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人贵自立ーー孤独力を高めると、人間関係も改善される

(2528字・この記事を読む所要時間:約6分 ※1分あたり400字で計算)

【人贵自立】

ピンイン:rén guì zì lì
意味:他人に頼らず自立して生活出来るのは素晴らしいということ。

『孤独力を高めると、人間関係も改善される』

 パンパカパーン。

 貴方のレベルがアップしました。

 【孤独力Lv.51】

 スキル「寂しさ耐性」レベルアップ Lv.33↑
 スキル「自律の意志」レベルアップ Lv.42↑
 スキル「距離感測定」レベルアップ Lv.29↑

……


 ーーな~んてことを考えながら、今日も私は一人でパソコンに向かっている。

 淡々とデータ入力。
 小音量で音楽をかけるもかえって虚しく、時折それを紛らわすかのように「ッターン!」とEnterキーを強く叩く。

 洗面台の蛇口から「ポトン」と水滴が落ちる。
 「ブーン」と唸る冷蔵庫のモーター音。
 近所の小学校はもう下校時間なのか、遠くから子供達の笑い声、弾む足音が広がってくる。

・Out of side, out of mind(去る者は日々に疎し)

 某ウイルスが猛威を振るう現代。

 感染拡大防止の為、行きたい所に行けず会いたい人にも会えず、「ひとりぼっち」という状態に軟禁されてはや2年。

 最初は「実際に会えなくてもチャットで繋がっていようね」、「時々電話かけるよ!」と言ってくれた友人も、徐々に連絡が絶えていった。
 今や「電話しない?」と聞いても「忙しいから」と断られる(そして私は、大人の代案無き「忙しいから」は「貴方にそれ程興味ありません」とイコールしていることを知っている)。

 かろうじて続いたチャットも、しまいには話題が段々と枯れた。
 スマホ通知がほとんど広告メールかシステムのお知らせになってしまった。


 英語に「Out of side, out of mind(去る者は日々に疎し)」という言葉があるが、その通りだ。
 現実につながりを持たない人間関係なんて長続きする訳がない。

 日々の生活の中で自然と関わることが出来る間柄でないと、仲良くなることなんて無理なのである。
 そんな状態で無理矢理会話を続けてもお互いに負担になるだけだ。

 なので、私もきっぱり連絡するのをやめた。
 偽りの仲良さで繋がりを維持するぐらいなら、いっそのこと一人になろうと清々しく割り切ることにしたのだ。


 それでもやっぱり、寂しいものは寂しい。

 もちろん昔だって一人でいなきゃいけない時間はあったが、こう選択権がなく半強制的に一人にされるとはわけが違う。

 嫌でもジワジワと心を蝕んでくる寂しさと向き合わなければならない。
 それがたまらなく苦痛なのだ。

・「孤独力」との出会い

 そんな中ある日、ダラダラとネットサーフィンしていたところ、このようなキーワードが目に飛び込んできた。


 「孤独力」


 最初は「孤独に対する忍耐力のことかな」と思っていたが、「孤独力」の境地はこれを遙かに越えていた。


 そもそも孤独力が高い人は、孤独を「耐える」必要でさえない。
 「寂しい」とさえも感じない。

 むしろ孤独でいることを楽しんでいて、100%自分の為だけに使える時間をフルに利用し自己啓発に励み、読書したり勉強したりと充実に過ごしているようだ。


 「これだ!」と思った。

 どうせ自分ではどうしようもできない状況だ。
 ならば逆手に取って、これを「孤独力」を鍛えるチャンスにしようと、心に決めた。


 そうとくればまずは「孤独力」についてちゃんと知ろうということで、早速何冊かの本を図書館で借りてきた。

・『孤独のチカラ』
・『「孤独の力」を抱きしめて』
・『「孤独力」で"ひとりがつらい"が楽になる』
・『孤独と不安のレッスン』
・『「孤独」のちから』

……

 あらすじを全冊まとめると長くなってしまうのでここでは割愛するが、一冊一冊読み進めていくうちに、私は一つの大きな悟りを得た。

★『孤独』は本来人があるべき状態★


 即ち、人間は皆生まれつき「孤独」という属性を持っていて、それが一つの自然体でもあるということ。

 通常それを感じないのは仕事や学業、人間関係などに忙しく気が紛れているからであり、それでも「孤独」は常に心に潜んでいる

 周りの刺激が薄れ、或いは刺激に目を向ける気力が弱まると、「孤独」をふっと強く感じるようになる。
 これがまさに「寂しさ」の正体なのだ。


 現代人はテレビやスマートフォン、ゲームやインターネットで四六時中他人と繋がりっぱなしだ。
 そのせいで、「他人から独立した、自分という『個体』だけとして存在する」ことに慣れていない。

 だから具合が悪くなってしまう。
 不安になってしまう。
 怖くなる、居ても立っても居られなくなる。

 しまいには、「孤独=悪」という考えまで生み出してしまう。

・「孤独力」が無いから、人間関係が悪くなる

 そういえば、私は人間関係の距離感の測り方が下手でよく嫌われたりしたが、それも実は「孤独力」が足りなかったからだということが分かった。

 距離感の詰め過ぎの根本にあるのは、「一人になるのが怖い」だ。

 大好きな友達に嫌われたらどうしようとか、相手がどこかに行ってしまうのではないかといった心配がエスカレートして、つい距離をグイグイ詰め過ぎてしまう。
 何とかもっと気に入られようとあれこれ媚びているうちに挙動不審になってしまい、気持ち悪がられてしまう。


 でも「孤独力」を持っていると、こういった問題が一切無くなる。


 まず、一人になるのを恐れなくなるので、自然体でいられる。

 「来る人拒まず去る人追わず」と思えるようになり、誰かが側にいてくれるのはもちろん嬉しいが、そうでなくても一人でごきげんに過ごせる。

 「好かれなきゃ!」といった余分なプレッシャーも無い為、

 「この人とは同僚としては関係良好だけど、プライベートの付き合いはまだ早いかも」
 「比較的腹を割って話せる仲だけど、もう一歩踏み込んだ話題を言えるほどじゃないかな」
 「最近相手は自分と離れたがっているみたい、話すのはよそう」

と、冷静に一人一人との仲良し度合いが判断出来るようになる。

 無理して仲良くなることをしないので、その時その時の関係具合で柔軟に距離の調整が出来る。


 そうしていくうちに、いつしかありのままの自分を気に入ってくれる人だけに囲まれる。

 「孤独力」は、人間関係の改善にも大いに役立つのだ。


 パンパカパーン。

 貴方のレベルがアップしました。

 【孤独力Lv.52】

 スキル「寂しさ耐性」レベルアップ Lv.35↑
 スキル「自律の意志」レベルアップ Lv.43↑
 スキル「距離感測定」レベルアップ Lv.31↑

 新スキル「ジブンの歩み」を習得。

……


 今日も私はどんどん強くなっている。

 「ひとりぼっち」という軟禁状態が終わる頃には、きっと生まれ変わった姿になっているだろう。


 楽しみだ。

📚「友達いっぱい作ろう」より、「孤独力をつけよう」を教育現場に取り入れるべき


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