映画感想『mid90s ミッドナインティーズ』
原題「MID90S」
◆あらすじ◆
90年代半ばのロサンジェルス。兄と母との3人暮らしの13歳の少年スティーヴィー。体が小さい彼は暴力的な兄に怯えて暮らす日々。ある日、街のスケートボード・ショップで、店に出入りする年上の少年たちと知り合う。スケボーの腕前もさることながら、悪いことも平気でする自由な姿に憧れを抱き、彼らの仲間に入れてもらうスティーヴィーだったが…。
俳優として知られるジョナ・ヒルがA24と組んだ初監督長編デヴュー作にして半自伝映画。
あのコメディ感満載で演じてる彼がこんなティーン時代を経験してたなんて…結構入り込んで鑑賞出来たわ。
10代の頃って何に対して不機嫌になったり怒ったりしてたんだろう?
自分の主張したい事はあってもそれをどう吐き出せばイイのか手段を知らない事への苛立ちなのだろうか?
家族関係、性、仲間、悪さ等その歳のその瞬間を切り取った等身大な描き方に見入ってしまった。
先ず、兄イアンとの関係性。
こっそり兄ちゃんの部屋へ入ってはそれがバレてこっ酷く叩かれたりするんだけど、でも年上の人の持つ世界への憧れが止まらない13歳。
でも、兄もまた思春期で自分の世界を誰にも立ち入って欲しくないんだよね。
そんな兄弟のバッドコミュニケーションからスタートするんだが、それ故スティーヴィは兄では無い兄に近い歳の連中に近づいて行く。
スケートボード🛹と言うツールと持ち前の素直さで彼らに受け入れてもらえたスティーヴィはその小さなコミュニティの中で様々な事を経験し学んで行く。
彼等は同じ様に見えても将来を見据える視点がそれぞれ違ったり、育つ環境、人種、考え方も全く違っていた。
そんな13歳のスティーヴィーがボード仲間との交流を通して大人への憧れや巣立ちの第一歩を踏み出す姿を描く良作。
主演の彼等はプロボーダーなだけにスケボーシーンは見応えありあり!
2020/09/19