「生産性」の物差しに殺られた時に。
新年が明けてからすでに1週間過ぎた今頃、空が待ち侘びていたかのように粉雪をふりかけてきましたね。皆さんはいかがお過ごしでしょうか？寒さや公共交通機関の不便さに唸りつつも日々活動されている皆さん、本当に尊敬します。人生のどん底にいる皆さん、今日も生きているだけで世界に温もりを与えて下さっていること感謝です。
実は、私は昨年の終わりから「適応障害」と「抑うつ」診断を受けて実家で２ヶ月ほど冬眠生活を送っていました。まだ休職静養中ですがやっと泥沼から這い上がってきたので、この経験と学びを忘れる前に書き残しておきます。
【経歴：2021年9月下旬から症状が出始める。突然涙が止まらなくなる、食欲・食への意識低下、業務でミスが増える、視界が急に狭くなる、手と瞼が急に痙攣するなど。2021年11月には毎日死にたくなり、交通事故や飛び降り、リスカなどの考えが止まらなくなる。耐えきれずにある朝母に「死にたい」とLINEをした。するとすぐに心療内科に付き添いで連れて行ってくれ「適応障害」「抑うつ」と診断される。即時休職、自宅に戻り静養をスタート。現在も投薬にて治療中。】
正直なところ実家に帰っても体にも心にも生きる気力が皆無でした。数ヶ月間も顔から笑顔が消えて、人とのコミュニケーションも興味が出ず、「生きる」ということに関心が消え失せた状態でした。その状態から今に至るまで、長い道のりから得たこと・学んだことを２点シェアします。
①「生産性」というものさしで人の価値ははかれない。
私たちはこの世界に生きている限り、ほぼ全ての場面に置いて「生産性」が求められます。学生は勉強、部活とバイトの両立であったり、主婦であれば家事と子育てなど限られた時間と予算の中でどうやりくりするか。会社員であれば業務の品質を維持しつついかに時短で人員を削減して実施できるか。大人になるにつれて仕事だけでなくプライベートでも生産性を重視するようになります。
もちろんそれは生きるためには欠かせないこと。より生産性の高い生き方へと進むのは成長のチャンスでもあり成功へとつながることは間違いなしです。ただ危ないのは私たち自身の価値を「生産性」という物差しだけで測ってしまうこと。
数ヶ月前の私は、仕事・勉強・運動・教会・友人関係・恋愛…全てにおいて生産性を最重視していました。実際のところ会社での評価も僅かながら向上し、勉強も目標達成をしました。恋人との関係も良好で友人付き合いも満足していました。自分の価値を目に見えるものだけで自己評価することが癖になり、１秒たりとも無駄を省くよう心がけていました。次第に生きることがどんどん辛くなりました。
その結果心も体もポキッと折れて、実家のこたつで寝そべっていたある日。
母に向かってボソッと一言。「なんにもしてなくてごめんね。本当に私ここにいていいのかな。」対して間髪入れずにズバッと答える母。「何もしてないことないじゃないの。お皿も洗ってくれたり、運転してくれたりこっちは助かってるよ。ウチはいてもらって全然問題ない。」
その言葉に救われました。
たとえ自分の存在がお金や社会のためになる「生産性」の物差しで測ったときはゼロあるいはマイナスだったとしても、自分の存在意義がなくなったわけではない。「生産性」とは所詮人が作った人工の物差しです。私の価値は「生産性」だけで測りきれるものではないと気づきました。
皆さんの命もそうです。人の命は人が作った物差しで測れるものではない。だから一息つきましょう。生きているだけで十分だから。安心して一息つきましょう。
② 私たちには生きているだけで、価値がある。
「生産性」以外にも無意識に自分や他人を測っている物差しが他にもたくさんあります。「優しさ」「外見」「知名度」「権力」「共通点」… 身の回りを取り巻くたくさんの人と共存して生きる中で他人を見分けるスキルが身につくのは当たり前です。忘れずにいたいことは、私たちの命には価値があるということ。私たちの命には価値がある。
それは人からの認識によって生まれる価値ではなくて、自分が自分に対して考える価値でもない。神さまから与えられた「命」の価値です。神様ご自身によって作られたこの心と体。神様が自分の愛する一人息子を手放してまで、取り戻したいと思ったこの命。もうこの事実だけで私たちの命のどれほどの価値があるか伝わりますでしょうか… 神様が私たちを愛する愛は絶対に変わらないもの。同時に神様に愛されている人として私たちの価値も無限です。「生産性」なんかの物差しでは到底測りきれない。
この神様の愛の中で安心して、一息つきましょう。
正直私も人生がこれからどうなっていくのかわからないけど、とにかく今は一息ついて好きなパンでも食べることにします。皆さんも是非、一息ついてみてくださいね。
終わり
↑大好きな塩あんバターパンのセット♪