私と渋谷~「渋谷のポエラジ」に寄せて~
ラジオ番組「渋谷のポエラジ」で、渋谷をテーマにした詩の募集がありました。
普段詩は書かないのですが、思い出を基に書いてみました。
応募作品と作品背景をまとめます。
応募作品・作品背景
『答えを確かめにいった日』
この出来事があった時、繰り返し歌っていた楽曲。
私が泊まった部屋のフロアには厨房があり、位置関係からいって、ずっと店員さんに歌声が聴こえていたかもしれません。
パフェを届けに来た店員さんは、ドアの前で間奏に入るまで待っていて下さり、泣いているのがわかりました。
涙の理由は、私の歌とのことでした。
楽曲のもつ力かもしれませんね。
突然新幹線に飛び乗って渋谷に向かったことを最後の一行で書いていますが、時系列としては、それが一日の始まりです。
天気予報で日帰りが無理かもしれないことはわかっていながら、出かけました。
宿泊先の予約は取らずに。
大雨でバタバタっとホテルの部屋が埋まってしまったようで、カラオケボックスに居場所を求めました。
『アイカメラが描く地図』
父譲りの空間認識能力や方向感覚のお陰で、ひとりで土地勘がない場所を訪れても、殆ど困りません。
目的の場所にすんなりとたどり着けないことは、少ないです。
(たぶん、大都市で生まれ育つことができたお陰もあります。)
でも、久し振りの渋谷は様子が変わっていて、あっさり見つかるはずの場所を見つけられませんでした。
道に迷いながら、目にした風景を頭の中で立体地図にしていき、目的の場所を見つけたあとは、目的の時間になるまでの間、地元のように渋谷の街を闊歩していました。
そういう一面は、私にとって強みのひとつです。
『ラブホ街のライヴハウス』
地元の友人と一緒に渋谷まで遠征して、LIVE参戦した若き日のこと。
クリスマスに近い時期だったこともあり、ロマンティックでムーディーな選曲が多かったです。
失恋後の私は、会話の中で何かにつけて
「一緒に坂道の向こうに消える相手なんか、居ないけどね」
と繰り返していたら、
「しつこい」
と言われてしまいました。
ライヴハウスとの位置関係で言うと、「坂道の向こう側」は、坂の上のほうです。
坂を下った方向にはラブホがほぼありませんでした。
『アイカメラが描く地図』の出来事があった日、道に迷った原因のひとつは、ライヴハウスがなくなっていたことだと思っています。
「渋谷のポエラジ」とは?
東京都渋谷区のコミュニティーラジオ「渋谷のラジオ」で放送されているポエトリー・リーディング(≒詩の朗読)番組「渋谷のポエトリーラジオ」の略称・通称。
パーソナリティーは、胎動LABELのikomaさん。
いとうせいこうさんが主宰されているプロジェクト「#MDL(MUSIC DON'T LOCKDOWN!)」のツイキャス深夜プログラム「ミッドナイトポエッツ」の枠主・ハードコアバンド“BROKEN LIFE”のヴォーカリスト・イベントオーガナイザーとしても活躍されている方です。
「ミッドナイトポエッツ」では、参加者としてお世話になっています。