良药苦口ーー愛情のこもったお叱りを受けられることは、大人の宝物
(1109字・この記事を読む所要時間:約3分 ※1分あたり400字で計算)
【良药苦口】
ピンイン:liáng yào kǔ kǒu
意味:良薬は口に苦し。良い忠告は耳が痛いが、為になる。
『愛情のこもったお叱りを受けられることは、大人の宝物』
会社ですごく優しくしてくれる先輩がいる。
よくランチをおごってくれて、出張に出かけた際の昼食時間は隙さえあればオススメの店に連れて行ってくれる。もちろんこれもおごりだ。
仕事中でさえこっそりとお菓子を渡してくる。
お喋りが大好きで、私の前では良くカラカラと笑いながら楽しい話をたくさんしてくれる。
自分の趣味や家族のことなどもいっぱい教えてくれる。
多分、私は先輩に気が合うと思われているからかもしれない。
同時に、先輩はすごく厳しい。
仕事のミスはもちろん、マナー的によろしくないことをしてしまった場合も、包み隠さずガツンと叱ってくる。
直接話すと気まずい時は、長文のメッセージを送って諭してくれる。
何がまずかったのか、どう改善すれば良いのか、これらを事細かく説明してくる。
そんな先輩はちょっぴり怖い。
でも私が「申し訳ございませんでした」と謝ると、すぐまたいつもの優しさが戻る。
「厳しく言い過ぎたかも」と、またご飯に連れて行ってくれる。
これも多分、私は先輩に気が合うと思われているからかもしれない。
不思議と厳しく指摘されても、あまり嫌だとは思わないのだ。
傍から見ればくどいような説教でも、何故か「ふむふむ」と聞き入ってしまう。なるほど一理あるな、そうなんだなと、思わず頷いてしまう。
なかなかこんなことは無いと思う。
口答えして終わるとか、うわべではいはい言いつつも、心の中では全く認めていないとか。
とにかくここまで心地よくお叱りを受け入れられるなんて、滅多に無い気がする。
だから多分、私は先輩とは確かに気が合うのだ。
大人になると、きちんと叱ってくれる人はあまりいない。
誰も「悪者」になりたくないので、波風を立てずに流してしまうことが多い。
その結果、一方はストレスがどんどん溜まり、もう一方は何故相手がいつもイライラしているのか分からないまま、どんどんこじれていく。
自分の過ちを認知するチャンスも、どんどん逃していく。
もちろんその分、人生損する。
ある程度愛情の基礎が育っていない両者だと、叱る側も負担だし、叱られる側も負担なのだ。
仲がそれほど親密でない状態で指摘をしても的確で無いことが多い。そんな訳分からない指摘を受けたら、誰だって思わず反発したくなるだろう。
実に恵まれていると思った。
大人になっても、まだ愛情のこもったお叱りをもらえるなんて、本当に有難いことなのだ。
ある程度年を取ると、こういったお叱りを受けている時にこそ「見捨てられていない」、「気にかけてもらえる」と嬉しく思うようになるものだ。
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