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《ハヤカワポケミス初版完全収集》への道 その6

6.苦労したもののリストとその話-1

 せっかくですから、最後に『何故か、手に入れるのに苦労した作品』とか『思い出がある作品』について、コレクション紹介を兼ねて書いていきます。(私だけが苦労したポケミスかも知れない。逆に、他の人が苦労したのに、私は簡単に手に入れたのもあるかも知れない。分からないので、その辺は、臨機応変に)。

 とりあえず、現在は集めたポケミスを1501まで一堂に並べています。寝る前など、正面に立ってニヤニヤして感慨にふけってます。

取り敢えず、これが全景です。101から1501まで一堂に集めました
1501以上は、作者別に本棚に入っています

 番号順に覚えている買った時の状況や、感想や苦労話を書いていきます。何も覚えてないものや、何も浮かんでこないものは飛ばしてます。

1.101から110まで

101から110まで

 102「赤い収穫」(ダッシェル・ハメット ダシールじゃない)は、早い段階で阪急3番街のかっぱ横丁「上崎書店」で買いました。値段は覚えていませんが、500円前後だったと思います。このころ、古本屋をブラブラしていることが多かったからこその出会いですが、今から思えば、ラッキー な出会いでした。

 103「黒衣の花嫁」(コールネール・ウールリッチ)は、ミステリ友達が2冊持っていたので、格安で譲ってもらいました。持つべきものは、友達です。値段は、忘れました。代わりに、なにか食事を奢ったかもしれません(当時はやっていた、ハワイアンピザとか…)。

 104「ワイルダー家の失踪」(ハーバート・ブリーン)は、何故か美本がなかなか見つかりません。私が持っているものも、表紙が千切れていてハトロン紙で保護されています。中は、きれいなのでこれでいいかと思っています(本当は、もっと美本がほしいですが…これを出だすときりがない)。

 107「忘れられぬ死」(アガサ・クリスティー)は、今回の総点検で「ハヤカワ総解説目録」から初版年月日がわかるまで、昭和30年のものが初版だと思っていました(だって、何版という文字がないから)。間違っていたので、昭和28年の初版を、今回、通販であわてて集め直しました。

 108「カーテンの彼方」(E・D・ビガーズ)は、糺の森の古本市で1500円で買いました。買った日は、雨降りで、こんな日でも青空市はするんだと、驚きながら買いました(こんな日でも、古本市に行くんだという意見もあるでしょう)。濡れないように、持って帰るの苦労しました。他にも、いいものがあったかもしれませんが、これを見つけたので慌てて帰りました。嬉しくて、「子宝」という洋食屋さんに寄ったのを覚えています。

 109「影なき男」(ダッシェル・ハメット)は、表紙に修理の跡があるので100円でした。私は、そんなことは気になりません。全部集めることが、大切ですから。どこか、地方の古本屋で(石川県の気がする)買ったような…位の記憶です。どこでかったのかな?思い出したい。

 11「死の接吻」(アイラ・レヴィン)は、1800円と高く、買うかどうかだいぶ迷ってから買いました。店の前を30分位、行ったり来たりした思い出があります。当時、私にとって1800円はたかったのです。コヒーが、200円くらいで飲めました。それ以後、古本屋さんでは見たことがないので、買っておいて良かったです(これ以来、迷ったら買うという方針をたてました)。

2.111から120まで


111から120まで 

 111「デミトリオスの棺(エリック・アンブラー)は、震災跡の神戸の長田街に鉄人のオブジェを見に行ったときに手に入れました。鉄人とアンブラーのポケミスの2つでテンションが上がったのを覚えています。昼ご飯にB級グルメの「そばめし」と「すじ焼き」を食べました。思い出は、食べ物とともに。

 112「犯行以前」(フランス・アイルズ)は、当時としては1800円もして高ったのだけ覚えています(「死の接吻」と同じパターン)。大阪の三番街で買いました。どこで買ったっけな?犯人の側からすべてを語る倒叙推理小説の形式の「殺意」を読んだ直後だったので、まっいいか、という程度でかいました。これも、買っておいて良かった本です。このあとは「ぶぶ亭」で明石焼きを食べました。

 113「古書殺人事件」(マルコ・ペイジ)は、程度の良いのがなかなか見つかりません。なぜか、見つけた本は、全部天地が焦げ茶色に日焼けしているのが多いのです。どうしてでしょう。わたしの本も、何度買っても日焼けしています(この本は、私が集めた古いポケミス5番目のものです)。だから、三冊も持っています。それから、気のせいかな?少し本自体も、少し小さいです。

 115「野獣死すべし」(ニコラス・ブレイク)は、保護のためにハトロン紙が被せてあります。大抵は、古本屋さんが被せるのですが、たまに個人でやっておられる方もおられます。私は、ハトロン紙は見にくいので嫌いですが(表紙絵などがよく見えない)、手に入れたときに被せてあるものはそれを尊重して、そのままにしています(本当は、破り捨てたい。というより、収集の初期は、破って捨てていた。ちなみに、新車の座席のビニールは、すぐ破るタイプです)。

 116「恐怖の背景」(エリック・アンブラー)これは、東海道を歩いているとき、神奈川県の平塚市で旅行を終えた次の日に、東京の神保町の古本街に寄ってから大阪の家に帰りました。そのときに見つけました。当時としては、集める条件ギリギリの3000円でした(もちろん、別の年に、東海道は最後まで歩き通しましたよ)。 

 117「幽霊の死」(マージェリー・アリンガム)は、とにかく気持ち悪い表紙のポケミスです(個人的意見)。これは、よく行く千日前の天牛(今は、もうありません)で「縦積み」の本の底の方で見つけました。取り出すのに、店員さんを呼んで、大騒ぎになりました。15分以上かかったと思いあます。(縦積みとは、棚に入り切らない古本を直接床につみあげてあるもの。下の方で見つけると、自分では取り出せない。崩れたら、大変なことになる。経験済み。だから、自分で取らない)。

「幽霊の死」の表紙 どうです?

 119「深夜の十字路」(ジョルジュ・シムノン)は、あっと驚く出来事で手に入れました。ある日、近所のアルミ缶・古紙・古着集積所にいらない新聞紙を捨てに行ったら、シムノンの本が80冊近く捨ててあったんです。びっくりして、可愛そうで(実は喜んで)、全部家に持って帰ってきました(本当は、もって帰ったら市の条例違反)。その中にこれがあったんです。こんなことも、世の中にあるんでですね。この出来事のおかげで(?)シムノンは、重なり本が多いです。


本好きです。本を買います。余暇のための本ではなく、勉強のための本を買います。よろしくお願いします。