発想力を鍛えるぞ★『ワタモテ』を頼りに発想を膨らませよう!|「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」
発想力を鍛えるぞ★
先日は、傑作タイトル「お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ」(略称「おにあい」)を頼りに発想を膨らませた!
そして!
今回取り上げるのも傑作中の傑作!100%中の100%!すなわち……「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」★
<ガンガンオンライン>
<Twitter>
※「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」:谷川ニコ氏によるマンガ。略称は「ワタモテ」。主人公のあまりにもリアルな「喪女(モテない女性)っぷり」から海外のネット掲示板で火がつき、大ヒットに至ったことで有名。2013年にアニメ化された。
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『ワタモテ』は何がすごいのか?
三葉「やってまいりました!『超タイトル式発想術』!」
清水「はい」
三葉「前回の『おにあい』に引き続き、今回は『ワタモテ』ということで!」
清水「そうですね」
三葉「『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』……いやぁ、じつに素晴らしいタイトルですよね!」
清水「本当にね!」
三葉「本タイトルの見どころは何と言っても……『責任転嫁』感!コレですよ!」
清水「ほぉ」
三葉「『私は悪くない!悪いのはお前たち!』というこの感じね」
清水「ふむ」
三葉「改めてご覧ください……『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』。『そういうとこだぞ!』ってツッコミたくなるじゃないですか!」
清水「あー、確かに」
三葉「『お前、そうやって人のせいにばかりしてるからモテないんだぞ!』ってね」
清水「ふむ」
三葉「で、これは毎度毎度言っていることですが……いまの時代、TwitterなどのSNSでシェアされやすいタイトルであることが重要だと思うんですよ」
清水「ふむ。あなたの言う『ツイートされやすさ』 = 『Twitterbility』(ツイッタビリティ。造語)ってヤツですね」
三葉「そうそう!タイトルが拡散されることで多くの人の目に触れ、関心を持ってもらえる。当然PVや売れ行きにも大きな影響が出るでしょう」
清水「確かに」
三葉「その点、本タイトルの『ツッコミたくなる度合い』 = 『ツッコミ誘発性』 = 『bokebility』(ボケビリティ。当然造語)たるやね!」
清水「いや……何でもかんでも英語にすればよいってものではありませんからね。なんかすごくわかりづらくなっているし……」
いくぜ!『ワタモテ』★
三葉「この記事をご覧のあなた!そう、あなた!」
清水「はい?」
三葉「いや、あなたではなくて……みなさんなら、本タイトルをどのように改造しますか?そしてそのタイトルからどのようなストーリーを妄想しますか?ぜひ考えてみてくださいね★」
清水「クリエイターの方にとってはよい頭の体操になるかと思います」
三葉「それではまいりましょう!」
案1
清水「まずは小手調べとして、こちら!」
三葉「『モテない』を『ドブス』に替えたわけですね」
清水「そうそう」
三葉「『モテない』と『ドブス』って一見似ているけれど……こうやって見るとニュアンスが全然違いますよね」
清水「確かに!」
三葉「この場合の『お前ら』って一体全体誰のことです?」
清水「んー、まぁ顔の話ですからね。両親でしょう。お母さんに向かって『テメェのせいでこんな顔だよ!この醜女!』なんて言うのかな」
三葉「……そんなことを言われたら、お母さん、泣いちゃうでしょうね……」
清水「読者は『ドブスなのは顔じゃねぇ!テメェの性格だ!』なんてツッコムわけです」
三葉「うーむ……心が荒みそうな作品だ……」
案2
三葉「私も、まずはシンプルに『モテない』を『ニート』に替えてみました」
清水「ふむ。この場合の『お前ら』は、やはり両親と……あと、主人公がいじめられっ子で、彼女をいじめていた元クラスメイトなんかも含まれるのかな?」
三葉「そうそう!つまりこの物語は……」
清水「ええ」
