性別も年齢も境遇も違うけれど、でも彼女は私たちそのもの ~「オッサンオタク」としてのかおすについて|『こみっくがーるず』(2)
本記事は、アニメ「こみっくがーるず」を徹底分析する特集の……第2回である★
第1回からご覧になることをオススメします!
かおすは「オッサンオタク」である
前回に引き続き、「かおす」というキャラの人となりを見ていこう!
今回注目するのは……彼女の「オタク」的な側面だ!
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そう……かおすは、オタクである!
と言っても、オタクにも様々なタイプがある。
かおすは女子高生だ。
「オタクの女子高生」といえば、例えば「腐女子」とか「イケメン声優に憧れている」とか、そんなイメージが浮かぶが……彼女は違う。
かおすは「オッサンオタク」である!
……はて、「オッサンオタク」とは何か?
以下、具体的なエピソードをご紹介しつつ、詳しくご説明しよう。
かおすの趣味や特技
まず、彼女の趣味や特技を見てみよう。
【1】趣味:美少女アニメ、マンガ、フィギュア
かおすの趣味は、「女の子がたくさん出てるアニメやマンガを見ることや、フィギュア収集」(第2話)だ。
アニメは満遍なく視聴しているそうで、おそらく彼女が本当に好きなのは萌えアニメだが、熱血少年アニメにも精通している。
また、部屋には大量の美少女フィギュアや、ポスターが飾られている(ちなみに、「フィギュアのスカートの中を覗く派」とのこと)。
さらに、ほしいと思っていたフィギュアを店頭で見かけた時には、「ああっ!やっぱり生で見るとオーラが!この子、生きてます!」「この子と同じ時代に生まれてよかった……」と涙ぐむ(第7話)。
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【2】特技:オタ芸
特技はオタ芸だ。
ただし、彼女は対人恐怖を抱えている(詳細後述)。したがって、ライブやイベントに参加するとは考えづらい。
おそらく自宅のPCモニタの前で、動画を見ながら1人踊っていたのだろう。
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【3】その他:コスプレを見るのが好き
コスプレについては、「専ら私は見る派で……」(第2話)とのこと。
実際、琉姫の誕生日にはコスプレ衣装をプレゼントしている。
かおすの「オッサンオタク」的な言動
上記の趣味や特技に限らず、日常のふとした言動に「オッサンオタク」らしさが垣間見える……それがかおすだ!
彼女の「オッサンオタク」的な言動を、いくつかのパターンに分けてご紹介しよう。
【1】女の子同士の「仲よさそうな姿」や「イチャイチャ」に大興奮!
例えば、小夢と翼が楽しそうに話しているのを見ながら……(第9話)。
かおすはニヤニヤして「なんと美しい景色……ずっと見るためにはどれくらい課金すればいいのですか?」
琉姫「……何言ってるの、かおすちゃん」
あるいは、かおすら4人が海へ行き、ビーチボールで遊んでいる時のこと(第5話)。
かおすは小夢ら3人に見とれて「海……水着……女の子の世界……かわいいです……」
そこへビーチボールが飛んできて、かおすの顔面に命中!
かおすはぶっ倒れて「痛い……幸せ……」
※以下のツイート内画像の上段2枚が、ビーチボールで遊ぶ小夢たちの姿。かおすはこの光景に見とれていた。
さらにまた、翼が「琉姫には昔から世話になってきた」と語るシーン(第10話)。
翼「るっきーが……るっきーがいて本当によかった!」
翼は感極まって琉姫に抱きつく「るっきー、大好きだー!!」
傍にいたかおすは思わず立ち上がって、大きくガッツポーズ!
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【2】女の子の「下着姿」や「ポニテ+メガネ」姿に大興奮!
例えば、たまたま翼の下着姿を目撃した時のこと(第3話)。
かおすはよだれを垂らし、変質者のような奇声を発している。
※以下のツイート内画像の③と④にご注目!
また、締め切り前、琉姫が気合いを入れようと髪をポニーテールに結い、メガネをかけると……かおすは歓喜の涙を流す(第1話)。
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【3】女の子と体が触れ合って大興奮!
例えば、小夢に髪を結ってもらうシーン(第3話)。
小夢の大きな胸が、かおすの首筋に当たる!
かおすはスッと両手を合わせて「神様ありがとうございます!」
あるいは、寝ぼけた小夢に頬を甘噛みされた時(第12話)。
かおすは戸惑いつつも「寝ぼけてます!?……これも悪くない」
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【4】「美人教師に叱られる」というシチュエーションに大興奮!
