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「キャラAとBが2人で紅茶を飲むシーン→1回目、Aは角砂糖を大量投入してしまった。ゆえに紅茶本来の味はわからない→2回目、今度はストレートで飲み、Aはようやく紅茶本来の味を知った」という展開によって、当初AがBの外面しか見ていなかったこと、しかし後にBの本性を理解するに至ったことを暗示する ~アニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」の場合

愛音「そよさんラブ❤」

愛音「ムカついたけど、そよさんも人間なんだなぁって思って」

アニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」(第2、10話)




◆概要

【「キャラAとBが2人で紅茶を飲むシーン→1回目、Aは角砂糖を大量投入してしまった。ゆえに紅茶本来の味はわからない→2回目、今度はストレートで飲み、Aはようやく紅茶本来の味を知った」という展開によって、当初AがBの外面しか見ていなかったこと、しかし後にBの本性を理解するに至ったことを暗示する】は「キャラの感情などを暗示する」ためのアイデア。


◆事例研究

◇事例:アニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」(第1-10話)

▶1

本作の主要キャラの1人・愛音(「あのん」と読む。高1女子)。


彼女は、

・Step1:バンドを組みたいと考えていた。愛音自身はギターボーカル志望であり、それ以外のパートを担当してくれるメンバーを探しているのだが……うーむ、なかなか見つからない


しかし第2話、運命の出会いがやってきた。

・Step2:ひょんなことから、そよ(他校の高1女子)と知り合いになったのだ。

・Step3:そよは美人で清楚でお嬢様らしい気品もあって……とても同い年とは思えぬ素敵な女性である。愛音はあっという間に好意を抱いた。

・Step4:しかも、そよは楽器経験者で、愛音とバンドを組んでもいいと言ってくれた。愛音は飛び上がって喜ぶ「そよさんラブ❤」。

・Step5:なお、この時2人は喫茶店におり、愛音はそよと同じ紅茶を注文した。「わーい、素敵なそよさんとお揃いだ❤」というわけである。ところが――テンション上がりまくりの愛音は大量の角砂糖をカップに投入してしまった。かくして一口飲んで悲鳴を上げた「甘っ!」。


その後2人は、

・Step6:メンバーを3人加え、バンド活動を開始した


ところが第9話、

・Step7:愛音らのバンドは解散寸前にまで追い込まれる

・Step8:原因は多岐に渡るが、一言で言うならばそよのせいである。じつは彼女は猫をかぶっていたのだ。愛音と初めて出会ったその時からずっと本音を隠し、そして裏であれこれ画策していた。それが明るみに出た。かくしてメンバーはバラバラになってしまった。


で、第10話。

・Step9:いろいろあってそよの家を訪問した愛音。

・Step10:重苦しい空気の中、そよがテーブルに紅茶を並べた

・Step11:カップから湯気が立ち昇る。愛音は懐かしそうに目をつむった「この香り、初めて会った時にお揃いで飲んだやつだ」。

・Step12:間もなく、そよが逆ギレ気味に、そして自虐気味に言った「私の本性や本音、これまで私が皆を裏切ってきたことがわかったっていうのに、よく私と話そうという気になったわね……」。

・Step13:対する愛音は穏やかな口調で言った「ムカついたけど、そよさんも人間なんだなぁって思って」。そう、愛音はそよを責めに来たのではない。バンドに復帰するよう説得しに来たのだ。――ここで愛音が紅茶をすする。今度は砂糖なし、ストレートのままで。


▶2

ご注目いただきたいのは、愛音が飲む紅茶である。

・Step5では:愛音は角砂糖を大量投入してしまった。かくして紅茶本来の味はわからない。 →「愛音がそよの本性を理解できていないこと/そよに好意を抱くがまだ外面しか見ていないこと」を象徴している

・Step13では:愛音は紅茶をストレートで飲む。かくして紅茶本来の味を知る。 →「愛音がそよの本性をしっかり理解したこと/『そよさんって、腹黒い部分や意地悪な部分もあるけれど、でもそういうところも含めて面白い人だよね。私、結構好きだなぁ』と好意を抱いていること」を象徴している

……と考えられるだろう。


つまり、【「キャラAとBが2人で紅茶を飲むシーン→1回目、Aは角砂糖を大量投入してしまった。ゆえに紅茶本来の味はわからない→2回目、今度はストレートで飲み、Aはようやく紅茶本来の味を知った」という展開によって、当初AがBの外面しか見ていなかったこと、しかし後にBの本性を理解するに至ったことを暗示する】というテクニックである。


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