三葉「主人公は実家暮らしの女性。三十路手前。以前は『働け』だの『結婚しろ』だのと口うるさかった両親も、最近は腫れ物を扱うような態度。……彼女は絶望していた。この先、自分の人生に2度と光が差すことはないだろうという確信があった」
清水「うーむ……」
三葉「そして彼女は腹をくくる。このクソのごとき命。やがて果てる日まで悶々としているよりも、パッと散らそうではないか!」
清水「えっ……」
三葉「しからば復讐ですね」
清水「……」
三葉「かつてのクラスメイトを皆殺しにしてやろうと決意した主人公……だがしかし!そう易々とはいかぬ!」
清水「あー、良心とか倫理観とか……」
三葉「いえ、そんなものは10年に渡るニート生活の中でとっくに霧散しています」
清水「……」
三葉「問題は……そう!彼女はニートである!おまけに引きこもりである!まず何よりも、家の外に出るのが怖い!人と目が合うのも怖い!電車に乗るなんて絶対無理!っていうか部屋から出たくない!」
清水「……あー、なるほど。となると、元クラスメイトたちの居場所を突き止めるのも容易ならざるものがあるでしょうね」
三葉「いえいえ。彼女は、家族や知人、そしてかつてのクラスメイトたちのSNSアカウントを常時監視していますからね。クラスメイト全員の行動パターンは既に把握できています」
清水「怖っ!」
三葉「本作は、部屋から出ることすらままならない主人公が、七転八倒しながら復讐を果たさんとする孤軍奮闘の物語である!」
清水「うーむ……気になる。主人公が一体どうやって復讐していくのか……かなり気になる……」
三葉「書籍化の折にはね……」
清水「『書籍化』って……さすがに先走りすぎでは?」
三葉「タランティーノ監督に推薦のコメントをいただきたいですね。『本作を読んでインスピレーションが湧いたんだ。そう、<キル・ビル3>の主人公はニートにするよ!』なんて」
案3
清水「続いて、『モテない』を『バツイチ』に替えてみました。いかがでしょう?」
三葉「ふむふむ。つまり、この場合の『お前ら』は……」
清水「元旦那と、その浮気相手ですかね」
三葉「これまた復讐譚になりそうだ……」
案4
清水「次は、少しひねってみましたよ」
三葉「拝見しましょう」
清水「こちら!」
三葉「白骨死体が主役ですか!」
清水「そうそう!骨が問わず語りするのです。なぜ殺されるに至ったのか?犯人は誰なのか?……などなど」
三葉「『夏と花火と私の死体』という小説がありますが、アレに似ているかもしれませんね」
案5
清水「コレはいかがです?」
三葉「ふーむ、なるほど。一体どのようなストーリーになるのでしょう?」
清水「そうですね……この場合の『お前ら』というのは、主人公が男色の道を歩むきっかけとなった男友だちのことでして」
三葉「ほぉ!」
清水「『ったくお前らのせいでよぉ!』なんてぶつくさ言いながらも、じつは気心の知れた男たちと過ごす毎日に『コレはコレで悪くないか……』なんて思っている主人公の物語ですかね」
三葉「つまり、ゲイ4人組の物語か!おお、面白くなりそう!」
清水「ふむ」
三葉「コレ、実写映画に向いているのでは?」
清水「そうですかね?」
三葉「ええ!画が浮かんできますよ……冒頭、サウナで汗を流している男4人」
清水「サウナねぇ……」
三葉「中心にいるのは……アレは山田孝之さんだ!」
清水「なるほど……山田さんなら喜んで出演してくれそうですね」
案6
清水「続いて、『モテない』を『社畜』にしてみました。いかがでしょう?」
三葉「なるほど!」
清水「舞台はサービス残業が常態化するクソみたいな職場。そこに横暴な上司が登場して……いや、コレはダメか。あまりにも夢がありませんね」
三葉「んー、それではこんなのはいかがでしょう?」
清水「ふむ」
三葉「すなわち……職場ハーレム!上司はツンデレ、同僚は中二病。そして後輩はお姉さんタイプ(いわゆる『バブみ』ってヤツ!)。隣の部署には、メガネっ子とボクっ娘。社長はヤンデレで、その秘書はクーデレ……という次第。一言でいえば……魅力的な女性たちに振り回される、嬉し恥ずかし不眠不休★残業三昧の社畜ライフ♥」
清水「なるほど!それはアリですわ!」
案7
三葉「そういえば、昨今流行りの『異世界転生もの』ですが……」
清水「むっ!コレはよい!じつに目を惹く!」
三葉「いかがでしょう?」
清水「『異世界転生もの』といえば、何はともあれ物語冒頭、主人公が交通事故で死にますよね。で、それをきっかけに異世界に転生する」
三葉「一説によると、トラックに轢かれて死ぬパターンが最も多いそうですね」