かおすは、小夢らと共に、マンガを描きながら高校に通っている。
そんなかおすの担任教師は、厳しくも美人の虹野先生だ。
さて……小夢が虹野先生から叱られた時のこと(第2話)。
かおすはニヤニヤしながら「私も美人教師に叱られたいです……」
……この願望はしばらくして実現することになる。
朝、昇降口で(第6話)。
かおすら4人は虹野先生と遭遇する。
小夢らが元気に挨拶する中、対人恐怖気味のかおすは「おっ、おはようござい……」とごにょごにょ。
虹野先生はすかさず「萌田さん!挨拶は大きな声でハキハキと!」
かおすは「ヒッ!すみましぇん……」とうなだれつつも……「でも、美人教師に怒られるのっていいものですよねぇ」とニヤニヤ。
虹野先生「……って萌田さん?なんで笑ってるんですか!?」
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【5】「萌え」を熱く語る!
琉姫が、自身の貧乳っぷりを嘆いている時のこと(第3話)。
かおすはすかさず「琉姫さん、それは違います!」
琉姫「ハッ!」
かおす「確かに胸は重要です!でもそんなことより、胸の小ささを気にして恥じらう姿!……そんな姿に我々は!我々はぁ!!」
小夢「……我々って誰?」
かおすは常時「オッサンオタク」なわけではない。そして、彼女はエロ耐性がない
以上、かおすの「オッサンオタク」的なところを見てきた。
かおすが「オッサンオタク」であることを十分ご理解いただけたかと思う。
……が!
ここで、大急ぎで付け足しておきたいことが2つある。
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【1】かおすは常時「オッサンオタク」なわけではない
かおすはマンガ家だ。未熟ではあるが、いつも努力している。
また、普段は高校に通っている。
……つまり、日々忙しく生活しているのだ!
したがって、「いつでもオッサン!常にオタク全開!!」というわけではない!
あくまでも、「忙しい日々の中で、ふと漏れ出てしまう『オッサンオタク』臭」……それがかおすだ。
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【2】かおすはエロ耐性がない
例えば、TL(ティーンズ・ラブ)マンガ家・琉姫のアシスタントをした時のこと(第4話)。
そのエロティックなストーリーや絵に赤面し、やがて目を回してぶっ倒れてしまう(第4話)。
また、小夢と琉姫が2人で入浴した時のこと(第9話)。
ワイワイ楽しそうな声が聞こえてくる。
かおすは風呂の外で耳を澄ましてニヤニヤ「私には刺激が強すぎる。……音だけ……音だけ」
つまり、かおすはエロ耐性がない!
……この設定は極めて重要だ。
もしかおすがエロ耐性を持っており、ましてや、エロを大好きだとしたら?
小夢ら他の3人の体に触れたり、覗きをしたり、寝込みを襲うこともあったかもしれない。
セリフ1つとっても随分とゲスっぽくなっていたのではないか。
少なくとも「こみっくがーるず」は、いまのものとはまったく違う形になっていたはずだ!
【結論】かおすと視聴者は、「オッサンオタク」という点でかなり似通っている★
ここまでご紹介してきたことをまとめよう。
つまり……アニメやマンガを愛し、百合展開に興奮し、妄想を膨らませ、時に萌えを熱く語る!
忙しい毎日の中で、ふいに漏れ出す「オッサンオタク」的な言動!
「エロ」ではなく、あくまでも「萌え」を愛する姿勢!
これが、かおすだ!!
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で、ここからが重要なのだが……こうしたかおすの「オッサンオタク」っぷりは、「こみっくがーるず」の視聴者の多くと一致しているのではないかと思うのだ。
「こみっくがーるず」の視聴者層をイメージしてみると……深夜のきららアニメを見ている時点で、まぁオタクと言ってもよいだろう。
また、普段は仕事や家庭に忙しく、平日の夜や休日にだけ「オタ活」している人が多いのではないだろうか。24時間365日オタク生活を送っている人は少数派だと思う。
さらに、かおすのようにエロ耐性皆無という人はあまりいないだろうが……いわゆる「萌えアニメ」を視聴する層である。「エロも悪くはないが、萌えも楽しみたい!」、あるいは「エロより萌え!!」という人が多いと推測される。
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……以上、かおすと視聴者は「オッサンオタク」という点において、かなり似通っていることをご説明してきた。
彼女がニヤニヤする時、私たちもまたニヤニヤするであろう。
私たちがニヤニヤする場面では、かおすもニヤニヤするに違いない。
そう!
性別も年齢も境遇も違うが、かおすは私たちそのものなのだ!……「オッサンオタク」という一面においては。
※補足:詳細は別記事で扱うが……以上申し上げてきた「かおすと視聴者の近さ」ゆえに、多くの視聴者はかおすに感情移入する。そして時には応援し、時には涙する……。「こみっくがーるず」の魅力の何割かは、「かおすと視聴者の近さ」に由来するものと言えるだろう。
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(担当:三葉)