女性視点で生まれたZIPAIRの新たな取り組み。~誰もが活躍できる社会を目指して~
こんにちは。ZIPAIR note編集部です。
前回、取締役の深田より「2030年1機まるごとSDGsフライト」という目標達成に向けて今後考えていることを少しお話ししました。
今回は、現在ZIPAIRでも取り組みを加速させている「女性活躍推進」について、企業としてどういった点を課題と捉え、どのように向き合おうと考えているのか、3つの事例と共にそれぞれのプロジェクトメンバーに取り組みを通しての気づきや今後の展望などを聞きました。
(1)【桜美林大学での講義】
学生視点から見えた、当たり前ではないこと
皆さん、こんにちは。客室乗務員のAyakaです。乗務するかたわら地上職を兼務しサステナブルチームに所属しています。
ZIPAIRでは「コロナ禍でインターンシップなど企業と関わる機会が減っているなか、学生のために何かできることをしたい」という想いから、2021年から航空業界に興味を持つ桜美林大学の学生の皆さんと共にさまざまな課題解決に取り組んでいます。
今回は「女性活躍推進」をテーマにZIPAIRで実現可能なプロジェクトを考えていただきました。授業の中では個人の持つ能力や経歴などを活かしながらさまざまな分野で働くZIPAIRらしい働き方や、育児経験を経た乗務員の声などをご紹介しました。
今回の「女性活躍推進」というテーマは私たちにとっても非常に難しいテーマでした。また、社会人経験がない学生にとっても、企業でのプロジェクトを女性活躍推進に結び付けて考えることは簡単なことではないと思います。
そのため、今回のプロジェクト内容を企画して学生に説明するにあたって、企業として何かを伝えるよりかは、学生の立場に立ってどうしたらわかりやすく身近に受け取ってもらえるかということを大切にしました。
今回学生の考えたプロジェクトの中で特に心に残ったのは「化粧品の経済的負担」をテーマとした企画です。
特に私たちのようなお客さまの前に立つ職業においては、女性は化粧をすることが当たり前といった風潮があるようにも感じます。また、そんな風潮がある分仕事をする際には毎回化粧をしなければならないため、経済的負担があることも事実です。
そのため、このような切り口に注目した企画は非常に考えさせられました。普段私たちが当たり前に思っていることが、学生からすると新しく、そんな新鮮な視点に私たちも改めて気づかされる部分が多かったです。
また、私たちが「女性活躍推進」の授業を検討するにあたっては、子育てなど女性のライフイベントに関するものに偏ってしまいがちでした。
しかし、学生からの発表では「機内での女性専用シート、お手洗いの導入」「社内コミュニティを作る」などさまざまな方向から新しい企画を考えてくださいました。
実際に働く立場からは見えてこなかったお客さまや学生視点の考え方というのは、今後私たちが社内で何かを企画する際にも大切にすべきであることを改めて考えさせられました。
今後は今回学生から学んだ“多角的な視点”を環境問題にも取り入れ、ZIPAIRの目標である、1機丸ごとSDGsなフライトを実現させたいと思っています!
環境に優しい機内用品、機内でのゴミの分別の徹底など既に取り組んでいることもありますが、まだまだ足りていません。新たな視点を持って目標に向かって一歩一歩取り組んでいきます。
(2)【ZIPAIR×Be-A 生理×未来のお仕事セミナー】
幼い頃から正しい知識を身につけることの大切さ
皆さん、こんにちは。note編集部のRino、Mikiです。客室乗務員として乗務しながら、このZIPAIRのnoteの運営も担当しています。いつもたくさんの「スキ」をありがとうございます!
