母子問題特化型の「水戸黄門」だ!!|『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』に学ぶテクニック
アニメを研究して、創作に活かそう!
本記事では、「通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?」がどのような物語か、概要をご紹介します。
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作品概要
どのような物語か?
「通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?」は、どのような物語か?
まずは、ざっくり概要を確認しておきましょう。
<骨子>
本作は、一言で言うならば……「主人公が仲間と共に『剣と魔法の世界』を漫遊し、各地で『母子関係』の問題を抱える母、もしくは子、あるいはその両方を改心させる物語」と整理できるでしょう。
<テーマ>
テーマは、ズバリ「母」や「親子」。作中では、しばしば「母とは何か?」「親子とは何か?」が問われます。
しかし、その探究はあくまでもライトなレベルにとどまる。人によっては「浅薄」と感じるかもしれませんが、「重苦しくならず、気軽に見ていられる」と評価する人もいるでしょう。
<特徴>
本作の大きな特徴は……
▶ 主人公が、実母と共に旅をする(パーティメンバーに実母が入っている)。
▶ 主人公の実母が圧倒的に強い(主人公や他のメンバーは足元にも及ばない)。
主人公は、男子高校生です。思春期真っ盛り。
彼は、「せっかくの冒険なのに、なんで母さんが一緒なんだよ!?」「母さんが圧倒的に強いってどういうこと!?オレ、全然活躍できないんだけど……」などと困惑し、時には不満を口にする。
しかしまぁ、何だかんだと言いながらも母子の絆を深め、彼らは「剣と魔法の世界」を旅していきます。
じつにユニークですね!
<アナロジー(類似構造を持つ作品)>
物語の枠組みという観点から見ると、本作は「水戸黄門(テレビドラマ版)」に近いものがあると言えるでしょう。
▶ 舞台:江戸時代 → 剣と魔法の世界
▶ すること:各地を漫遊しつつ、世直しする → 各地を漫遊しつつ、母子を改心させる
▶ 必殺技:印籠 → 主人公の実母による「説教」と「攻撃」
一方、本作と「水戸黄門」には決定的な違いがあります。ズバリ本作は、「水戸黄門」と比べて【勧善懲悪感】が薄いのです。
▶ 【理由①】敵対者の相違:「水戸黄門」の敵対者は、明確な悪(悪代官など)です。彼らは、主人公一行によってコテンパンに叩きのめされる。鑑賞者はそれを見てスカッとする。それに対して、本作の敵対者は問題を抱える母子です。「改善すべき点はあるが、その本質は善人」として描かれている。ゆえに主人公らは罰を下すのではなく、改心を促すことになる。当然、【勧善懲悪感】は薄くなります。
▶ 【理由②】正義の相違:主人公の母は善人です。しかし、彼女はまったく子離れができていない。明らかに子供(= 主人公)との距離が近すぎる。つまり、彼女もまた「問題を抱えた母」であり、敵対者と五十歩百歩に見える。ゆえに、確かに「正義の執行者」ではあるものの、「絶対的な正義」という感じがしない。だから【勧善懲悪感】が薄いのでしょう。
ざっくりストーリー
ストーリーをざっくり整理してみましょう。上述の「骨子」や「テーマ」を踏まえてご覧ください。
つまり、【主人公らが物語の世界(剣と魔法の世界)にやってくる】 → 【3件の「母子関係の問題(ワイズ母との戦い、メディ母との戦い、アマンテとの戦い)に対処し、改心を促す】というのが本作のストーリーです。
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関連
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最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。
(担当:三葉)