受け入れの方法とスキル 第2段階 その5
③2時間目-3
みーちゃんが、姿見からビーズの首飾りに満足して帰ってくる。
先生「ねぇねぇ、みーちゃん。これ見て。みーちゃんは、お花が好きでしょ
う。だから、先生、ビーズでお花を作ってみたの。」
そう言いながら、伊藤先生が予め作っておいたアイロンビーズの見本を見せる。みーちゃんは、お花を見るときと同じような目で、アイロンビーズの花を見ている。
先生「きれいでしょう。可愛いと思わない(「想像」)?どう、作ってみ
る?簡単だよ。」
みーちゃんは、アイロンビーズを一つ取り上げて目の前に持ってきた。
先生「みーちゃんは、それを作りたいんだね(「想像」)。わかったよ
(「共感」)。きれいだもんね。では、『教えてください』とお願いし
て下さい(「覚えて」)。いくよ『お・し・え・て・く・だ・さ・
い』…はい、よく言えました。じゃ、教えるね。まず、この白いのを用
意します。これは、プレートと言います。」
みーちゃん用に、一番小さいスクエアプレートを目の前に置いてあげる。みーちゃんは、興味がありそうだ。その証拠に、じっと見ている。興味なければ、どこかに行ってしまうはずだ。
先生「まずね、それと同じものを作ろうか?」
みーちゃんの持っている花を指さした。
みー「いい。」
先生「じゃね。まず、花びらの色6個を選んで。6だよ。…
黄色の花が作りたいだね(「想像」)。じゃ、6個集めるよ。
1つ・・・2つ・・・3つ・・・」
みーちゃんは、伊藤先生と一緒に黄色のビーズを6こ選びました。
先生「次は、中心の色を選ぶよ。『雌しべ』というだよ。何色にする?」
みーちゃんは、水色を選んだ。先生も素早く、黄色6個と水色1個を集める。
先生「そう、それにするの(「共感」)。それは、水色だね。「み・ず・
い・ろ」だよ(「覚えて」)。…まずね、先生が作ってみるよ。見て
てね。まず、水色を置いて、その周りに6個を並べていくと・・・は
い、出来上がり。簡単でしょう?」
みーちゃんは、じっと見ていました。そして、真似をして水色から作り始まました。しかし、指先の動きがまだぎこちないので、苦労しています。
先生「細かくて、難しいね。そういう時は、こんなものもあるのよ。ピンセ
ットといんだけど、使ってみる?」
みーちゃんは興味がないらしく、見向きもっせず黄色のビーズを並べようと頑張っています。時には、手のひらも使っています。ピンセットは、焦らなくてもいいでしょう。だんだん使うようになって、複雑なものを作るときに使ったらいいでしょう。
注)ピンセットは、エンピツやお箸を使う時の練習にもなる。
先生「やっとできたね。嬉しいね(「共感」)こういう時は、『やった』だ
ね(「覚えて」)。一緒に、行ってみようか?『やった!!』」
みーちゃんも、伊藤先生の真似をし手だけあげています。
先生「次は、アイロンで固めるのよ。アイロンはね、ここに触るとアチチ、
アチチとやけどしちゃうかね(「覚えて」)。気を付けてよ。」
注)アイロンは入らなくなった本物でもいいですが
下記のような小さいアイロン方が使いやすいです。
伊藤先生は、まだ熱くなっていないアイロンに触って見せながら、説明しました。そのあと、本当にアイロンの電源を入れました。
先生「また、最初は先生のやることを見ててね。まず、このアイロンペーパ
ーをのせて、そらからこのアイロンでゴシゴシします。すると・・・ほ
ら、お花の出来上がり。もう壊れないよ。」
伊藤先生はアイロンペーパーをはがしながら、少し冷ましてみーちゃんに渡しました。
先生「少し、あったかいでしょう?」
みー「あちち」
先生「そうだね。少しアチチだね(「共感」)。どうする?みーちゃんの
は、自分でアイロンやってみる?それともやめとく?」
みー「いや。」
先生「そうか、まだ少し怖いんだね(「想像」)そういう時は『いや』じゃ
なくて『やめとく』だよ。じゃ、今日は、先生がアイロンしてあげる
ね。段々、自分でできるようになろうね。では、『やってください』と
言って。」
注)まだ、早いようですが、この「頼まれない限り、親切に
しない」という原則は早すぎるということはありません。
この原則は、思考の柔軟性(こだわり)を緩めてくれます。
みーちゃんは、嬉しそうに伊藤先生に作ってもらったお花のアイロンビーズを、他の先生や支援学級のクラスメイトに見せに行きました。
本好きです。本を買います。余暇のための本ではなく、勉強のための本を買います。よろしくお願いします。