【詩】Another World
月満ちて、その雫が真実を照らすとき
汚れも美しさも 同じこと
ならば
その薄衣を剥ぎ取って
光の前へと、闇の奥へと
《ここ》ではないどこかを目指せど
行けども行けども、ここは《ここ》
ならば
ここで曝け出すがいい
己の姿も、己の心も
光に隠され、闇に照らされ
醜悪なまでに美しく
まばゆいばかりに汚れを纏い
別の世界へ 別の世界へ
走れど走れど
月に追われて、ここは《ここ》
ならば
いっそ《ここ》ですべてを剥ぎ取って――
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