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『先生がいなくなる』を読んで

PHP新書『先生がいなくなる』を読んだ。

著者は内田良、小室淑恵、田川拓磨、西村祐二。

教員の労働環境が問題視されて長いです。長いと感じています。

引用

 「何もおきないことが大事」であり、だからこそ「念のための業務は優先順位が高い」という構造ができあがる。そのために教員が作る書類の量が増え、ブラック校則でどこまでも自由を規制し、何も起こらないように監視する業務が教員にとって増える一方とな

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【読書感想文】他者を見ないと自分はわからない【動物のことば】

【読書感想文】他者を見ないと自分はわからない【動物のことば】

『動物たちは何をしゃべっているのか?』(山極寿一、鈴木俊貴)を読み終えたので感想を記しておく。

まず、この書籍は、ゆる言語学ラジオで取り上げられていたので知った。水野さんが編集に携わっている。鈴木先生も、ゲストとして登場している。山極先生は、評論の題材になっていた。本書のラストに「環世界」とい語が出てきて初めて気が付いた。確かにどこかで見たことのある名前だと思っていたが、LT1に取り上げられてい

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【読書感想文】教科書のはじめに【京大中年】

【読書感想文】教科書のはじめに【京大中年】

『京大中年』を読んだので、感想を書き残す。

「ロザンの楽屋」というYouTubeチャンネルがある。
漫才コンビのロザンの二人が、楽屋であれやこれや話している。
編集なしの簡素な動画だ。
ただ、さすがは喋りのプロ。ずっと聞いていられる。
視聴していると、いろいろな考え方を教えてくれる。
特に、菅さん。
共感できる部分も多いけれど、この人ほんとうに人の心があるのかと思うこともある。
おもしろい。

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【読書感想文】広がったけど広がりきってない世界【同志少女】2

【読書感想文】広がったけど広がりきってない世界【同志少女】2

『同士少女よ、敵を撃て』を読んだ。考えたことがいくつかあるので、1つくらい書き残しておこうと思っている。というか、その流れで書く2つ目の文章である。

主人公の少女は学校に連れていかれる。それは狙撃兵の養成学校である。ただし、特殊だ。女性のみの少人数。しかもみんな、帰る場所を失っている。似たような境遇の少女である。それをイリーナが連れてきた。

この場で、新しい世界を教えられることになる。村から出

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【読書感想文】戦争との邂逅、被害者としての意識【同志少女】

【読書感想文】戦争との邂逅、被害者としての意識【同志少女】

『同士少女よ、敵を撃て』を読んだ。考えたことがいくつかあるので、1つくらい書き残しておこうと思っている。

主人公が戦争と出会う。物語は悲惨なものだった。まずは平凡な生活。田舎だから世間知らず。よく言えば純朴。外の世界に希望を持ちつつ、狭い世界のなかで完結する人生。その予定だった。

平穏な生活は突如として崩れる。侵略者が現れる。その場に居合わせない幸運を主人公は持ち合わせている。そして生き残る。

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文章術を学んだと思う

文章術を学んだと思う

篠田義明先生の『ビジネス文・論文・レポートの文章術ー明確な文章の書き方 基本ルールー』を読んだので、感想を残しておく。あくまで感想なので、この文章はビジネス文でもなければ、論文でもないし、もちろんレポートでもない。ルールにのっとっていなくても問題ない、という予防線を張っておく。

まずは、この書籍を購入することになった経緯を記しておく。以前から、文章を書くときに大切なことは「1文を短くすること」だ

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わかった気になってしまう

わかった気になってしまう

 辻村深月さんの『かがみの孤城』(上下)を読みましたので、感想を書き残します。ネタバレを含みますので、気になる方は避けてください。

描写で感じたこと 視点は主人公「こころ」のものだった。主人公の年齢に合わせた、心情描写が上手だと感じた。それは、想像しきれないものを恐れたり、考えが破綻していたり、少しこどもっぽいところがある。それを、第三者の視点ではなく、主人公の視点から描写していた。考えてみれば

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そのバトンはイギリス由来

そのバトンはイギリス由来

優子が受け取ったバトン血縁がなんだと言うのか

「そして、バトンは渡された」(瀬尾まいこ著)を読んだので感想を書く。最近は人に勧められて本を読むことがある。現代の小説はこれまでも好んで読むことはなかったので新鮮だ。
 主人公の優子には母が2人、父が3人いる。血縁はもちろん1人ずつ。死別からの再婚離婚を繰り返し、血縁のない両親を持ったり、血縁のない父子家庭となったりと、複雑な家庭環境である。
 新し

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【映画】閃光のハサウェイ【歴史を学べ】

【映画】閃光のハサウェイ【歴史を学べ】

見るまでのこと 映画「閃光のハサウェイ」を見た。日本各地で公開されてから、どこの映画館で見ようかと考えていたのだが、どうにも私の近くには、そのような映画館がなかったので、そのまま見ないでいた。このまま見ないこともありえると思っていたけれど、アマプラで見られるようになったことをどこかで聞いた。

 アマプラで映画を見るようになったのは、コロナによる自粛がきっかけだった。洋画をよく見たと思うが、同時に

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