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特製豚カツをつくろう!

 
 

 一人暮らしなので、どうしても晩飯などは既存の総菜に頼るコトが多い。


 豚カツなど大好きなのだが、初めから作るとなるとなかなか面倒だし、小麦粉やパン粉なんかは大量に余るのみならず、その他もろもろ……出来合いを買った方が遙かに安くつく。
 かつ丼に仕上げるには、切って煮て乗せるだけで終了である。

 そうは言っても、スーパーなどで売っている豚カツがあまり美味くないのも事実で、時には手ずからとは思うのだが……なかなか踏ん切りがつかない。

 本来、自炊は嫌いではなかったのだが、一度楽をしてしまうと修正は難しい。

 それでも、スーパーで求めた冷めて、固い豚カツを食っていると、やはり自分で作りたくもなる。

 まあ、一度作るとなるとなかなか凝り性な所もあって……かってレシピをアップした記憶もあるのだが、ここで改めて、食ったつもりになって、その行程を御紹介したい。

 まず、そこそこの厚さの豚のロース。貧乏性なので、あまり分厚いのは敬遠。
最近のロース肉は大幅に脂身をそぎ落としているようだが、実はこの脂身がなくてロースは美味くない。

 僕の場合、この脂身を少し削いでみじん切りにする。
まず、フライパンで玉ねぎのみじん切りをアメ色になるまで炒め、ここに先の脂身を入れ、さらにトマトのこれ叉みじん切りを加える。好きな人は、さらに茄子のみじん切りを加えてもいいだろう。
 これをひとまず器に入れておく。

 次に、主役のロースの脇に包丁でスリットを切り込んでから、肉全体をすりこ木など使って叩く。平べったくなるまで叩く。
 叩き終えたら……こんどはそれを粘土細工に見立てて、先の厚さにまで成形する。
 この過程で肉は俄然、柔らかくなる!

 そして、次に切り込んでおいたスリットに、初めに用意しておいた、玉ねぎ、脂身、トマトの炒めたやつを押し込む。

 あとは、普通どおりに豚カツとして揚げる。

 が……僕の場合、これで終わりではない。ただ豚カツソースをぶっかけるのでは、曲がない。
 そこで、簡易ソースを作ることになる。まず用意するのがハッシュドビーフのルー……これを一かけら溶かし、そこにケチャップとソースを加えて味を整える。
 要は、デミグラ風にする。調味料はその時の気分しだいだが……ぜひ加えて欲しいのが「アンチョビ」である。これはごく少量ながら、隠し味として風味と深みが増す。

 この特製ソースを先の豚カツに掛ける。

 ついで付け合わせだか……僕の場合、常識的なキャベツの千切りではなく、ザワークラウトと決めている。まあ、人に進めるつもりもないが、僕の食味感性ではベストマッチなのだ。

 やれやれ、……かなり面倒なのだが、以前は時々作ったものである。もとより一人ぽっちの食卓であることは言うをまたない。

 ぜひ作って! 一緒に食べたい! ……なぞと宣う女子でもいれば、俄然その気になりそうだが……已んぬる哉、そんな機会はユメ巡って来そうにはない。

 たぶん明日も……冷めて固い、スーパーの豚カツを食うことになりそうである。

貧乏人です。創作費用に充てたいので……よろしくお願いいたします。