Ushimaru 2024.09
はじめに
千葉県松尾駅にあるイタリアン、「Ushimaru」に参りました。
かれこれ2、3年気になっていたレストランにようやく訪問が叶いました!
勝手に評価!
総合評価:4.3 凄く良い!
料理・味:4.3
サービス:4.0
雰囲気:4.4
コスパ:4.8
実際に食べたもの
おまかせコース(税込み15,000円)を頂きました。
なお、昼夜共通でこちらのコースのみのご提供となります。
コース前半
前菜類をご紹介します。
平目は海水でボリート(茹で)に。
ウリや青じそによる心地良い青みと清涼感、梅とトマトのスープによる柔らかな酸ですっきり。
晩夏を思わせる、涼やかな生命力を感じる一品です。
シンプルに炭火焼で。
まず、身が大きい。火を入れているのに、この大きさです!!
磯の香りやカキ固有のミルキー感も勿論ありますが、純粋な旨味をより密に感じます。心地良い炭火の香りと相まって、滋味深い味わいです。
お店からのサービスということで、カキに合わせて純米大吟醸をいただきました。(ノンアルコールの場合は、深蒸し緑茶です)
カキのミネラル感に負けない、フレッシュで丸みのある酸とほんのり甘みを感じます。
何と、モルタデッラも生ハムも…アンチョビまで自家製とのこと。
モルタデッラは軽やかな口溶け。あっさりでありつつ、球体のような広がりを持った旨味も感じる。
炭火で香ばしい香りのついた夏野菜や酸の効いたアンチョビと非常に親和性が高く、熟成された生ハムによる深みと塩味が輪郭を生みます。
一つ一つがシンプルですが、単体としては勿論、一皿としての一体感がありました。
特にモルタデッラは一枚では足りない。丸ごと頂きたい。
焼きたてのフォカッチャを目の前で切ってくださります。
写真では伝わりませんが、むくむくと湯気がたっておりました!!
クラストはザクザクと香ばしく、中はもっちり水分量が高い。(イメージとしては、ザクッ!!!ザクッ!!!、もぉっちぃりというイメージ)
外側には海水から作った海塩がまぶされており、これが食欲を即発。
おかわりも気前よくいただけたため、お言葉に甘えて8個ほど?頂いてしまいました(笑)
特に印象的だった一品です。
外は薄くクリスピーで香ばしい焦げの香りを纏った衣、中はふわっとした口当たりと瞬く間に口の中で消えてしまう鰻のさらさらと清らかな脂。このコントラストが堪らなかったです!!
後から柔らかく香る、山わさびの爽やかさも心地良い。
鰻のポテンシャルの高さとそれを引き出す技術に感激です。
左側の足の部分は炭火を纏わせて。心地良い弾力がありつつ柔らかな食感。タコの旨味と共に、炭火の香ばしさが鼻を抜けます。
吸盤の部分はボイルで。コリコリとリズム感ある食感と優しい甘み、ツルムラサキの程よい粘りの組み合わせも楽しかったです。
食事中にタコのリゾットが追加で供されました!
タコの弾力性ある食感に合わせて、リゾットは柔らかく仕上げています。
ぎゅっと詰まったタコの旨味とミネラルを感じる塩気、酸の調和がとれており、非常に滋味深い。
腹の部分は炭火焼き。絶妙な火入れで、生ならではのプリッとした食感と火入れによるコリッとした食感と楽しめます。後から、ミルキーな甘みと柔らかな炭の香りがどんどん口の中に広がる。
海老の出汁で作ったソースは濃厚なのに、あっさり。全く重くもしつこくもない。
高い期待を遥かに超えるパスタに、締めのパスタへの期待が一気に膨れ上がりました。
左は背の部分を炭火焼。魚の出汁とオリーブオイルを乳化させたソースで頂きます。ふわっとした口当たりや清らかな水分と共に炭火の香りも感じる。
右はハラミの部分をジャージー牛のセンマイと茗荷を合わせて。コリコリとした食感とほのかな酸、後から茗荷の清涼感が加わり、旨味深くも爽やかな一品です。
コース後半
メインからデザートを紹介します。
メインであるジャージー牛の焼き上がりをお見せいただきました。
ジャージー牛は桜の木チップスで燻製の香りを纏わせています。
異なる部位を大きいサイズ感で楽しめるだなんて、嬉しい限り。
結論、こんなに満足感のある牛肉のメインは久しぶりでした!!咀嚼の度に透き通った旨味が次から次へと出てくる。
ブリスケは上にサルサベルデを乗せて。ホロホロと繊維が崩れるような口当たりと生命力を感じる旨味。ゴーヤやバルサミコ酢を使用しているようで、丸みのある酸と清涼感で爽やかに締まります。
三角バラは、心地良い弾力ととろける感覚。より深い甘みに、思わず頬が緩みます。
ハネシタは驚くほどに瑞々しく、いい意味で牛肉であることを忘れてしまうほど。
メインに牛肉が登場すると、少し残念に思うふしがあるのですが、こちらはまた是非頂きたいと思いました。
生姜と柑橘のシャーベット。
ほんのりと生姜の風味と柑橘の酸を効いています。
食べやすいですが、口の中もちゃんとさっぱりさせてくれます。
メインが供される前に締めの量をお聞きくださります。大盛りで70gなのですが、絶対に後悔はしたくない。ということで、お願いして150gを頂きました。(ありがとうございます…)
まず麺が唯一無二の感覚。もっちりとした弾力はありつつも、口溶けというか、滑らかさがある。たっぷり絡まったソースと共に、するっと消えていきます。
ふんだんに使用されたドウマン蟹はミネラルとミルキー感のある旨味。その風味は存分に活かしつつ、イタリアンパセリや忍ばせたレモンの爽快な風味が良いアクセントとなっています。
各食材の相乗効果が強いインパクトを残しました。
軽やかな口当たりと優しいミルクを感じるアイスクリームと、滑らかなヨーグルトの心地よい酸。
パスタの後に相応しいさっぱり感で、ペロリと頂けました。
大麦とロースト落花生のタルト生地に、落花生のプラリネクリーム、煮込んだ落花生。ザクザクと香ばしいタルトと濃厚な滑らかさと甘塩気の効いたクリーム、ほんわりとろ~んと柔らかく広がる煮込み落花生。
後5個ぐらい頂きたい。
食材の持ち味を活かす、シンプルなアプローチ。それにより、自然の豊かさと申しますか、食材本来の滋味深さや純粋な味わいが皿から溢れている。
また、パンや野菜は勿論、ハムや塩まで手作りという徹底された拘り。
食材に対する深い理解とそれを活かす技術力の高さを肌で感じることができました。
サービス
サービスは男性の方と若い女性の方と二人体制。席数も多くないためか、物足りなさは全く感じませんでした。
また、リストランテというより郊外にある友人の家に来たような温かく、気さくなサービスという印象。
パンのおかわりや大盛りのお願い、料理への質問に対しても笑顔でご対応いただき、とても心温まる時間を過ごすことができました。
お値段
おまかせコース(税サ込15,000円)とビール1杯(税サ込1,200円)で16,200円/1名でした。
ありえない費用対効果。いくら郊外とは言え、食材の質や手間暇を考えると正直破格だと思います。
まとめ
往復約4時間でしたが、伺って良かったと心から思えるひとときでした。(何なら近いとすら感じた)
そして、都内では絶対頂けない品々に再訪を決意。次は茸やジビエが頂ける時期に!!