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規格外の投手 #8

世界最高峰の投手、New York MetsのJacob deGrom投手について語ります。

現地2021年7月7日現在
15試合 防御率 1.08 7勝 2敗 92.0回 四死球 11 奪三振 146 自責点 11

ここ3試合で7失点を喫してしまい、防御率は1点台へと悪化した。それでもなお、神の領域とも呼べる1.08である。
決して本調子とはいえないまでも、この3試合で29個の三振を積み上げた。その間に与えた四球はわずかに1個である。

そして、ダルビッシュ有投手につぐ、史上2番目のスピードで通算1500奪三振を記録した。

2021スタッツ
・防御率 1.08 MLBトップ
・奪三振 146 MLBトップ
WHIP [1] 0.54 MLBトップ 
・被打率 .126 MLBトップ
・K% 45.3% MLBトップ
・BB% 3.7% MLB2位

[1] 1イニングあたりの被出塁数(被安打+四死球)
(出典:Baseball Savant)

奪三振は2週間前はMLB5位タイであったが、2位の選手に1個差をつけてMLBトップに浮上した。ちなみに、2位の選手はdeGrom投手よりも約20イニング多く投げている。
今回着目するのはWHIPである。WHIPとは、1イニングに何人走者を出したか(ホームラン含む)を表す指標である。この数値は1.0(1イニングに1人走者を出す)未満であれば優秀であるが、それをはるかに下回る0.54である。つまり、ほぼ2イニングに走者1人出る値である。
出塁するためには、基本的に安打か四球であるが、被打率とBB%を見ての通り、どちらも極めて低い数値である。どちらも%で表現すると、安打で出塁される確率12.6%四球で種類される確率3.7%となるわけだ。
降水確率であれば、ほとんどの人が傘を持たずに外出するのではないだろうか。

球種 / 割合
【4シーム / 57.9 % 】
平均 99.2 MPH(159.7 km/h)被打率 .156 Whiff [2] 30.3 %
【スライダー / 32.5 %】
平均 91.5 MPH(147.3 km/h)被打率 .087 Whiff 58.2 %
【チェンジアップ / 9.2 %】
平均 91.4 MPH(147.2 km/h)被打率 .074 Whiff 48.1 %
【カーブ / 0.4 %】
平均 83.3 MPH(134.1 km/h)被打率 .000 Whiff 0.0 %

[2] 空振り率

(出典:Baseball Savant)

2週間前と比較して、スライダーの割合が約3%上昇し、その代わり4シームの割合が約3%減少している。
実際に1試合だけリアルタイムで観たが、1巡目から積極的にスライダーを多投しているように見えた。おそらく4シームが本来の力ではないと判断し、組み立て方を変えたのであろう。

ローテーションの関係上、おそらく来週開催されるオールスターゲームの先発で投げることになるだろう。大谷翔平選手との対戦を目に焼き付けたい。

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