見出し画像

儘・詩草 なんちゃって

風がそっと吹き抜ける
笑い声が響き渡る中
何気なく言葉を交わし
「なんちゃって」と口にする

空は青く澄み渡り
雲がゆるりと漂う時
軽やかに語られる言葉
深刻さなど微塵もなく

指先で弾く石ころが
道端でくるくると転がり
小さなことは全て流れ
「なんちゃって」で済まされる

昼下がりの陽ざしの中
木漏れ日が地面に揺れ
軽やかに心が踊るように
言葉も踊り、消えゆく

誰もが知っている
その言葉の軽さこそ
時に救いとなりて
心をほどけさせるもの

「なんちゃって」と笑顔で
重きものは忘れ去られ
日常は続いてゆく
風がまた吹き抜ける時

砂埃が立ち上がる
道の脇で誰かが囁く
「なんちゃって」と軽く
言葉が舞い、風に消える

日々の喧騒に包まれて
小さなことは全て流れ
重ねた言葉の上に
「なんちゃって」と蓋をする

軽い言葉が空に舞い
鳥たちがその中を飛びゆく
意味など追わずとも
ただ音にして流してゆく

道行く人々の中で
ふと立ち止まる瞬間に
「なんちゃって」と口にすれば
笑みが浮かび、心が軽くなる

時は止まらず流れて
日常は変わらず巡る
言葉遊びのような日々を
「なんちゃって」で締めくくる

夕暮れが静かに訪れ
街が静まりゆく時も
誰かの耳に響くなり
「なんちゃって」と囁く声

言葉の軽さに包まれて
心の重荷は消え去りて
その瞬間に漂うもの
それは風の如き軽やかさ

夜が深まりゆく頃
星がまたたく空の下
人々は眠りにつき
言葉もまた眠りにつく

朝が来ればまた聞こえる
「なんちゃって」と誰かが
その言葉に耳を傾け
軽やかな笑いが生まれる

軽い言葉が持つ力
その強さは誰も知らず
だが確かにそこにある
「なんちゃって」とともに

今後の励みになります。皆様からの御支援のほど宜しくお願いします。