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エドマンド・グールディング監督『グランド・ホテル』ホテルに集った人々の群像劇



<作品情報>

1本立てで主演映画を作り得るスターを5名集めたキャストの贅沢さで空前のセンセーションを惹き起こした映画で、ヴィッキ・バウム作の同名の小説を女史自ら劇化したものを映画化したもの。ただしこの映画直接の扮本はウィリアム・A・ドレイク翻案の米国における舞台脚本で、監督には「月世界征服(1931)」「夜の天使」のエドモンド・グールディングが当たり、カメラは「お気に召すまま(1932)」「摩天楼の狼」のウィリアム・ダニエルスの担任である。主要俳優は「お気に召すまま(1932)」のグレタ・ガルボ、「雨」「蜃気楼の女」のジョーン・クローフォード、「チャンプ(1931)」「肉体」のウォーレス・ビアリー、「アルセーヌ・ルパン」のジョン・バリモアおよび「男子戦はざる可らず」のルイス・ストーン、「ビール万歳」のジーン・ハーショルト、この他バーネル・ブラット、ロバート・マクウェード、モーガン・ウォーレス、タリー・マーシャル、フェルディナンド・ゴットシャルク等も出演している。

1932年製作/112分/アメリカ
原題:Grand Hotel
配給:MGM支社
劇場公開日:1933年10月5日

https://eiga.com/movie/44023/

<作品評価>

70点(100点満点)
オススメ度 ★★★☆☆

<短評>

おいしい水
「グランドホテル」形式と一種の型になるだけあってなかなか面白かったです。男爵が可哀想でしたし、クリンゲラインとフレムヒェンのシーンは泣きました。起こっているのは悲劇ですが、グランドホテルの物語はまだまだ続く、という感じで爽やかに終わるのがいいですよね。

吉原
偶々、そこに居合わせた人々の動きが同時進行で描かれるというスタイルで描かれることの面白さは勿論ですが、あんなにごちゃごちゃした展開の結果起きた出来事もホテルとしては一つの歴史にしかすぎないという清々しい結論がすごく好きでした。教訓って訳じゃないけど、ハービー・デントみたいな医者のラストの言葉がグッときた。
また、本作で非常に印象的な女性を演じているグレタ・ガルボとジョーン・クロフォードが同じシーンで登場しないというところがすごく気になったけど、Wikiの情報によるとギャラの問題からお互いに牽制し合っていたらしい。こういうところも昔のハリウッド感満載だよなぁ…
もう100年近く前の映画で、場面場面の繋ぎは今の映画に比べると多少荒さを感じましたが、内容的にも、一つの映画の形態のオリジナルとしても非常に面白く観る価値のある作品でした。

<おわりに>

 一つの型になったハリウッド豪華キャストによる群像劇です。今観てもしっかり面白いのがすごいですよね。

<私たちについて>

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