私の営業スタイルは、良き「友人」になること
ここ数日営業や転職から少し脱線した話を書いていましたが、今日からまた舵を戻し、「営業」について語っていきたいと思います。
以前ここで少しお話ししたように、バブルがはじけて以降、営業のスタイルは大きく変革したと思います。お客様の機嫌をとるゴマすり営業から、お客様の本当に役に立つ営業へと。そして、この営業スタイルこそが、お客様が本当に必要としている営業マンの姿なのではないかと思います。
私の営業スタイル
私が営業の仕事にたずさわり、担当のお客様を持たされてから、早3年を迎えていました。この頃になると、ある程度自分で判断し、行動できるようになっていました。その頃の私は、得意先を十数社持たされていました。ちょうど多くもなく、少なくもなくといった感じです。
そこで私が一番に始めたことは、お客様すべての会社に、一週間に最低一度は顔を出す!ということです。それを叶えるためにスケジュールを調整していました。用事があってもなくても、必ず一週間に一度は自分の担当のお客様の所に顔を出し、お客様の状況を把握するーー。これを心がけました。
正直言って、注文を取るということがその時の私にとっては、どうでもいいことのように感じていました。お客様に何かあった時にまず私の顔が一番に浮かぶこと、それが理想だと考えていました。俗な言い方をすると、お客様が心置きなく話ができる“友人”になる感覚です。
友人になることができれば、お客様は私の前で本音を晒し、本当の姿を見せてくれます。もちろん距離が近くなれば、それだけ怒られることも増えますし、時には本気で怒鳴られることもあります。でも、私はお客様に何かあったときに、一番に相談してもらえる、一番に頼ってもらえる存在になりたかったのです。
メモだらけの机の真相
その日も、私はいつものように一日中お客様回りをしていました。夕方事務所に帰ると、私の机はお客様からのメモで埋め尽くされていました。「電話をくれ」とか「カタログを持ってきてくれ」とか「相談があるから近いうちに来てくれ」とか、用件はいろいろですが、一社一社から直接私に連絡が来ている、ということがとても嬉しかったです。
メモだらけの私の机の上を見た先輩たちが、とても驚いた顔をしていたことを今でも忘れません。
私のポリシーと言うか本音でもあるのですが、お客様に「久しぶりだね」と言われる営業は、私は営業として失格だと思います。ほんの5分でいい、でも定期的にきちんと顔を出す。それが私の営業スタイルであり、僕が理想としている営業マンの姿でした。
嵐の前触れ
ある日、他社の機械を使っている大きな会社さんから連絡がきました。このお客さんも、私が週に一度必ず顔を出していた会社の一つです。
お客さんが大型のコンピューターを入れ替えたいので話を聞きに来てくれという連絡でした。今使っているコンピューターの会社と、私の会社でコンペをしたいということでした。今使っているコンピューターの会社と、あと一社どこと比較すればいいのか?と悩んでいた時にふと私の顔が浮かんだということでした。
私にしてみれば、これはまさに日頃の努力が実った成果です。そして、このお客様からの連絡が今後の私の営業マンとしての運命を、いやそれ以上に私の人生自体を大きく変えることになります。
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この続きは次回またご紹介したいと思います。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。