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【今でしょ!note#92】 「何をするか」より「どこにいるか」

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

私は、人が活躍するためには、やることの内容、個人のやる気や能力よりも、「どこにいるか」というポジショニング戦略が全てにおいて重要だという考えです。

そして、ポジショニング戦略に大切なのは、全体を俯瞰してより良いポジションを探し続けることと、より良いポジションを自ら選び移っていくことです。

やってみないと分からないことは沢山あります。
試しにやってみて上手くいけば万々歳だし、上手くいかなければやめて次に行く、くらい全ての選択肢を軽く捉えることができれば、職場の人間関係や、能力を上手く発揮できずに苦しむ人ももっと減るはずです。

今日は、3つの観点から、なぜポジショニングが重要なのか?という話をしていきます。


1 物事の価値は、需要と供給で決まる

至極当たり前ですが、物事の価値は、需要と供給のギャップで決まります。
供給が需要よりも大きければ、物事の価値は下がるし、需要が供給よりも大きければ、物事の価値は上がります。

先日、就職活動の軸の話をしましたが、労働市場についても御多分に洩れず需給関係が個人の価値を左右していて、何らかの能力が長けている人は、その能力を持つ人が少ない環境の方が、希少価値が生まれ、その人の自然な振る舞いで戦っていくことができます。

仕事環境選びで重要なのは、「あなたと同じことが得意な人が、選ばない環境を選ぶ」ということに尽きると考えます。

英語が得意な人であれば、「英語が活かせる仕事を選べば活躍できる」と考えがちです。
しかし、英語が得意な人が例えば商社なんかに就職すれば、同じように英語が得意な人は沢山いるでしょう。
そうなると、英語が話せることがその環境ではスタンダードになるので、英語を話せることの優位性はなくなり、その他の武器で戦わざるを得なくなります

英語が得意な人が、「英語力を武器に仕事をしたい」と考えるのであれば、英語が得意な人が選ばないような環境を選ぶのです。
例えば、地方で国内向けのサービスしかしておらず、現状英語を話せる人がいないが、今後海外のニッチな販路への進出を狙っていて、英語が話せる人を欲しているような会社です。

そういうところを選んでいけば、「よく来てくれました!」と歓迎され、「英語が話せる」というその人にとっては何ともない能力が重宝され、個人のやり甲斐にも繋がります。

私がIT系の会社でエンジニア職を選んだのは、この原理に従ったからです。
私は人とコミュニケーションを取りながら何かを合意したり、英語を話したりすることは元々苦ではありませんでしたから、おそらく営業職もできるんだろうと思っていましたが、逆に技術系のコテコテのエンジニア職には、人とのコミュニケーションが得意でない人も多いのでは?との仮定のもと、今の環境を選択しました。

その読みは結構当たっていて、大学は経営学部で、それまでITエンジニアで必要なスキルなど全く学んできませんでしたが、多くの人の得意技でないところの能力を持っていたので、相対的に需給バランスで価値が向上し、自分の持ち味を自然に発揮することができました。

大学全入時代における大学卒の価値が、ほとんど実態的な意味を持たないのも、需給の原理で説明できますね。
みんなが得意でないから希少価値が出る、みんながやっていないことをやるから価値が上がる。
ポジショニング戦略は、常に先読みと逆張りなのです。

2 難なくボールを取ることが本当のファインプレー

野球で豪快な横っ飛びでボールをキャッチすると、目立つし派手だからファインプレーだと評されます。
でも、本当のファインプレーというのは、予めバッターの傾向や風向きなどを予測して、はじめからボールが飛んできそうなところにポジショニングしておいて、当たり前のようにボールを掴むことだと思います。

仕事で何かトラブルが発生して、それを最も早く解決することが是と考えられがちです。
もちろん、事が起こってしまった後は、その復旧を最優先にして解決する事が重要で、そのための努力というのは讃えられるべきなのですが、本当に仕事ができる人というのは、そもそもトラブルが起こりそうだな、という弱いところを察知して、未然に手を打ち、トラブル自体を発生させない人です。

過去記事でも解説していますが、頻繁に発生するトラブルに対して、何とかリカバる経験をすると、短期的にはドーパミンも出て、仕事をやっている感じが出ますし、周囲からよく解決してくれました!と評価されるので、どうしてもやった感が出てしまうんですね。

でも、それはあくまでフローの仕事であり、必要に迫られて都度対応を繰り返しているだけなので、長期的にみた時のストックになりずらい。
トラブルが起こってしまっても、次にそのトラブルが起こらないようにその教訓をストックにして、個人や組織の形式知にしていける人が、本当の勇者なのです。

だから、安定的に世の中にサービスを提供し続けているものというのは、その裏にその組織の形式知という名のストックがあり、そもそもトラブルが起こらないように構築された仕組み(=ポジショニング)の上に成り立っています。

「何も起こらないこと」は、盛大な拍手を送るべき超ファインプレーの連続なのです。

3 環境が変われば世界が変わる

「隣の芝生は青く見える」は、他人のものはよく見えるだけ、というようにどちらかと言えばネガティブなニュアンスを持って響くことも多いですが、本当に青いケースもまぁまぁあります。正確に言えば、その人にとってよりマッチした環境というのは、他にも山程あります。

私の場合、大学時代のサークル選びで、それを痛感しました。

大学1年生のとき、高校までサッカーをしていたこともあり、あまり迷うことなくサッカーサークルに入りました。
はじめは、新しい友達ができて楽しく感じられていたのですが、受験期間を経て体力が落ちていたこともあり、徐々に行くのが辛いだけになっていました。

「せっかく苦労して入ったのに、大学生活ってイメージよりも華やかでないんやな・・」これがよくある理想と現実のギャップというやつか。と自分に言い聞かせ、納得させていました。

しかしある日、ネットで大学の部活を検索すると、英語を話すサークルで、キラキラした100人くらいの学生のリア充感が溢れる夏合宿の写真が出てきました。

別に英語に興味はなく、すでに新歓の季節は終わっていたので、今から入部を希望しても歓迎されないだろうな、と思い躊躇する気持ちも大きかったですが、残りの大学生活3.5年間を自分を説得しながら過ごすことが耐えられず、次の日にドアノックしました。

すると、そこには自分が心から尊敬できる友人が沢山いて、週末には他大学との交流もあり、自分にとって180度世界が変わる選択となったのです。

同じ大学のサークルの違いだけでもこんなに世界が変わるのだから、世の中に数多ある仕事環境を変えるだけで、本当に世界は変わるのだと思います。
社内で部署が変わるだけでも、世界は全然違います。

そのため、より自分の興味関心にフィットした環境を自ら選び、ポジショニングしていくことが、大袈裟でなく人生の充実感を左右するくらい大事なことだという考えに至っています。

それでは、今日もよい1日をお過ごしください。
今日もお読みいただき、ありがとうございました!


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林 裕也@30代民間企業の育児マネージャー
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