【詩】一匙の毒薬
一匙の毒薬をちょうだい
あなたの口移しでも
目の前に匙ごと差し出すのでも
熱いスウプに溶かすのでも
かまわないから
一匙の毒薬をちょうだい
光の朝でも
霧雨の午後でも
共寝の夜でも
かまわないから
けれど
これだけ、約束してちょうだい
あなたの腕の中で
事切れさせて
あなたの目で
最期まで見届けて
そうしたら、わたし
この生の最期の最期に
無上の幸せを感じながら逝けるわ
だから
一匙の毒薬をちょうだい
一匙の、毒薬を……
いいなと思ったら応援しよう!
作品を気に入って下さったかたは、よろしければサポートをお願いします。創作の励みになります。