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揺禅至柔気功 その14 卍呼吸(斜め割り)

 「その13」が終わったら、太極拳の基本の立ち方に戻ります。次に、先生が「卍呼吸」と呼んでいた(初めはなかったが、晩年に付け加わった)至柔気功を行います。私は、インナーマッスルが斜めに動くので、密かに「斜め割り」と呼んでいました。「前後割り」と「上下割り」を同時に使っていると考えてもいいでしょう。

1.基本の立ち方から、逆腹式呼吸(胸を膨らませて、腹をへこませる)をします。その際、両手をお腹から胸の前を通って「気」を掬い上げるように動かします。最終的には、胸前で掌をひっくり返し気を下に抑えます。

2.次に、その形のまま、左右の掌を逆にひねりながら(右掌が上を向けたときは、左掌を下に向けておく。右掌を下に向けたときは、左掌を上に向ける)、実際は胸とインナーマッスルを捻っていく感じです。呼吸は、ずっと逆腹式で行い、捻る事と同調させて行く。

この状態のまま、掌を左右逆に捻っていく

3.左右の掌を同調させて捻るのを続けながら、それに腰を同調させて後ろに捻り始める。左右水平に、後ろに向かって肘打ち打っている形になる。それを滑らかにできるようなるまで、続ける。

4.滑らかにできるようになったら、肘を徐々に上げ前の敵を肘打ちで打つように斜め前に打ち下ろしていく。その時、その肘打ちと掌に捻りと腰の捻りは同調させていく。肘を徐々に限界まで上げていく。
 この時の形を先生は「卍に見えるだろう。だから、卍呼吸だ」と言っておられました。

肘が徐々に上がっていく 前に打っている

5.それができたら、同じように掌の捻りと腰の捻りを続けながら、肘を上げつつ、今度は後ろの敵をひじ打ちで攻撃するように、逆回しで後ろに打ち上げる。これも、限界まで肘を上げていく。

 これは、肩の動きの範囲を広げ、滑らか肩が動くようにする至柔気功だと、思います。実際の肘打ちのときの、効果も上がるのではないでしょうか?

 私が書いているのは、旧式アクティクラブで教えてもらったことですが、先崎先生のお弟子さんたちが新アクティクラブを創設して教えておられます。興味のある方は、見学を申し込んでみてください。


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やまと たける
本好きです。本を買います。余暇のための本ではなく、勉強のための本を買います。よろしくお願いします。