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2023年4月〜 とある民間企業に就職した私が、私であることを手触り感を持って確かめるための営み。
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#短歌

【キー28】短歌ー日常世界からの脱線

【キー28】短歌ー日常世界からの脱線

我々が普段「日常」と呼ぶものは、定型化・標準化された体験の繰り返しのことで、だからこそ高級ホテルに泊まるとかアーティストのライブに行くとか海外旅行に行くとか、何にせよ比較的珍しい特別な体験を我々は「非日常」と呼ぶ。

ここでいう「非日常」は、「日常」の対義語として、つまり、今日や明日や来週も続いていくであろう日常生活(朝起きてニュースをみながら歯磨きをして、家を出て最初の角を右に曲がって、〇〇駅の

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【キー21】短歌ーコンビニ人間

【キー21】短歌ーコンビニ人間

2024年になると僕は直ちに24歳になる。24歳人間。
24といえばコンビニ。
今年の僕はコンビニ人間。

コンビニは何でもそろっている。だからといってコンビニ全てが同じ商品ラインナップじゃないのが面白いところだ。ブランド/地域/店舗/によって個性があって、例えば、みなとみらいにある「セブンイレブン ハンマーヘッド店」には世界各地のビールが揃っておりクラフトビールのカラフルな缶模様が壁いっぱいに並

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【キー20】奇妙で平凡な日々

【キー20】奇妙で平凡な日々

今朝も山手線は大混雑で、ホームでまつ人々はとても全員乗り切れそうにない。しかたない。次の一本をまつしかないか。
ところがどうも様子がおかしい。間髪入れずにくるはずの山手線がなかなか来ない。あたりがすこし騒がしいので、何かあったのかとイヤフォンを外す。

なにか妙じゃないか。録音の声でまわっている駅は通常営業で電車がすぐにやってくる。ところが駅員の声がするということは「なにかが起きている」のだ。きっ

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【キー18】短歌ータバコ

【キー18】短歌ータバコ

ずいぶん昔にもらったリクエストにお応えして、煙草が登場する短歌をいくつか集めました。

この一首が持っているのはどんな「おしまひ」だろうか。

前情報無しにこの短歌だけバッと目の前に出されてまず思うのは、この短歌は逢坂さんの人生のいつの時期の短歌だろう。ということ。
正確にはこの「おしまひだ」の感情の持ち主が逢坂自身である保証はないのだが、ここでは煙草を吸つておしまひだと思っているのは逢坂さん本人

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【キー16】短歌ー監視カメラを見るのが好き

【キー16】短歌ー監視カメラを見るのが好き

生活で、「おもしろ」の価値が大きいことにうんざりすることがある。

誰々は飲んでも面白くないから誘わない。とか、誰々はイケメンで十分モテるから面白くなる努力をしてこなかった。とか。

「おもしろくない」のジャッジを下されることが、人との関わりで必要以上に深刻な影響を及ぼしているような気がする。

そして僕は面白くない側の人間であるというコンプレックスがたぶんある。何十分も話がノンストップということ

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【キー15】短歌ーまだ夏

【キー15】短歌ーまだ夏

この冬はクソ来る あの秋は何度も来る だけどこの夏は一度しかないのさ!!

夏はだるい海!山!家族旅行!というのだけが夏休みじゃなくて、やっぱり「休み」なんだから家から一歩も出ずにダラダラするのも夏休みじゃないか。という主張もある訳で。夏のだるさを描いた一首からスタート。

僕は普段テレビを全く見ないんだけど、甲子園と箱根駅伝はなんとなく見てしまう。「暑いのに/寒いのによくやるよね〜」とか好き勝手

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