ブランディングとマーケティングの違いについて、まとめてみた〜前編〜
※ こちらの記事は"Everything You Need to Know About Branding and Marketing"と言う英語記事を翻訳したものとなります。
現在、世界の消費者の約50%が、企業のブランドの価値と影響力に応じて購入しているという研究結果があります。
ブランディングは一般的な概念となり、多くのビジネスベンチャーが自社のビジネスをブランド化することを目指しています。その結果、ブランディングやマーケティングの専門会社がいくつも設立されるまでになりました。しかし、ブランディングとは一体何なのでしょうか。また、ブランディングとマーケティングを分けるものは何でしょうか。
効果的なブランディングとマーケティングは、多くの企業の成功の秘訣です。
この記事を読めば、マーケティングとブランディング、その違いや関係性について、完全な知識を得ることができます。さらに、ブランディングの重要性と、あなたのビジネスに適用できる実績のあるブランディング戦略も紹介します。
ブランディングとは?
ブランディングとは、企業の製品やサービスを他の類似した製品と区別するために用いられる、特定のマーケティング手法です。適切なブランディングは、顧客に忘れがたい印象を残し、ひいては企業が忠実な顧客基盤を獲得するのに役立ちます。
例えば、アディダスでは、広告や宣伝をわざわざしなくとも、製品を購入してもらうことができます。一方、創業間もないスポーツブランドのウェアは、何もしなければ、なかなか買ってもらえません。これがブランディングの力です。
デジタル化社会以前は、ブランディングといえば、商品やサービスに貼るラベルのことを指していました。しかし、今や「ブランド」とは、顧客の信頼、認識、完璧なサービス、企業のアイデンティティと評判、顧客の好みなど、さまざまなものを指すようになりました。
全ての企業が目指す製品は「顧客と企業を結びつけてくれる製品」です。上手くこのような製品を生み出せば、あなたのビジネスは大きく成長するでしょう。ここで必要となるのがブランディングです。では、実際どのようなブランディングをすれば良いのでしょうか?
実際のところ、ゼロからブランドを構築するのは、まったく簡単なことではありません。暫定的な戦略、経験、オーディエンスに関する知識、ブランディング戦略、そして競合に対する明確なビジョンが必要です。ありがたいことに、ZeBrandのようなブランディング・プラットフォームがたくさんあり、あなたの製品をブランドとして確立するのを助けてくれます。
まず、基本的なことを理解しましょう。
ブランドとは何でしょうか?
「ブランド」とは、顧客があなたの製品やビジネスに対して抱いている認識のことです。ブランドを成功させるために重要なのは、消費者の間でポジティブな評判を得ることと、彼らにアピールするユニークな製品です。
どんなにユニークなビジネスであっても、ブランド戦略やキャンペーンを行わなければ、ロイヤルティの高いファンをつくることはできません。ブランド構築は、市場でのあなたのビジネスの明確で持続的なイメージを確立することで、顧客との強い関係づくりに役立ちます。
マーケティングとは何か?
マーケティングとは、実店舗やオンラインビジネスを促進するために使用されるチャネルやツールの総称です。人気のあるマーケティング手法には、検索エンジン最適化(SEO)やクリック課金(PPC)、ソーシャルメディアマーケティング(SMM)などがあります。マーケティングは、潜在的な顧客にリーチし、製品について伝えるのに役立ちます。
これらのマーケティングチャネルはすべて、非常に効率的です。しかし、ビジネスの形態によってあなたのビジネスに適したオンラインマーケティングは異なります。
マーケティングのメリットとしては、以下が挙げられます。
収益の向上
コミュニケーションの改善
顧客数の増加
コンバージョン率の向上
経費の削減
など
ブランディング VS マーケティング
ブランディングとマーケティングの定義や概念は、しばしば混同されます。この2つの間には微妙な違いがあります。
ブランディングとマーケティングの主な違いは、次のとおりです。
マーケティングは顧客獲得、ブランディングは顧客維持が目的
マーケティングは、ソーシャルメディアや検索エンジンのほぼすべての側面をカバーする幅広いツールや戦略を持っています。その結果、マーケティング戦術によって、より多くの訪問者を誘導し、より多くの顧客を獲得することができます。しかし、これらの顧客が、製品やサービスのために再び戻ってくるかどうかはわかりません。
一方、ブランディングは、顧客とのつながり、忠誠心、価値を訴求するものです。その結果、顧客はそのサービスに再び戻ってくる可能性が高くなります。
マーケティングは売上を目指すが、ブランディングは顧客のロイヤルティ向上を目指す
ソーシャルメディアマーケティングであれ、検索エンジンマーケティングであれ、結局のところ、マーケティング戦略の主目的は、お客様にサービスを買っていただくこと、つまりマーケティングは売上を目指すものです。
