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【読書感想文】他者を見ないと自分はわからない【動物のことば】
『動物たちは何をしゃべっているのか?』(山極寿一、鈴木俊貴)を読み終えたので感想を記しておく。
まず、この書籍は、ゆる言語学ラジオで取り上げられていたので知った。水野さんが編集に携わっている。鈴木先生も、ゲストとして登場している。山極先生は、評論の題材になっていた。本書のラストに「環世界」とい語が出てきて初めて気が付いた。確かにどこかで見たことのある名前だと思っていたが、LT1に取り上げられてい
【読書感想文】広がったけど広がりきってない世界【同志少女】2
『同士少女よ、敵を撃て』を読んだ。考えたことがいくつかあるので、1つくらい書き残しておこうと思っている。というか、その流れで書く2つ目の文章である。
主人公の少女は学校に連れていかれる。それは狙撃兵の養成学校である。ただし、特殊だ。女性のみの少人数。しかもみんな、帰る場所を失っている。似たような境遇の少女である。それをイリーナが連れてきた。
この場で、新しい世界を教えられることになる。村から出
【読書感想文】戦争との邂逅、被害者としての意識【同志少女】
『同士少女よ、敵を撃て』を読んだ。考えたことがいくつかあるので、1つくらい書き残しておこうと思っている。
主人公が戦争と出会う。物語は悲惨なものだった。まずは平凡な生活。田舎だから世間知らず。よく言えば純朴。外の世界に希望を持ちつつ、狭い世界のなかで完結する人生。その予定だった。
平穏な生活は突如として崩れる。侵略者が現れる。その場に居合わせない幸運を主人公は持ち合わせている。そして生き残る。
わかった気になってしまう
辻村深月さんの『かがみの孤城』(上下)を読みましたので、感想を書き残します。ネタバレを含みますので、気になる方は避けてください。
描写で感じたこと 視点は主人公「こころ」のものだった。主人公の年齢に合わせた、心情描写が上手だと感じた。それは、想像しきれないものを恐れたり、考えが破綻していたり、少しこどもっぽいところがある。それを、第三者の視点ではなく、主人公の視点から描写していた。考えてみれば
そのバトンはイギリス由来
優子が受け取ったバトン血縁がなんだと言うのか
「そして、バトンは渡された」(瀬尾まいこ著)を読んだので感想を書く。最近は人に勧められて本を読むことがある。現代の小説はこれまでも好んで読むことはなかったので新鮮だ。
主人公の優子には母が2人、父が3人いる。血縁はもちろん1人ずつ。死別からの再婚離婚を繰り返し、血縁のない両親を持ったり、血縁のない父子家庭となったりと、複雑な家庭環境である。
新し