※『異世界転生もの』主人公の死因:以下のサイトによると、死因トップは交通事故死。その中でも、トラックによって死ぬパターンが最大多数らしい。
清水「そして、ラノベ読者の多くはこの『お約束』を知っている」
三葉「ふむ」
清水「だからこそ!だからこそ、ストレートに『トラックが悪い!』と言われると、『ド正論!』『おっしゃる通り!』『考えてみりゃ確かにそうだわ……』という具合で、妙なおかしみがある。コレはクチコミされやすいタイトルですよ!」
案8
清水「ところでいまふと思いついたのですが……」
三葉「ええ」
清水「『他のタイトルと融合させる』のはいかがです?」
三葉「ほぉ!面白い!」
清水「えーと、何がよいかな……」
三葉「……む!これはいかがでしょう?」
清水「ふーむ!『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』との融合ですか」
※「通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?」:井中だちま氏によるラノベ。ちなみに26文字。略称は「お母好き」。2019年7月からアニメが放送される予定。
三葉「声に出して読みたいラノベタイトルとして有名な『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』ですが……」
清水「えっ、そうなの?」
三葉「いや、適当なことを言いましたが……まぁとりあえず声に出してみたくなるじゃないですか」
清水「うーむ」
三葉「いかがです?」
清水「何だかよくわかりませんが……うん。迫力を感じます」
三葉「ですよね!」
清水「コレ、どのようなストーリーになるのでしょう?」
三葉「んー……主人公は『お母さん』の娘かな」
清水「なるほど!主人公の母は特殊能力の持ち主で、かつて異世界にて魔王を討伐した女傑。主人公はそんな母の能力を受け継ぎ……生まれつきチートスキルを持っている、と!」
三葉「主人公は、日常的にモンスターから襲撃を受けている。……そう!魔王の手下が敵討ちにやってきているのだ!降りかかる火の粉は払わねばならぬ……主人公は『お母さんのせいで!私!まともな青春が送れないんですけどぉ!!』なんて叫びながら、今日も聖剣を振り回す……」
清水「おー、結構面白くなるかも!」
案9
三葉「さて、少し趣向を変えてみましょう」
三葉「いかがです?」
清水「……コレ、『ドラえもん』ですよね?」
三葉「そうそう!」
清水「ひどいタイトルだ……」
三葉「30歳近くになったニート・のび太が、『あいつが悪ぃんだよ!あいつがよぉ、甘やかすから!オレ!こんな風になっちまったよ!!』と毒づいているわけです」
清水「最悪だ……」
案10
清水「では同じく『ドラえもん』で……」
三葉「これは……しずかちゃん?」
清水「そうそう!」
三葉「つまり『お前ら3人』というのは……」
清水「ええ。のび太、ジャイアン、スネ夫です」
三葉「ははぁ……」
清水「思春期を迎えたしずかちゃんが、いつまでも小学生気分で付きまとってくるズッコケ3人組に対して『お前らさぁ』と不満を垂れている、という構図です」
三葉「なるほど」
清水「以前は、いわゆる『オタサーの姫』気分を満喫していたしずかちゃんですが……」
※オタサーの姫:「オタクサークルの姫」のこと。男性オタクの比率が高い「オタク的なテーマを持つサークル」において、必ずしもモテるタイプではない女性がお姫様のごとく扱われることを指す。「サークル」とは、「大学の同好会」や「普段はネットで交流する趣味のグループ」をイメージするとわかりやすいだろう。こうしたサークルにはそもそも女性が少なく、また、一般的に男性オタクは女性の扱いに慣れていないため、こうした現象が起こるとされている。
清水「『ふと思えば、あの連中がいるからまともな男が近寄ってこない。女友だちからも疎まれる。……クソ!』という具合です」
三葉「うーむ……」
清水「とはいえね、彼女はしずかちゃん!私たちの永遠のアイドル!何だかんだと言いながらも3人を無視することはできず、『ったく世話の焼ける連中だぜ』なんて呟きながら優しくしてくれるんでしょうけどね」
三葉「なるほど……コレはよい!ある種のツンデレものになるわけか!」
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(分析:清水、三葉 / 文、イラスト:三葉)
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