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■ クリエイティブ ロスの新観点で世界を効率化

クリエイティブ ロスとは?

“フード ロス”という言葉がありますが、
私は“クリエイティブ ロス”というあたらしい観点をつくり、現状起きている勿体無いことを人に説明するために、よく使っています。

“クリエイティブ ロス”とは、『世の中の無駄になってしまっている“クリエイティブ”について見つめ直すという観点』です。


私が考える“クリエイティブ ロス”には、さまざまな種類があります。

たとえば1つは、最近のトピックでもあるAI生成やクラウドアウトソーシングにも大きく関わることで。

私は、技術革新も、あたらしい仕組みやプラットフォームは好きで、とても興味深く、自身のワークフローにも取り入れたいと思っています。
ただ物事は一長一短ですので、たとえば“クリエイティブ ロス”の観点で見てみますと。

<コミュニケーションのロス>

よくあるケースとして。起業のタイミングはイニシャルコストもボリュームが出るもので、コーポレートロゴを一旦簡易的につくるケースも多々見受けられます。そして、その後の企業がある程度成長をしたタイミングに、改めてしっかりとストーリーを見据えたコーポレートロゴをつくり直すというものです。
この場合に、一旦つくったロゴ制作にかかるコスト、それを差し替えた時の名刺や封筒、看板、パッケージなどのツール類のつくり替えのコストもそうですが、
なにより、起業当初から関わるお客さんや協力会社などに対して、本来伝えるべきことのメッセージが乗っていないデザインで、伝えたいことと違うコミュニケーションをずっとし続けてしまうことです。
しかも、初めからのお客さんは、よりコアな大切なファンなので、ここにちゃんとしたメッセージが伝わっていないことは大きなロスと言えます。

このように、分かりやすいところでは、コスト、時間、人、物などの物理的なクリエイティブのロスがあり、
コミュニケーションコストやそれまでにかけた時間といった、一見気付かれづらいロスも存在している
のです。


<コンペティションのロス>

クリエイティブの業界にも、時折コンペティション、相見積もりといった、プロジェクトが始まる前に行われる選定があるケースも見られます。

これは私の仕事の進め方によるものでもありますが、
私自身は、お客さんとプロジェクトの契約をしてから、ヒアリングを丁寧に行い、(作家性を持ってビジュアルをつくるのではなく、)クライアントの方々の想いや考え方の文脈を対話から整理し、ビジュアルに翻訳していきます。

そのようなスタイルでもあるため、まだ知り合う前の人が書いたA4などのコンペ要項の文字からは、ニュアンスや尺度といった想いも分からず、
当然、提案も的を射ているものではないです。

せっかく、丁寧に汲み取ろうと提案をしても、落ちてしまった使われないアイデアやデザインたちは、やはりロスです。
そして、仮にプロジェクトメンバーに選任されても、ここからしっかりとヒアリングをし始め、初めに提案したものから変わっていくことが多く、初めの提案はロスになってしまいます。


<ロスに付随するロス>

他にも、あまり的を射ていないデザインが仮につくられた時に、本質を解決せずに、その良くないものを良く見せるために補足していく説明のスライドや説得、時間もロスです。


使われないものをつくってしまう。
効果のないものをつくってしまう。

このようなクリエイティブ ロスという観点で世の中を見てみると、
たくさんのロスがあるわけですが、
ロスを意識的に考え直し、減らしていく、または意識しているだけで、
かなり効率の良い世界に見えてくる
と思っています。

ロスという観点を、否定の言葉とするわけではなく。
ロスを見つめることで、本当に大切にすべきものを見つめるということを、この言葉できっかけにしたいのです。


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安川 宏輝  ZUAN UNION / 図案連合
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