《思考の柔軟性が弱いタイプ》のアセスメントとその支援の方法 その21 実例の細部から、支援の方法の本質を学ぶ-⑮ 「指示されてなければ、何をしてもいい」は《自分言葉》
事例15「先生が指示してなければ、何をしてもい
いんだ」と考えるのは《自分言葉》
中学2年生の数学の時間。先生は、説明のあと、プリントを配った。Oさんは、案外早くプリントが終わったので、今日出た家庭科の縫物の宿題を始めた。
先生「Oさん、何してるんだ。」
Oさん「家庭科の宿題ですが、何か?」
先生「今は、数学の時間だろう。やめなさい。」
Oさん「先生の出したプリントは終わりました。だから宿題してます。どこ
かおかしいですか?」
先生「屁理屈を言うな。」
🧵🧵🧵🧵🧵🧵🧵🧵🧵🧵🧵🧵🧵🧵🧵🧵🧵🧵🧵🧵
【解説】先生が、課題が終わったらすることを指示していないのが問題です。しかし、指示がないからといって「何をしてもいい」と考えるOさんも、問題です。
仮に、家庭科宿題をやりたければ、先生に聞いてみるべきでした。勝手にやっては、当たり前ですが叱られてしまいます。プリントを頑張ってやった、いい生徒なのにです。
【セリフ】
先生「Oさん、何を勝手にしているんだ?」
Oさん「プリントは、もうできました。」
先生「それ早いな。頑張ったな(「共感」)。だからといって、勝手なこと
をしたらだめだよ。早く終わった生徒用に数字パズルが用意してあるん
だから(「覚えて」)。」
Oさん「先生は、終わったらどうするか、何も言わなかったじゃないです
か?だから、家庭科の宿題してるんです。なにか、問題ですか?」
先生「数学の時間だから、問題だね。でも、君は、宿題がたくさん出たか
ら、今、やりたいんだね「想像」)。」
Oさん「そうです。時間がかかるんです。だめですか?」
先生「そういうときは、『家庭科の宿題をしてもいいですか?』と先生に聞
いてください(「覚えて」)。そうしたら、考えますから。分かっ
た?」
Oさん「じゃ、聞きます。家庭科の宿題をしてもいいですか?」
先生「そうだね、そんなにやりたいなら宿題をやってもいいことにしようか
(「共感」)。みんな、聞いてたか?早く終わった人は、数字パズルを
してください。どうしても、家庭科の宿題をしたい人はしてもよろし
い。分かったか?」