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映画感想2020

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#相互理解

映画感想『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』

映画感想『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』

原題「The Peanut Butter Falcon」

お涙頂戴じゃなく、ダウン症のザックの人生に寄り添った程良い体温を感じる作品だった。人間なんて何かしら裏面を抱えてて真っ新なまま生きてる奴なんて居ない。寧ろこのザックの素直さや正直さに周りが癒されて観客はその姿に魅せられる。

全ての事は【一つの型】には嵌められない。
人は一人一人それぞれの価値観や存在意義を見出しながら生きている。
もし自

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映画感想『ダンサー そして私たちは踊った』

映画感想『ダンサー そして私たちは踊った』

原題『喬 და ჩვენ ვიცეკვეთ, Da chven vitsek'vet/英 And Then We Danced』

舞台はジョージア。かつて日本ではグルジアと呼ばれた国。
まだまだ古典的な価値観が根強く、伝統を重んじる国立舞踏団で主人公メラブは自分の踊りに「男らしさ」を強いられる。それはダンスにだけでは無くまるで【多様】と言う時代から取り残された様にも見える。

これがね、ホントに

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『レ・ミゼラブル』 

『レ・ミゼラブル』 

原題「Les miserables」

◆あらすじ◆
パリ郊外に位置するモンフェルメイユの警察署。地方出身のステファンが犯罪防止班に新しく加わることとなった。知的で自制心のあるステファンは、未成年に対して粗暴な言動をとる気性の荒いクリス、警官である自分の力を信じて疑わないグワダとともにパトロールを開始する。そんな中、ステファンたちは複数のグループが緊張関係にあることを察知するが、イッサという名の少

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『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』 

『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』 

原題「The Death & Life of John F. Donovan」

◆あらすじ◆
アメリカの人気俳優ジョン・F・ドノヴァンがこの世を去ってから10年。1人の新人俳優ルバートが、少年時代に交わしていたドノヴァンとの文通を公開する。やがてルバートは、そのときの記憶を回想してドノヴァンの死の真相を明かしていく。

この監督の作品はどうも相性が悪いと言うかいつもあまり惹かれないので観る気が無

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『PSYCHO-PASS サイコパス3 FIRST INSPECTOR』

『PSYCHO-PASS サイコパス3 FIRST INSPECTOR』

◆あらすじ◆
2120年、東京。公安局刑事課一係を率いて事件を解決してきた監視官の慎導灼と炯・ミハイル・イグナトフは、幾多の事件を捜査していくなかで真実と正義をめぐり決裂してしまう。そして。それらの事件の裏で暗躍する梓澤廣一は、ついに刑事課そのものを標的に公安局ビルを襲撃。公安局刑事課一係は窮地に立たされる。

面白かった!

TVシリーズ3期の最後で「結末は劇場版で!」ってなった時は「う~焦らす

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『SKIN/スキン』

『SKIN/スキン』

原題「SKIN」

◆あらすじ◆
10代で親に見捨てられ、白人至上主義者グループのリーダー、クレーガーとシャリーンに実の子のように育てられたブライオン・ワイドナー。今やグループの幹部となり、全身に差別的なタトゥーを刻み込む筋金入りのレイシストとなっていた。そんな中、3人の幼い娘を育てるシングルマザーのジュリーと出会ったことで、次第にグループからの脱退を考えるようになる。しかしグループは脱会を認めず

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『カセットテープ・ダイアリーズ』

『カセットテープ・ダイアリーズ』

原題「BLINDED BY THE LIGHT」

◆あらすじ◆
イギリスの田舎町でパキスタン移民の家庭に暮らす16歳の少年ジャベド。音楽と詩を書くのが好きな彼だったが、外では移民へのいわれなき差別や偏見に晒され、家では厳格な父親からの理不尽とも思える抑圧に苦しめられる日々を送っていた。鬱屈を抱え、いら立ちを募らせていたある日、ジャベドはアメリカのロック・スター、ブルース・スプリングスティーンの

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映画感想『WAVES/ウェイブス』

映画感想『WAVES/ウェイブス』

原題「WAVES」

とにかく冒頭からビックリしたのはあのぐるぐる巻きなカメラ演出だなぁ。

この作品は特にカメラアングルとレンズフレアが印象的で「青春真っ只中の【目まぐるしい若さの行動リズム】をこんな風に演出するんだなぁ」って凄く感心させられた。
その映像を更に鮮明に色付ける30曲以上のサウンド♫
どうやら【プレイリスト映画】なんて言われてるみたいでカッコイイ!

