非モテを脱せよ、「女性の心の声」に耳を傾けて!!|『ハート・オブ・ウーマン』(2)
テーマ発表!!
前回に引き続き、映画「ハート・オブ・ウーマン」をベースに新しい物語を妄想します。
※「ハート・オブ・ウーマン」のストーリーなどについては、前回の記事をご参照ください。
妄想開始!
嘉村 それではまいりましょう!
三葉 はい。
嘉村 「ハート・オブ・ウーマン」は、ある日突然「女性の心の声」が聞こえるようになった男の「混乱」や「成長」を描いたロマンティック・コメディですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……さて!どんな物語にしましょうか?
案①
三葉 まずは、「ハート・オブ・ウーマン」風の物語を作る時に注意すべきポイントを確認しておきましょう。
三葉 ……ですね(より詳しくは前回の記事で)。
嘉村 ふむふむ。
三葉 さて以上を踏まえて「案①」ですが……ズバリ!「突然『女性の心の声』が聞こえるようになったイケイケ若手ビジネスマンが、女性社員の『心の声』に耳を傾け、成長していく物語」です。
嘉村 ほぉ。
三葉 さて……「ハート・オブ・ウーマン」はおよそ20年前のアメリカの映画ですが、2019年の私たちが見ても十分楽しめる作品です。
嘉村 ふむふむ。
三葉 しかし、「もし私が、2019年の日本を舞台に『ハート・オブ・ウーマン』をリメイクするなら……」と考えてみると、3ヵ所見直したいところがあるんですよ。
嘉村 というと……?
三葉 第1に、主人公が「イケイケでモテモテの中年ビジネスマン」であること。アメリカのシカゴにはそんな素敵なおじさまがいるのかもしれませんが、日本だと……どうでしょう?ちょっとリアリティを欠くかなと。
嘉村 ふむ。
三葉 そこで、主人公を「若手ビジネスマン」に変更してみましょう!
嘉村 なるほど。
三葉 次に、物語の舞台が「広告会社(広告代理店)」であること。当時(「ハート・オブ・ウーマン」は90年代後半の物語と思われる)は、広告会社が時代の先端を行くキラキラでオシャレな職場だったのでしょうが……2019年の日本では、だいぶイメージが変わってきているのではないかと思います。
嘉村 新入社員の自殺事件なんてのもありましたしね。
三葉 ええ。そこで、物語の舞台を「ITベンチャー企業」に変更!
嘉村 ふむふむ。
三葉 そして最後に、ラブコメ要素。「ハート・オブ・ウーマン」では、主人公と女性上司の恋愛模様がメインストーリーとして描かれています。もちろんそれもいいのですが、「2019年の日本にフィットする物語」であることを重視するなら……。
嘉村 ええ。
三葉 ラブコメ要素は抑え気味にして、代わりに「働く女性の悩み」を前面に押し出すのがいいと思うんですよね!
嘉村 ほぉ。
三葉 以上を整理すると……主人公は、ITベンチャー企業に勤務する若手ビジネスマン。彼は若いながらもやり手で、20人ほどのチームのマネジャーを務めている。メンバーの大半は女性。彼女らの士気は高く、業績も上々!すべては万事快調だ!……とそんなある日、ふいに「女性の心の声」が聞こえるようになる。
嘉村 ふむ。
三葉 「ハート・オブ・ウーマン」の主人公同様、最初は混乱しますが、彼はすぐに気がつく「この能力は使えるぞ!」。
嘉村 ふむふむ。
三葉 そして、まずは部下の「心の声」に耳を傾けてみると……大ショック!彼女らは、たくさんの不満や悩みを抱えていた!!上司、つまり主人公に対する不満。給与などの福利厚生に対する不満。女性同士の付き合いに関する悩み。あるいは、結婚や出産などプライベートも悩みだらけ!このままでは、いつ誰が不満を爆発させるかわかったものではない!
嘉村 おー……。
三葉 かくして、彼は能力をフル活用して、部下たちの悩みを解決すべく奮闘。やがて、「女性の気持ちに配慮できる男」に成長する。
嘉村 なるほど。
三葉 さて、以上のストーリーを「ハート・オブ・ウーマン」と比較する形で整理してみましょう。
三葉 ご覧の通り、冒頭申し上げた3点が異なるだけで……「ハート・オブ・ウーマン」と「案①」は、基本的な設定やストーリー構造では共通しています。
案②
嘉村 続いて、「案②」にまいりましょう。
三葉 はい。「案②」は、「突然『女性の心の声』が聞こえるようになった非モテ男子大学生が、妹、同級生、バイト先のお姉さんらの『心の声』に耳を傾け、成長していく物語」です。
嘉村 非モテ男子大学生!
三葉 早速ですが、「ハート・オブ・ウーマン」と比較してみましょう。
嘉村 「案①」の主人公が「イケイケ&モテモテ」であったのに対して、こちらは「非モテ」と。
三葉 ええ。大まかな設定やストーリーは「ハート・オブ・ウーマン」や「案①」と同じなのですが……「案②」は、「女っ気のない非モテ男子」が、「女性の気持ちに配慮できるモテ男」に成長するまでの物語です。
嘉村 なるほど。
三葉 最初はじつに悲惨でしてね。周囲の女性の「心の声」に耳を傾けると……妹曰く、「こいつが私の兄貴って……マジ恥ずかしいんですけど!早く死なねぇかなぁ」。同級生曰く、「うっ!臭い!!」。さらに母までも「育て方を間違えたのかしら……」。
嘉村 ひどい……。
三葉 彼は強いショックを受け、いっそ自殺してやろうかと思い詰めますが……。
嘉村 無理ないかも。
三葉 どうにか持ちこたえる。
嘉村 ふむ。
三葉 そして、努力する!「女性の心の声」に学び、少しずつ少しずつ「女性の気持ちを気遣える男」に成長していく。
嘉村 ふむふむ。
三葉 物語後半になると、女性たちの見る目も変わってきます。妹曰く、「こいつが私の兄貴って……クソッ!恨むぞ、神様!兄妹じゃ結婚できないじゃん!」。同級生曰く、「うわっ!フローラルな香り!!」。そして母曰く、「自慢の息子です♡」。
嘉村 おー!頑張ってよかった!
三葉 あるいは、バイト先のちょっとエッチな雰囲気のお姉さんに誘惑されちゃったりして。
嘉村 いいですねぇ!
三葉 とまぁ、要するにこれは「非モテ男の成長譚」です。したがって「案②」は、「電車男」や「モテキ」と同タイプの作品であると言えるでしょう。
嘉村 なるほど。
三葉 以上、「『ハート・オブ・ウーマン』風物語」のアイデアを2つご紹介しました。
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最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。
(担当:三葉)