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#440 組織力はミドルマネージャーの強さに依存。ミドルこそ「自分」を出そう!

現在を生きる会社・行政組織の「中堅」にあたる人たちは、めちゃくちゃ忙しいのではないでしょうか。

特に、私と同世代くらいの30〜40代で、いわゆる「ミドルマネージャー」として職務にあたっている人たちは、正直毎日よくやってるよな・・というリスペクトしかありません。

社会の晩婚化・未婚化傾向。子育て世帯の人にとっては、30代くらいで小さな子どもを持ち、子育てと仕事で責任者になるタイミングがちょうどぶつかります。しかも夫婦共働き世代が7割近くを占めています。

仕事においても、プレーイングマネージャーが当たり前になっており、自分が手を動かす仕事を持ちながら、メンバーの仕事を支援する立場になります。

さらには、「働き方改革」の名の下に、本質的には業務そのものをなくす、効率化により生産性を向上する方向に向かうべきなのは重々承知しているものの、現実的には生産性が向上された状態までの移行のタイムラグがあり、労働時間管理が厳しくなったメンバーの仕事を引き取り、さらに仕事量増加・・・みたいな話もありますね。

更には、メンバーのケアも求められます。1on1で一人一人の人生と向き合い、メンバーにチームの方向性を示して、チームを動かしながら成果を出すことが求められる役割。何かトラブルがあれば、責任者としてお客さんから叱責を受けるし、社内でも経営層から毎年高い売上・利益目標が降りてきて、それを現場で実現することが求められる・・・

現役ミドルマネージャーの現場最前線で日々過ごしているので、その大変さをあげようと思えばいくらでも上げられます。

しかし、今日はそんな話がしたいのではなく、「会社組織の強さは、ミドルマネージャーの強さ次第」という話をします。
そして、ライフサイクル上も多忙な時期にあるミドルマネージャーが、「自分らしさ」を出すことがいかに重要と考えているか、述べていきたいと思います。

一番変革を起こしやすいミドルのポジション

VUCAの時代と呼ばれ、ビジネス環境が変わり、組織文化やビジネスモデルの「変革」が求められている会社組織は多いのではないでしょうか。

「変革」という言葉は格好いいのだけど、会社組織が複数の人が集まっている集合体でしかない以上、結局「組織文化」を作っているその組織の構成員の意識や仕事のプロセスが変われるか、ということに尽きます。

そして当然ながら、スーパーマンのような人が外からやってきて、組織の変革を起こしてくれるわけではありません。もちろん、外部からアドバイザー的な役割の人を入れたり、外部から変革を担う人をヘッドハンティングして・・というやり方はありますが、「組織が変革された状態」というのは、「組織の構成員の意識や仕事のプロセスが変わった状態」なので、結局はいま組織の中にいる誰かが行うことです

トップダウンによるアプローチ

最も「変革」を起こしやすいのは、経営層によるトップダウン型のように思えます。

しかし、特に最近の若い人の価値観では、別に「経営層の人が言っているから」という理由で社員が100%動くか、と言うわけではありません。社員が主体的に動くのは、経営層が示したビジョンに心から納得できたとき、共感できたときであり、「いわゆる偉い人が言っているから」で「イエッサー!」で動ける組織は少なくなりつつありますね。

時代が変化し成功の道筋・ルールが変わっている以上、現在の経営層が経験してきた過去の戦術が通用するとは限りません。時代の先読みができて、今の打ち手を正確に判断できるカリスマ経営者もいるでしょうが、「たくさん試してみないと分からない」ですから、経営者や組織のトップだから、明確な答えを持っている・・というのはないはずです。

さらには、ある程度担当する範囲が大きいので、「こっちを立てればこっちが立たず」が発生し、何かを変えるときに考慮しないといけないことが増えます。その意味で身動きが取りにくい立場でもあるので、「変革」に必要なスピードはどうしても落ちてしまうと考えています。

ボトムアップによるアプローチ

その観点では、マネジメントの立場でないメンバーの方は、自分が担当している仕事の中で細部まで入り込める状態であるため、いきなり「全社の変革」にはならないにせよ、小さな変化を起こしやすい立場にはあります。

また、他組織にいる若いメンバーと勉強会を開催したり、上司に何らかのアイデアを提言したりという動きを取れば、別に経営層や管理者の立場になくてもできることはたくさんあります。

一方でボトムアップで難しいと感じるのは、やはり直属の上司にあたる人の思考や考え方に左右されやすいという面です。もちろん、直属の上司をすっ飛ばしてやる方法もありますよ。しかし、やはり普段近くにいる上司が、あまり変革に協力的でなければ、現場で動きにくくなるのも事実でしょう。

ミドルマネージャーのアプローチ

その点、ミドルがやりやすいのは、協力をお願いする上司がスタート地点から少ないことです。少ないと言っても、大組織ではそれなりにたくさんいますが、とはいえメンバーの立場よりは少ないです。

そして、経営層ほど多くの組織を所管していないので、全体のバランスをとらないといけないというようなしがらみも多くありません。自分が担当するまとまった組織で文化や仕事のやり方を変えることで「組織単位での実績・成果」を作り、成果を持って他組織に波及させるということが出来るのです。

そのため、会社組織を変えるにはミドルくらいがちょうど良く、ミドルが元気であれば、自ずと会社組織全体が元気になると実感しています。

ミドルこそ、自分を出そう!

全体の変化を一番起こしやすいミドルマネージャーの人にとって重要なのは、とにかく自分らしさを発揮すること、だと感じています。

メンバーは、マネージャーの振る舞いを本当によく見ていますから、マネージャーが自分たちの仕事に対してどう向き合い、どこに面白さを見出しているか、と言うのがチーム全体に伝わり、そのままチーム力になります。

会社のミッションを自分の言葉で理解して、現場の仕事に落とせるかどうか、というのも極めて大事。ミドルがこのように動けているだけで、チームの動きは全然変わってきますからね。

常に大事なのは、「自分らしさ」を仕事のやり方に乗っけることです。
「上の指示だから」という理由で、そのままメンバーに「上が喜ぶ資料作り」だけを指示しているマネージャーは正直微妙。もちろん、自分がやりたいことを社内で通すための事務実行力や調整力は大事ですよ。しかし、それはマネージャー自身が「こんな組織にしたい」「この事業でこういう成果をあげたい」という気持ちがあってはじめて価値があるもの。
ただ上の想いを形にするだけの役割であれば、マネージャーでなくても出来ます。マネジメントの役割である「チームでやることを自分で決める」。これが出来ないと、本来のマネジメントの面白さを味わえないでしょう。

また、ミドルマネージャーは各現場で孤立しがちです。同じ立場の人は少なく、自身も繁忙を極めているからです。

だからこそ、ミドルマネージャー同士で現場の状況や「自分は組織をこうしたい」を共有し合う場所って凄く大事だと思います。何かに立ち向かう時、「仲間がいる」という感覚があるかどうかは、前進する勇気に大きく影響しますからね。

私は「同期の繋がり」とかは正直どうでもいいと思ってる派です。しかし、入社年次とか所属してる会社関係なく、同じ現代を生きる同じような境遇の人たちが、これからどうしたいか、青臭い議論をすることで、現場のミドルマネージャーたちがより「自分」を仕事の中で出していけるのでは?と考えています。

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林 裕也@IT企業管理職 ×「グローバル・情報・探究」
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