で、次に思ったのは・・・あの厳

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映画感想『パブリック 図書館の奇跡』

映画感想『パブリック 図書館の奇跡』

原題「THE PUBLIC」

内容は、大寒波で凍死するホームレスが後を絶たない背景から行政や国に抗議を齎すと言う重そうな背景なのだがエミリオ・エステヴェス監督が打ち出したのはコメディとも言えるハートウォームな演出だった。
その効果もありアメリカに於ける民主主義や報道態勢に対する市民の怒りや抗議がとても解り易く描かれてる。

それでも直ぐに引き込まれる登場人物達の描き方が良い。

アメリカが抱える

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映画感想『青くて、痛くて、脆い』

映画感想『青くて、痛くて、脆い』

◆あらすじ◆
コミュニケーションが苦手で、他人と距離を置いて生きてきた大学生の田端楓は、人目を気にせず理想を追い求めるあまり周囲から浮きまくっている秋好寿乃と出会い、自分とは対照的な存在と用心していたはずが、思いがけず距離が縮まっていく。やがて2人は世界を良くするという大きな理想を掲げ、"モアイ"という秘密結社サークルを立ち上げる。時が経ち、すでに秋好は楓の前から姿を消し、モアイはチャラいだけの就

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映画感想『2分の1の魔法』 吹替

映画感想『2分の1の魔法』 吹替

原題「ONWARD」

◆あらすじ◆
魔法が消えかけた世界に暮らす少年イアン。引っ込み思案で何事にも自信を持てずにいた彼は、16歳の誕生日にあるプレゼントを受け取る。それは、イアンが生まれる前に他界した父が、16歳になったら渡してくれと母に託した魔法の杖だった。さっそくイアンは一目会いたいと願っていた父を復活させようとするが、魔法は半分しか成功せず、甦ったのは父の両足だけだった。そこでイアンは陽気

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映画感想『スペシャルズ! ~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~』

映画感想『スペシャルズ! ~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~』

原題「仏HORS NORMES / 英THE SPECIALS」

◆あらすじ◆
自閉症の子どもたちをケアする団体"正義の声"を運営するブリュノ。電車の非常ベルをすぐに鳴らしてしまうジョゼフや、重度の症状ゆえに6ヵ所の施設で受け入れを断られたヴァランタンをはじめ、様々な問題を抱えた子どもたちの対応に追われる忙しい日々を送りながらも、"何とかする"の心意気で誰一人として見捨てない施設運営を貫いていた

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映画感想『mid90s ミッドナインティーズ』

映画感想『mid90s ミッドナインティーズ』

原題「MID90S」

◆あらすじ◆
90年代半ばのロサンジェルス。兄と母との3人暮らしの13歳の少年スティーヴィー。体が小さい彼は暴力的な兄に怯えて暮らす日々。ある日、街のスケートボード・ショップで、店に出入りする年上の少年たちと知り合う。スケボーの腕前もさることながら、悪いことも平気でする自由な姿に憧れを抱き、彼らの仲間に入れてもらうスティーヴィーだったが…。

俳優として知られるジョナ・ヒル

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映画感想『窮鼠はチーズの夢を見る』

映画感想『窮鼠はチーズの夢を見る』

◆あらすじ◆
優柔不断で流されやすい大伴恭一は、昔から受け身の恋愛ばかりを繰り返し、今も女性から言い寄られるままに不倫を重ねていた。そんなある日、大学の後輩の今ヶ瀬渉と7年ぶりの再会を果たす。すると秘かに恭一のことを想い続けていた今ヶ瀬は、不倫の証拠をちらつかせながら関係を迫るのだった。やがて、そんな今ヶ瀬のペースに流されるまま、いつの間にか一緒に暮らすようになる恭一だったが…。

元々はBLコミ

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