【今日読んだ本】アースダイバー 神社編(中沢新一著)
読書記録として。
ストーリー
生命にとっての普遍的聖地に加えて、ホモサピエンス・サピエンスにとっての聖地、そして古代の日本列島に居住した縄文系と弥生系(倭人系)にとっての聖地(のちの神社)の心的・歴史的な構造を探っていきます。
主な取扱い神社は、以下の通りです。
大日霊貴神社(鹿角大日堂) 諏訪大社 三輪神社 出雲大社 和多都見(海神)神社 志賀海神社 穂高神社 伊勢神宮などなど。
(Amazonのサイト内本の概要より)
書き出し
私は長いこと「聖地」というような考え方は、人間にしかないものだと思い込んでいた。しかし十数年前にチベットを旅行しとき、犬にも聖地の感覚があるらしいと知って、改めて生き物にとって聖地とはなにかということを深く考えるようになった。
感想
「聖地は地球の特異点だ」
若い人類学者が若い頃の中沢新一さんに言った言葉。
こんなふうに深いことをさらりと言える人になりたいと心から思う。
よくわかる。この感じはよくわかる。だけどこんなに的確に論理的に伝えるスキルがなかった。
わたしはアースダイバーのような文章を書きたいんだなぁと感じる。書き出しを読んだだけでパタンと本を閉じ、自分には教養もスキルもないと悲しくなる。
するとまた心の中に師匠が出てきた(笑)
「憧れるものを見つけたことがまず素晴らしい。そしてな、教養は積み重ねるもの。スキルは練習で身につけるものなのだ。だから重ねればいいだけだろう?
それにな、中沢新一さんの積み重ねたものとそなたの積み重ねたものは違う。そなたにはそなたにしか出せない味があるのだ。
自信を持って伝えたいことを楽しみながら伝えていけば良いのだよ(にっこり)」
うむ。
あ、脳内に時々妄想師匠が現れて、私にアドバイスをくれているシーンの再現です。お気になさらず(笑)
中沢新一さんはこの本の冒頭でチベットで聖地の山の中腹にある聖なる皮の底に、蝋化した夥しい数の犬の遺体が沈んでいるのを見た体験を伝えている。
犬たちは寿命を感じ取ると、自らその場所へ辿り着き、全員が聖なる山に向かって頭を向けて川底に横たわった状態でなくなっている。しかも蝋化して美しくも荘厳な風景になっているそうで。
たまたま訪れた聖地で図らずもそんな信じられない光景を見たけれど、以前フランス人の人類学者の友人が口にした言葉を思い出し、地球が与える影響を人も犬も同じように受けているのだと容易に受け入れることができたとする。
自然の中に流れる畏怖とか微細な振動などのエネルギーとかを私も感じることがある。どうやら直観が動物的らしくて(笑)
以前、会社で飼っていた(!)猫と同時に車内の隅を見て(黒い影が一瞬動いた)、他にも社員がいたのに、私と猫しかその黒い影を見ておらず、そのあと猫と目が合い、見た?いたよね?とアイコンタクトをとったことがある(笑)
地震が来るときも、寝ていたとしてもその15秒前に目が覚めて、ん?地震が来る?と思っていると、ガタガタと動き出す。
寝ていても絶対起きちゃうのだ。
目覚ましを耳の横で横で15分ならされて起きなくて元夫に激おこされたことがあるような私なのに。
この世界には明らかに場所によって違う振動を感じる場所があり、耳鳴りとか武者震いとか体に反応がある(動物的ですみません苦笑)
それを、こんな風に論理的に語れるのがすごい。
今度からちょいちょい引用させてもらおう。
実はパワースポットという言葉が、ちょっとわかるけど違うと思っていて。
パワースポットニッポンなる本に、北海道の記事を書かせていただいていながらそんなこというのもあれですが。
そうではなく、もっとしっくりくる言葉を探していたのです。
この本を読んでそれが見つかりそうな気がする。
にしても深い。そして難しい。プロローグだけでしばし呆然となる。
私はメモりながら読むのだけれど、これはもう全ページ全文章メモリたい。
写真込みで366ページもある。
こうなってくると図書館で借りるのではなく、購入コースです。
じっくりそして何度も読みたい。
と言うことで、プロローグだけで感想書いちゃいました。