刮目せよ、このツンデレ!!|『キルミーベイベー』に学ぶテクニック
アニメを研究して、創作に活かそう!
本記事では、「キルミーベイベー」に【ツンデレキャラ】を学びます。
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作品概要
テーマ発表!!
はてさて「キルミーベイベー」というこの作品、一体どこに魅力があるのでしょうか?
もちろん、折部やすながうざかわいいとか、ミステリアスな呉織あぎりから目が離せないとかアレコレ挙げることはできますが……もしも「『キルミーベイベー』の最大の魅力を1つだけ挙げよ」と問われたならば、あなたはどう返答しますか?
私なら、こう答えます。
ズバリ、「ソーニャである!ソーニャの『ツンデレっぷり』こそが本作最大の魅力である!」。
ベースは「冷酷な殺し屋」
そもそも、ソーニャとは一体どのようなキャラか?
ざっくり整理してみましょう。
・1:女子高生ながら、プロの殺し屋。組織に属し、指令に従って仕事をこなしている
・2:殺し屋らしく、ナイフや銃の扱いに慣れている。また素手で戦っても強い様子
・3:殺し屋らしく、表情はきつめ。言動もドライ
そう、ソーニャのベースにあるのは「冷酷な殺し屋」という設定です。
殺し屋らしからぬ「ツンデレ」
<1>
ところが、ソーニャには「殺し屋らしからぬところ」がある。
すなわち……やすなは、ソーニャのことが大好きです。毎日ちょっかいを出し、しつこくつきまとっている。
対するソーニャは、いつも迷惑そうな顔。邪険に扱い、時には殴り、そして蹴とばす。まぁ、殺し屋らしいドライな対応と言えるでしょう。
しかしですね、ソーニャとやすなのやりとりをじっくり観察してみると、ソーニャの言動の端々にはやすなへの愛(友愛)が感じられるんですよ。プロの殺し屋なのに!
表面的にはツンツン、しかし本心ではデレデレ……つまり、「ソーニャ = ツンデレ」。
<2>
そして、この「ソーニャのツンデレっぷり」こそが、私たち鑑賞者を惹きつける「キルミーベイベー」最大のセールスポイントだと思うのです。
何しろ、私たちはみんなツンデレが大好きですからね。
「ツンデレ」の例
ソーニャの「ツンデレ的言動」は、様々な場面で散見されます。
<1>
大体がですね、
・1:やすなが、アホなことを言い出す
・2:ソーニャが、面倒くさそうな顔をしながらも相手をしてやる
・3:その後いろいろあって、やすな、もしくはソーニャがひどい目に遭う
……というのが本作のお約束ですが、この「面倒くさそうな顔をしながらも相手をしてやる」というところからして、既に愛が感じられますよね。
だって、本当に面倒くさいなら放っておけばいいんですもん。
<2>
あるいは、こんなシーンもあります。
第9話の中盤(物語開始から11分10秒経った辺り)、2人の前にふいに殺し屋が現れた。
この時、ソーニャは素早くやすなを背中にかばいます。
また、第10話の終盤(物語開始から16分07秒経った辺り)、ソーニャのもとに果たし状(らしき手紙)が届いた時のこと。
やすなに「どうしたの?」と問われたソーニャはささっと手紙を隠して、「いや……」ととぼけた。
やすなをかばう。
やすなのために隠す。
いずれも、やすなの身を案じているがゆえの行動ですよね。愛を感じます♥
ソーニャは、なぜツンツンしているのか?
<1>
考えてみれば……ソーニャは殺し屋。
殺伐とした世界に生きている。「友だち」なんてものとは無縁の生活を送ってきたはずです。
ところがある日、彼女の前にやすなが現れた。やすなはソーニャが殺し屋だと知って尚、何ら臆することがない。グイグイくる。
ソーニャは戸惑ったことでしょう。
しかしそれと同時に、嬉しかったに違いありません。
<2>
ところが、ですよ。
ところが上述の通り、ソーニャはツンデレです。表面的にはいつも面倒くさそうにしている。やすなと楽しく遊べばよさそうなものを……一体なぜツンツンしているのでしょうか?
残念ながら、理由は明言されていません。
しかし予想はつきます。
おそらくは、
・1:ソーニャは、これまで「友情」とは無縁の生活を送っていた → ゆえに、自分がやすなに対して友情を抱いていることに気づいていない
・2:ソーニャは、これまで「友だち」とは無縁の生活を送っていた → ゆえに、友だちとの付き合い方がわからない
・3:ソーニャは殺し屋であり、いつ刺客に襲われるとも知れない → ソーニャの傍にいると、やすなにも危険が及ぶおそれがある → ゆえに、「これ以上親しくしない方がいい。それがやすなの安全のためだ」と考えている
……といった理由で、ソーニャはツンツンしているのでしょう。
<3>
最後に、本作のED曲「ふたりのきもちのほんとのひみつ」の歌詞の一部を見てみましょう。
ほんとのきもちはひみつだよ/秘密なの?/「好きよ、あなたが。殺したいほど」
これおそらくは、やすなに対するソーニャの気持ちを歌った曲でしょう。
つまり……ソーニャは、殺したいほどにやすなを好いている。しかし、やすなには秘密。
まさにツンデレですね♥
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以上、「キルミーベイベー」の核心的な魅力をご紹介してきました!
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最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。
(担当:三葉)