語
……と整理することも可能です。
こうして整理してみると、本作は「ストライクウィッチーズ」と同タイプの物語であると言えるでしょう。
【ポイント③】「男と女が戦争したら3日もたないって言われているよ」
<1>
アニメ「IS〈インフィニット・ストラトス〉」の舞台は、<女尊男卑>の世界です。
ここでは、一夏とセシリアが決闘を束する場面(第3幕)のやりとりを見てみましょう。
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一夏が問うた「ハンデはどのくらいつける?」
セシリアが鼻で笑う「はぁ?あら、早速お願いかしら?」
一夏は真顔で「いや、オレがどのくらいハンデつけたらいいのかなぁと」
女生徒たちが一斉に噴き出した。
セシリアはあんぐり口を開ける。
一方、一夏は状況が飲み込めずに困惑顔。
女生徒たちが口々に言った「織斑君、それ本気で言っているの?」「男が女より強かったのって、ISが出来る前の話だよ!」「もし男と女が戦争したら3日もたないって言われているよ」
一夏はハッとする。そして心の中で叫んだ「しまった……そうだった!」
セシリアが余裕の笑みを浮かべる「むしろ、私がハンデをつけなくていいのか迷うくらいですわ。ウフッ。日本の男子はジョークセンスがあるのねぇ」
女生徒が心配そうに「織斑君、いまからでも遅くないよ。ハンデつけて貰ったら?」
しかし一夏は「男が一度言った事を覆せるか。……なくていい!」
女生徒が驚く「ええっ!それはナメすぎだよぉ」
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<2>
アニメの世界、特に深夜アニメや萌えアニメの世界には、往々にして<女尊男卑>的な傾向が見られ、
・女性ばかりが特殊な力を持っている。ゆえに女性が敵と戦う。女性が苦しみ、傷つき、そして苦闘の末に勝利し、世界を救うのだ!
・一方、男性は精々がそのバックアップ役。場合によっては一切出番なし
……という作品が少なくありません。
例えば、前出の「ストライクウィッチーズ」もそうですよね。
<3>
しかしそれにしても……ここまで男性が直接的に侮辱される作品は珍しいのではないでしょうか。
いやぁ、「男と女が戦争したら3日もたないって言われているよ」というセリフ、なかなかインパクトがありますよねー!
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(担当:三葉)