二十歳のころ 第四十六章
いつになればダーウィンに辿り着くことができるのだろう。いやもういつ辿り着くことなどはどうでもいいことなのかもしれない。会話するのも元気よく振舞うのもそんな余分な力は自分には残っていない。体力を消耗しないように必要なこと以外は何もしないほうがいいのかもしれない。もう先のことをあれこれ考えるのはよそう。ここまで来ちゃってどうしようもないのだから。だけどこれが本当のヨットの航海なのだ。自然と自分との持久戦だ。正直きついよ。
外洋の航海が終わりディメングルフに入るとようやくダーウィン