あのゴングのアプリ、すばるはいつあれをダウンロードしたのか? ~春アニメ「ガールズバンドクライ」5-6話の研究【下】
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👉本記事は、オンライン座談会「アニメ語り」(5月11日実施/参加者は清水と村上)の要約です。完全版は以下の動画でご覧ください。なお、ラジオ形式の動画ですので作業用BGM感覚でお聞きいただけます👂
👉以下の「🎙️0:00~」は動画の経過時間です。例えば「🎙️29:55~」に気になるトピックがある場合には、動画の「29分55秒」辺りから再生してみてください。
🎙️29:55~
仁菜たち5人の新バンドには、なぜ「トゲナシトゲアリ」という名前が付くのか?なぜ「新川崎(仮)」と「紅生姜」がくっついてそこに至るのか?なぜ「川崎牛丼」や「牛丼定食」ではないのか?
🎙️31:18~
6話終盤、仁菜たち5人は初めて音を合わせる。非常に相性がいいようで、特に仁菜は大いに感動していた。
なかなか上手くいかずに「ここがズレている」「ここが解釈違い」といったやりとりがあっても不思議はない場面だが、しかしいきなり音が合う。おそろしく相性がいいのか、それとも比較的スキルが高いであろう智やルパが仁菜たちに合わせてくれたのか。
🎙️32:59~
5-6話、仁菜たち3人はライブでTシャツを着用する。すばるのTシャツには「プレア」と書いてある。これは「プレアデス星団」のことであろう。プレアデス星団は日本語で「すばる」。
🎙️32:59~
5-6話、仁菜のTシャツには「不登校」、桃香のそれには「脱退」と書いてある。これはそれぞれの過去の<誤り>であり、そして本作は「それは<誤り>でなかった/私は間違っていなかった」と証明する物語だと思われる。
しかしこう考えると、なぜすばるのTシャツの文字は「嘘つき」なのか。嘘つきとは仁菜が言っているだけであり、おそらくすばる自身は自分を嘘つきとは思っていない。すばるに関してはもうひと波乱ありそう。
また、厳密にいえば仁菜が「不登校」というのも興味深い。なぜ「中退」ではないのか。おそらく、彼女の心に刺さったとげが「不登校」にまつわるものだからなのだろう。
言わばこれは「7つの大罪」である。
智とルパも今後Tシャツを着るとして、2人はどのような文字を背負うのか。智が「色欲」あたりだったらぶったまげるが、しかしルパはそんな智さえ肯定するのだろう。
🎙️36:37~
本作は「仁菜が自らの感情を適切に表に出せるようになる物語」だと思われる。地元ではどうしていいかわからなかったが、1話で小指を立てて表現する術を覚え、2話では電灯を振り回し、そしていまついに音楽という合法的・向社会的な表現技術を身に付けつつある。
6話のライブシーン。歌が終わったところで仁菜は拳を突き上げる。しかしこの時、彼女は小指を立てていない。歌うことで怒りなどの感情が消化されたことを示唆しているのだと思われる。
🎙️38:01~
5話、仁菜と桃香が居酒屋で口論するシーン。すばるがアプリでゴングを鳴らすが、あのアプリは何なのか。
人付き合いに長けたすばるのことである。おそらくはカラオケでもめた後、「居酒屋で続きをやるんだろうなぁ。何かいい方法は……あっ、このアプリがよさそう!ゴングを鳴らせば笑っちゃって喧嘩にならないんじゃないかな?よーし!」ということで、居酒屋に向かう道すがらダウンロードしたのではあるまいか。……まぁ結局口論は止まらず、それどころかヒートアップするわけだが。
🎙️39:12~
5話、仁菜の過去が少しばかり描かれる。高校時代の仁菜の額には絆創膏が貼っており、彼女がいじめられていたことを示唆しているように見える。
一般的に、アニメなどにおける「いじめ描写」「キャラが周囲に馴染めない描写」は重苦しくなりがちである。例えば「ぼっち・ざ・ろっく!」の1話冒頭、「MyGO!!!!!」の3話がそうだ。
ところが本作は違う。仁菜のこれまでの言動を振り返れば、彼女が一方的にいじめられていたとは思えない。どう考えても仁菜もやり返していたはず……というか仁菜は100倍返ししていそう……そもそも仁菜に非がありそう……。というわけで、重苦しくならないところがいい。
🎙️41:21~
かつて桃香が所属したバンド、そしていまや仁菜の仇敵となったバンドは、なぜ「ダイヤモンドダスト」という名前なのか?「新川崎(仮)」や「紅生姜」と比べてあまりにもテイストが違う。
そもそも「ダイヤモンドダスト」とは、①寒冷地で、②いくつかの条件がそろった時にのみ観察される珍しい現象であり、③空気中の水蒸気が凍結したものである。で、ここから考えられることが3つある。
第1に、メンバー全員が北海道(=寒冷地)出身だからこそこの名前なのだろう。
