故步自封ーー現状維持は、安定の大敵だ
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【故步自封】
ピンイン:gù bù zì fēng
意味:現状に満足し、全く進歩しないこと。自ら限界を決めてしまうこと。
『現状維持は、安定の大敵だ』
所謂「安定な暮らし」というのは、どういうものだろうか。
パッと思い浮かぶのは、ある決まりきった生活を長年送り続けることが出来ること。
今ある暮らしのパターンが、脅かされることなく落ち着いて維持していけることだ。
人というのは変化に弱く、親しんだ環境が変わってしまうことに大きな不安を感じる。
多くの人が、安心感に浸れるような、大した変化が無い日々を過ごせたらと期待する。
一度土台を決めてしまえば、後はその延長線でゆったりと進められる。
誰もがそういった日々を理想としている。
故に、「安定」と聞いたら、つい「不動」とイコールしてしまうのもそのせいなのだ。
「この幸せがずっと続いたら良いのに」というセリフの通りだ。
未来は読めない。けれども、少なくとも今ある穏やかな日々が大きく形を変えないようにと、つい守っていきたくなるものである。
「安定」の一言には、このような願いも切実に込められている。
だからずっとある状態ままでいたいのだーー
同じ家に住み、同じタイムスケジュールをこなし、
同じ職場に勤め、同じ人間関係の中で交わる。
来る日も来る日も。
明日も明後日も、来年も、これから先も。
置かれている環境。
それ自体に固執さえしていれば、幸せなのだと、安定なのだと。
だけど現実はそう甘くは無い。
一時は安定しているように見えたとしても、固執しているその小さな環境の外側では、世の中が、大きな環境が目まぐるしく変わり続けているのだ。
世界の流れは、いつか必ずその小さな環境にも影響を及ぼす。
それに気付けないまま、今ある暮らしに固執すればするほど錯覚から抜け出せなくなってしまう。
そして世間の荒波が押し寄せてきた際に、手も足も出ないまま「安定」が一気に崩れ落ちてしまうのだ。
仮にそこまででなくても、人間も、人の心も時々刻々と変わっているもの。
過度な現状維持で保たれた今の暮らしのままでは、かつてと同様の満足を感じることは出来まい。
どこかで必ずマンネリ化の壁にぶち当たる。
日々の味気の無さに心が壊れそうになる。
これは果たして「安定」を言えるのだろうか?
「安定」を通して守りたいもの。
それは結局、環境そのものではなく「心の豊かさ」だ。
今ある暮らしの満足感を長い目で見て、今後も維持出来るか、どう維持していけるかを考えられる。
世の中が、大きな環境が変わっても、それに合わせて柔軟に変化に対応し、積極的に置かれた小さな環境を調整出来る。
場合によっては今ある環境を揺さぶり、思い切って別世界に飛び込める。
そんな判断力と勇気を持てることが本当の安定につながる。
この世に絶対な「現状維持」は無い。
現状維持しているつもりだとしても、世間の動きは見逃してくれない。
受動的に願っていない方向にどんどん流されるだけだ。
「安定」とは「不動」ではない。
暮らしの温度が生ぬるくなり心の豊かさが失ってしまわないよう、常にアンテナをはり、
いつでもパッと新しい環境に飛び込める動態的な姿勢でいなければならない。
動き続けよう。
リアルタイムで心がときめく方向に、どんどん突き進んでいこう。
環境に流されることのない、本当の安定ーー安泰を手に入れよう。
📚幸せの形も、人生の異なるステージで違ってくる
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