受け入れの方法とスキル 第2段階 その10
この頃、みーちゃんは支援学級でのお帰りの会が終わると、帰る準備を自分からするようになりました。一つは日課が分ってきたのと、放課後デイケアーでの生活も、慣れきて嫌なところじゃなくなったからでしょう。
先生「ランドセル持ってきたね。もう帰ることが分かっているんだね(「共
感」)。机の中のものと、連絡帳を入れようね。はい、連絡帳。『今
日、遠くまでお散歩に行きました。ちょっと疲れているかもしれませ
ん』って書いておいたからね。」
ランでセルを閉める前に、みーちゃんはキョロキョロしています。何か探しているようです。
先生「みーちゃんは、今日作ったアイロンビーズのお花と泥舟を探している
のかな(「想像」)。それなら、ナイロン袋に入れてここにあるよ。ほ
ら、どうぞ。…壊れるといけないから、ランドセルに入れるよりは、デ
イケアー用のカバンに入れましょう。」
みーちゃんは、言われた通りにすると、集中下足室から正門の方に向かい始めました。日課が定着し始めている証拠です。
伊藤先生の方をちらっと見ました。「早くしてよ」と言っているようにも「先生のことを待っているよ」と言っているようにも感じます。いずれにせよ、心の交流が感じられて、伊藤先生はいい気持ちになりました。
先生「みーちゃん、待っていてくれてありがとう(「共感」)。先生、うれ
しいわ。先生、ミーツちゃんのこと、だ~い好き。みーちゃんは?」
みーちゃんは、笑ってくれました。「笑ってないで、スキと言ってよ」など言いながら正門に行くと、デイケアーのお姉さんがもう来て待っていてくれてました。
みーちゃんは、ランドセルを背負ったままお姉さんに抱きつきに行きました。4月、二人の男の人に抱きかかえられて車に乗せられていたのとは、大違いです。やはり、デイケアーでの生活にも、見通しが出たのでしょう。
みーちゃんは伊藤先生にしっかりバイバイしながら、デイケアーの車で帰っていきました。「また、明日ね」伊藤先生は、つぶやきました。
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