第2に、桃香は「ダイヤモンドダスト」のメンバーについて運命を感じた、生涯をともにする仲間だと感じたと語っていた。しかし実際には永続するものではなく、いくつかの条件(学生である、アマチュアである etc.)が重なった時にのみ成立するコミュニティだったのだろう。それは、「けいおん!」の放課後ティータイムが「高校時代の放課後にのみ存在可能な奇跡」であったのと同様であり、「ダイヤモンドダスト」という名前はこれを示唆していると思われる。
第3に、そんな「ダイヤモンドダスト」に対してそれでは「新川崎(仮)」は何をやっているかというと、彼らは居酒屋で酒やらお茶やらをぶっかけ合っているのである。「ダイヤモンドダスト=空気中の水蒸気が凍結してキラキラ輝いている」と「新川崎(仮)=液体をぶっかけ合う」のどちらがロックかといえば当然後者であって、「新川崎(仮)」がいずれ「ダイヤモンドダスト」を超えることを示唆しているといえるかもしれない。
🎙️43:54~
6話、「紅生姜」にもかつて別のメンバーが在籍していたこと、しかしいまは離れてしまったこと、そしてそれが智の心の傷になっていることが示唆された。この点で、智(やルパ)は桃香に似ているといえる。
🎙️44:24~
6話の序盤からして、智がいかにヤバい人物かよく伝わってきた。
それでは一方のルパはどうか。いまのところ、彼女はただの「よき理解者」に見える。「ルパさえいれば円満解決するだろう」と感じる。
しかし、ルパは本当に「よき理解者」なのか。彼女もまた何かを背負っているのではあるまいか。例えば「智に過度に依存している」「智と共依存を起こしている」といった可能性が考えられる。じつは「紅生姜」崩壊の責が智ではなくてルパにあったという可能性もなくはない。
🎙️46:50~
次回は7話。本作も最早、後半戦である。この先どのような展開をたどるのか?
「ぼっち・ざ・ろっく!」にしろ「MyGO!!!!!」にしろ最終回(付近)にはライブが配置され、それが物語のクライマックスになっていた。本作もおそらくは同様だろう。
しかし、どこでどのようなライブをするのか?例えば、いわゆるブックエンド・テクニックを採用して、川崎駅前のストリートライブで終幕となる可能性もある。
EDの映像に注目すると、仁菜たち5人が車で移動しながらライブツアーをしているように見える。というわけで、最終回付近でライブツアーに出発する可能性もありそうだ。各人の宿命の土地、すなわち北海道、仙台、兵庫、熊本をめぐるのではあるまいか。もしかするとルパの実家がある南アジアまで足を延ばすのかもしれない。
🎙️51:58~
6話時点で、仁菜は本当に予備校に在籍しているのか?
仁菜は6話頃からベレー帽をかぶるなど妙におしゃれになった印象がある。もしかすると予備校を辞め、その学費(?)を使って洋服を買うなどしているのではあるまいか。
🎙️54:00~
7話には、仁菜たちがフェスで演奏するシーンがおそらく描かれるのだろう。彼女たちはそこでスカウトを受けるのかもしれない。
しかし桃香がまだ目覚めていないことを思うと、フェスは8話で、7話は桃香の覚醒回になるのかもしれない。
もしくは7話でスカウトを受け、8話でそれを受けるかどうか大もめする中で桃香覚醒というパターンも考えられる。
あるいは、フェスのライブで仁菜がテンションを上げすぎて観客に向かってダイブ、ところが誰も受け止めてくれなくて大けがしてしまい、スカウトどころではなくなるという「ぼっち・ざ・ろっく!」展開もあり得るかもしれない。仁菜は6話で大人しかった分、7話では大暴れする予感がある。
フェスに出場したもののスカウトされず、スカウトされたのは1話に登場したモヒカンたちだったというオチもあり得るかもしれない。
🎙️57:35~
桃香と同居しているゲイの男性が何かしら本筋に関わってくるかもしれないと思っていたが、5-6話では出番がなかった。
今後は、智とルパの家が拠点になる可能性もある。
仁菜たち5人が智とルパの家で音楽を作っていると救急車のサイレンが聞こえてきて、仁菜と智がそろって激昂したり、仁菜が勝手に道路を封鎖したりするなんて展開もあるかもしれない。
🎙️59:18~
OP曲の歌詞は「やり残した鼓動が/この夜を覆って」から始まる。つまり本作は、「各キャラがやり残したこと(未練を感じていること)に始末をつける・決着をつける」という物語であると推測される。
🎙️1:00:03~
智は、仁菜のように実家と揉めているのか?まだ描かれていないが、何となく揉めてなさそうな気もする。
智はゴスロリっぽい服を着ているが、あれは実家から持ってきたものだろうか?ルパが裁縫スキルを持っており、じつは作ってあげているという可能性もなくはない。
もしもルパが裁縫スキルを持っているならば、仁菜たちのステージ衣装も立派なものになるだろう。さもないと、Tシャツに文字を書いただけの衣装を毎回着ることになりかねない。