忙しい人には時間があるが、暇な人には時間がない
『香子ー紫式部物語』、読み進めています。
ようやく三巻。
香子(紫式部)は道長様の娘、彰子中宮のもとに出仕して
源氏物語を書き続け、彼女が書き上げた物語は、
同僚の女房たちの手により筆写され拡がっていきます。
さらに道長様より、宮中での出来事を詳細に
日記に記すよう命じられた香子。
物語を紡ぎつつ日記も書かねばならない。
「毎日が矢のように過ぎていく中でも、暇を見ては物語を書き継ぐ。
あたかも時を盗むような感じであり、そんなときこそ筆が進むのは
不思議だった。」
(『香子ー紫式部物語』第3巻、第36章より引用)
そんな香子に、物語の熱心な読み手であり、
筆写手でもある女房のひとりがかけた言葉が、
忙しい人には時間があるが、暇な人には時間がない。
でした。
ほんとにそう。不思議なことに。
忙しい人は、どこかからあたかも時間を盗んでくるかのように、
時間を作り出している。
タスクをたくさん抱えていても、漏らすことなく、遅れることなく、
淡々と、粛々とこなしていく。
タスクが少ないからと言って、必ずしも間に合うわけではない。
一見暇そうに見える人ほど、時間に追われている。
1日24時間、1年365日、みんな平等に与えられた時間のはずなのに。
平安の世からずっと、これは真理なのかな。
『香子ー紫式部物語』は、紫式部の生涯を描く物語と、
源氏物語の現代語訳のパートの2つに分かれていて、
この言葉は源氏物語パートではなく、紫式部物語の部分に出てくる。
作者の帚木蓬生氏自身の言葉なんだろう。
この言葉、ネットで探してみたら笑福亭鶴瓶さんが出てきました。
AーStudioで語った言葉だと。
そっか、鶴瓶さんもお忙しい人やからこの真理に辿り着かはってんなぁ、
さすがやなぁ、と感心していたら、
鶴瓶さん、帚木氏原作の『閉鎖病棟−それぞれの朝』という映画に
主演したはりました。
つながった(笑)。
私にはなかなかこんな時間の使い方はできない。ハードルが高い。
現に、買った本も、なかなか読みこなせてないし(笑)。
私は私のペースでいいか。
でも少しだけ、時間に追われない毎日目指してみようかな。
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