ZIPAIRは女性活躍推進に向け、2021年にBe-A Japan[*1]と業務提携し、SDGs観点からも注目されているBe-Aの超吸収型サニタリーショーツを機内販売するなど、さまざまな取り組みを行っています。
今回、夏休み子ども特別企画として、Be-A Japanと共にボーイング787型機の機内で、”生理×未来のお仕事セミナー”を開催しました。
今回のセミナーは、小学校高学年から中学生の親子を対象とした、女性の心と身体に関する勉強を組み込んだ航空教室で、10組20名の方にご参加いただきました。
セミナーには客室乗務員、グランドスタッフをはじめ、女性整備士、機内食搭載担当者、男性客室乗務員が参加し、それぞれの仕事の魅力や、働くうえでの女性特有の体調や心の変化と付き合うことの大切さについて語りました。
[今回セミナーを取材して感じたこと]
飛行機を安全に飛ばすためには多くのスタッフが関わっています。オフィスを出てから一日戻れなかったり、お手洗いに行きたいときに行けなかったりすることもあり、そのようななかでもそれぞれが工夫をして女性特有の生理と上手に付き合っていることを知りました。
また、セミナーに参加した子どもたちから「自分たちが大人になる時、女性がもっと働きやすい環境になって欲しいし、自分たちがそういう環境にできればいい」「性別で差別されないような世界になって欲しい」といった声を聞くことができ、ジェンダーレスという枠にとらわれない自由な発想で夢を描く良い機会になったのではないかと思いました。(Rino)
働く女性は皆、女性特有の体調や心の変化と向き合いながら、仕事をしているのだと改めて実感しました。
私自身も前職のグランドスタッフ時代は、空港内のあらゆる場所で仕事をするため、長時間オフィスに戻ることができず、すぐに対処できない難しさを感じながら働いていたこともあり共感する点が多々ありました。
客室乗務員やグランドスタッフは圧倒的に女性の割合が多い職場なので、生理であることを声に出しやすい環境下であると感じますが、グランドハンドリングなど職種によっては女性の割合が1割程度と、まだまだ周囲の理解が少なく、生理であることを言いだしにくい職場環境もあることをセミナーの話を通じて感じました。
また「これまで生理の話は、“人前で話すトピックではない”という雰囲気であったが、そうすると大人になって働くうえで困ることも起きる。そうならないように女性特有の体調の変化について男の子を含めて学んでもらいたい。」と語った、Be-A Japan社の高橋CEOの話を真剣に聞いている参加者の男の子の姿がとても印象的でした。(Miki)
今回のセミナーを通して思ったことは、男女ともに相手を思いやり、お互いが働きやすい環境を作るためには、正しい知識を身につけることが大切だということです。
自分自身の身体や心の変化、上手な付き合い方を幼い頃から知ることで将来への不安が減り、未来に待つ多くの選択肢を知り、なりたい自分を自由に描くことができると思います。
ZIPAIRはこれからも今回のようなセミナーを継続的に開催し、「知る」「考える」「身につける」きっかけ作りに積極的に取り組んでいきたいと思います。
[*1]株式会社Be-A Japanは、「生理であると、忘れられる1日に。」というコンセプトのもと、生理を理由に自分の可能性や願いを諦めなくて良い社会づくりを目指し、製品の開発・販売のみならず、次世代に良いバトンを手渡すための活動を行っています。
(3)【ポピープロジェクト】
目に見えない障がいや病気を抱える方にも安心してご搭乗いただくために
こんにちは。客室乗務員のMikiです。
現在私はSDGsチームの一員として、「ポピープロジェクト」というプロジェクトの実現に向けた取り組みを行っています。
私の取り組みをお話しする前に、突然ですが皆さんは「ひまわりストラップ」をご存じですか?
周囲の理解を得ることが難しい、目に見えない障がいや病気を抱える方を支援するために導入されたもので、ストラップを身につけていただくことで必要な手助けをすることができる、海外の空港を中心に広がっている活動です。(現在では成田空港でも開始しています)
私は前職で外資系エアラインのグランドスタッフをしておりました。ある日、搭乗ゲートでお客さまから「私は自閉症ですが、優先搭乗はできますか?」とご質問をいただいたのですが、その際にお客さまがチェックインカウンターでも同じことをスタッフに伝えていたこと、そして機内でも自分の状況について乗務員に伝えなければならないということに対して不安があることを知り、お客さまから海外では「ひまわりストラップ」というものがあることを教えていただきました。
いろいろ調べていくうちに「ひまわりストラップ」の取り組みに感銘を受け、ZIPAIRでも必要なサービスであると考え、会社に提案をしたのがプロジェクトの始まりです。
「ポピープロジェクト」という名前は、ポピーが持つ花言葉である“いたわり”と“優しさ”がこのサービスの提供を目指した根本だと考え、私が名付けました。
まず初めに取り組んだことは、客室乗務員の必携品であるiPadへの筆談アプリ導入です。検討するにあたり筆談道具を機内搭載することも考えましたが、現在ある物を有効に活用したいという強い思いもありましたので、全客室乗務員のiPadに導入することを提案し、筆談が必要なお客さまに対し事前情報がなくても誰もが筆談対応できるようになりました。
目先の目標は、手話を必要とされる方や言語による理解が難しい方、またお子さまのお世話が必要な方など、十分に理解することが困難な方々が、ご自身のタイミングや環境でいつでもご覧いただけるための映像を作成することです。
まだまだ始めたばかりのプロジェクトのため、課題も多くありますが、私にはこのプロジェクトに共感してくれる多くの仲間がいます。
頼もしい仲間と一緒に、誰でも簡単にできることから取り組んでいきたいと思います。お客さまに安心してご搭乗いただけるよう、これからもいろいろなことにチャレンジしていきます。