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彼女は私、見てみぬふりをしてごめん。

私はその辛さを、しんどさを知ってるはずなのになにも言えないのが苦しい。食べることが大好きだった彼女、もがいてもいつも頑張ろうとしてた彼女に異変があったのは知ってたはずだった。知っていて見ないふりをしていた私にはこれを書く資格さえないのだと思う。

2020年のはじめ、私は大好きだった食べることがしんどくて、一日のほとんどをベッドで過ごしてた。

私と入れ違いで異動した彼女は、新天地と相性がよくて生き生きしてるように見えた。なんなら自分はこんな状態なのに…と嫉妬するくらいに。

届いた夜中の1通のメール。
何気ない業務メールだったけど、その時間に送られることがSOSなのではないかと言われてはじめて行動にした。自分のことに精一杯で、人の話を聞いたら飲み込まれそうな気がして、動けなかった自分に目をつむって。

彼女はいつも「大丈夫」「私が足りないから」というのが口癖で。もしかしたらそんなことにさえ私自身は優位を感じていたのかもしれない。最低だ。

電話する?
___いいの?

はじめて答えてもらった気がした。正直人の話にきちんと向き合えるほど強くはなってなかったけど、結果的には話をさせてあげられて良かったと思う。

「人に話したら自分がストレス感じてて、しんどいってことに気がついた。」つい何ヵ月か前の自分と同じことを言って、泣きそうに笑う姿はまるで自分だった。「ベッドにいることが情けなくて、ごはんも美味しくなくて、仕事がしんどくて離れたい。」

あぁ、彼女は私だ。

その気持ちがわかってたはずなのに。「うんうん」としか言えなかったけど、最後に彼女は「本当にありがとう。」と言った。そうか、あれはやっぱりSOSだったんだ、連絡して良かった。

少しでいいから今より自分を守れる環境に、距離をおいて自分を責めない時間ができますように。私のように生きていながらただ生きているあの3ヶ月にならないようにと願いつつ、私はまた話を聞くだろう。

日本を飛び出した私たちは、誰に相談をしたらいいのだろう。誰に話せば心配をかけないんだろう、忙しくないのに忙しいギャップに耐えられるんだろう。耐えずに言いたいときに話を聞いてあげられるそんな存在でありたいと思った。

頑張らんでいいから、また一緒の場所で会おう。いつでも付き合うよ。

- Fin -

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