【短編小説】友達に追加しました
僕には、一人も友達がいない。
通っている高校でも同級生とほとんど話したことがない。
昔から人と関わるのが苦手だった。
それが悪いこととも思っていない。
誰も僕を理解しようとしないから、僕も誰かを理解しようとしない。
そう考えてこれまで生きてきた。
ただ、世の中それではまかり通らないこともある。
「お前、学校に友達がいないそうだな」
ある日、父親が僕に言った。
親というものは、時に非常にややこしい。
自分の子供を、世間の”普通”に嵌め込みたがるのだ。
「友達ならいる