歪打正着ーー「世界名作童話」シリーズがくれた整理整頓の習慣
(1240字・この記事を読む所要時間:約3分 ※1分あたり400字で計算)
【歪打正着】
ピンイン:wāi dǎ zhèng zháo
意味:適切で無い方法を使ったはずが、意外と満足いく結果を得たということ。
『「世界名作童話」シリーズがくれた整理整頓の習慣』
私は割ときれい好きな方だ。
定期的に身の回りを整理整頓するし、ほぼ全ての持ち物にそれぞれの置き場所を決めている。
且つ、ミニマリストまではいかないがあまりモノを所有するのが好きでは無いので、家の中もスッキリとしている。
あまり「片付けなさい」と叱られたこともない。
親自身、そんなに片付けが得意で無かったのもあるが、とにかく私の整理整頓の習慣は誰かに教わって身に付けたものではないという自覚はある。
しかも整理整頓を始めたきっかけはちゃあんと覚えているのだ。
遠い昔の出来事で、何故未だにこれを鮮明に覚えているのかは分からないが、私は間違い無くあの日から整理整頓に目覚めたのだと確信している。
小学1年生の頃。
特にやりたいことも無く、床に寝転がりぼーっとしていた、ある週末の午後。
つまらなく部屋に置かれている家具をひたすら順次眺めていると、本棚に積み重ねた「世界名作童話」シリーズが目に入った。
分厚くて重くて、字が小さく挿絵も少なかったので、早々に読むのを諦めていた(親はどうして、こういう本ばかりを子供に買いたがるのか)。
加えてやたらと巻数が多いので邪魔でしかなく、時折おままごと用に「テーブル」としてだの、積木遊び用に「レンガ」としてだのといった使い方しかしていなかった。
もはやもう本では無く、小道具である。
当時の私は、算数の授業で数字の読み方を覚えたばかりだった。
「世界名作童話」シリーズの背表紙に13、5、1、15……と、数字が書かれていたことにようやく気付けたものそのおかげで、数字順に目を泳がせてたどってみると、この本達はどうやら順番通りに並べられていないことに気付いた。
さて、どうせ暇なのである。
ついでに算数の授業のおさらいともなるだろうと思ったのか。
私は「世界名作童話」シリーズの全巻を全て本棚から引っ張り出した。
そして、背表紙の数字がちゃんと「1」から始まり、最終巻まで小さい順になるよう並び替えを始めたのだ。
先ほども触れたように、「世界名作童話」シリーズは分厚くて重くて、加えてやたらと巻数が多かった。
なので、ようやく並び終えた頃はもう汗だくだ。
ヘトヘトで座り込んでしまったが、
・数字通りに並べられたこと
・乱雑だった本棚がビシッと整ったこと
に達成感を覚えた。
味を占めた私は、あれから漫画や文房具やおもちゃにも手を出し、
日によっては「大きさ順」「色合い順」「あいうえお順」など、様々なパターンを変えて持ち物の整理整頓を楽しむようになったのだった。
そして分厚くて重くて、やたらと巻数が多かった「世界名作童話」シリーズは、その後二度と本棚から出すことは無かった。
とうとう、私は「世界名作童話」シリーズに何が書かれているのかを知れず、大人になってしまった。
「世界名作童話」シリーズがくれた整理整頓の習慣だけが、今でもしっかりと続いている。
📚子供の頃の癖、結構大人まで残ったりする
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