一方、ブランディングの主眼は、ブランドの認知・認識、そして顧客ロイヤルティにあります。言い換えれば、マーケティングのビジョンは短期的であり、ブランディングのビジョンは長期的である、と言えるでしょう。
マーケティングの成果は一時的なものであり、ブランディングの成果はより永続的なものである
ビジネスを成功させたいのであれば、マーケティングの重要性は十分すぎるほどわかっています。マーケティング手法は、あなたのビジネスを促進するための素晴らしい方法です。しかし、多くの企業がマーケティングの成果を感じられるのは、そのマーケティング戦略を使っている間だけです。
一方、ブランディングが効果的に機能し、ブランドが確立されれば、同様に何の努力もせずに安定的に顧客を獲得することができます。
もちろん、ブランドマーケティングによるブランディングが最も効果的です。
ブランドマーケティング
ブランドマーケティングとは、個別の事業体を個別に宣伝するのではなく、ブランド全体とそれに関連する製品を売り込むための一連のプロセスです。ブランド・マーケティングには、主に2つの目的があります。まず、マーケティング戦略による新規顧客の獲得と、ブランディングの成功による旧顧客の囲い込みです。
ブランドマーケティングの範囲はとても幅が広いです。そのため、あなたのブランド戦略構築を助けるために、ブランディングエージェンシーがあります。
ブランドマーケティングは、製品やサービスのクオリティを維持するだけでなく、最新のマーケティング手法を用いて新しい顧客層にアプローチすることにも重点を置いています。
ブランディングの重要性とは
・ブランディングは商品価値を高める
ブランディングは、人々にその製品や事業を信頼できると思わせる効果があります。つまり、ブランディングをすることで商品価値を高め、競争の激しい市場において優位に立つことができるのです。
さらに、ブランディングは、製品の識別や顧客満足、品質維持、安心感などにも寄与します。これらはすべて、商品価値を高めることに貢献するのです。
・適切なブランディングの結果、顧客が新たな顧客を呼び込む
ブランディングは、顧客ロイヤルティの向上につながります。現在の顧客が製品やユーザー体験、つまりブランド全体に満足していれば、彼らはあなたのブランドの支持者として行動するようになります。その結果、顧客の囲い込みに加え、既存の顧客を通じて新たな顧客を獲得することができるようになります。
あなたのブランドへのエンゲージメントが高い顧客からの口コミは、新規顧客を獲得するための最良かつ最も強力な広告ツールとなります。さらに、顧客は自分の時間とお金を正当に評価してくれるブランドを誇りに思うものです。
また、ブランディングは信頼を築き、同じ考えを持つ人同士のつながりをうみます。
・ブランディングは、ビジネスを次のレベルへと導きます
ブランディングは、顧客に製品に対する信頼感を与えます。そのため、ブランド化されていない他のビジネスや競合他社に対する嗜好性が高まります。よって、企業の収益と市場シェアが増加し、企業はこれまで以上に強くなります。これらは、より多くの支店や新しい流通チャネルを開くといった、ビジネスのためのより多くの機会を作り出します。
ブランディングはまた、企業の推定価値を拡大します。これらのことはすべて、ビジネスを次のレベルに引き上げるために役立ちます。
・ブランディングは、ブランド認知度、顧客ロイヤルティにつながる
ブランディングは、デジタルマーケティングの助けを借りて、次のレベルに到達することができます。これは、新しいオーディエンス間でのブランド認知につながります。ブランディングは、顧客からの信頼を得やすく、また、ブランドが確立されていれば、その分野の専門家であるかのように見せることもできます。価値あるブランドは、顧客をより魅了します。顧客は、信頼するブランドとの感情的な結びつきを形成するのです。
その結果、顧客ロイヤルティが非常に高くなります。顧客ロイヤルティは、ソーシャルメディアサイトやウェブサイト上であなたの製品に関するポジティブなレビューにつながります。これもまた、ビジネスの認知度を急上昇させます。
・ブランディングは社員の誇りと生産性を高める
ブランディングは、企業や商品の人気を高めます。人々があなたのブランドについて話すようになれば、従業員のプライドも高まります。さらに、売上や収入が増えることで、従業員の給料や待遇も良くなります。
また、良いブランドは、優秀な社員を惹きつけます。そのため、多くの優秀な人材が、ポートフォリオの充実とキャリアアップのために、あなたの会社をターゲットにするようになります。その結果、生産性が向上し、よりよい仕事ができるようになるのです。
ここまでで、ブランディングやマーケティングについて、また、その違いについて詳しく知ることができたのではないでしょうか?次の「ブランディングとマーケティング後編」ではついに「ブランディングの具体的な構築方法」や「なぜ、ブランディングが失敗してしまうのか」などについて深ぼっていきます。
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